mh徒然草; 徴用工賠償判決の行方
今日は11月8日です。
1週間ほど前に、また新たな火種が日韓の間でくすぶり始めました。
【韓国の大法院(日本の最高裁判所に該当)は10月30日、日本の植民地支配の時期に日本本土の工場で強制労働をさせられたとする元徴用工4人が、新日鐵住金を相手に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、控訴審判決を支持して同社の上告を退け、1人当たり1億ウォン(約1000万円)の支払いを命じた】
日本政府の反応です。
【菅官房長官は7日午前、定例記者会見で、前日に強制徴用判決をめぐり韓日関係の発展に役に立たない言動を自制するよう求める韓国外交部の声明を一蹴しながら「今回の判決は日韓請求権協定に明らかに反しており、極めて遺憾」と述べた。 続いて「日韓請求権協定は、司法府も含めて、当事国全体を拘束するものであり、大法院の判決が確定した時点で、韓国による国際法違反状態が生じた」と批判しつつ「日本としては韓国政府に対し、こうした国際法違反状態の是正を含めて、直ちに適切な措置を取ることを求めている。現時点では韓国政府が具体的にどんな対応を講じるのかについて見極めをしている」と述べた。
これに先立ち、韓国外交部は6日夕方、河野太郎外相が韓国大法院の強制徴用賠償判決を「暴挙」と批判したことに対して「過剰対応」としながら遺憾を表明した】
旧日本製鐵で働かされた朝鮮人たちは長年、日本や韓国の司法に訴え続けてきたのですが、日韓両政府は、1965年に締結した日韓請求権協定で韓国及び韓国人によるあらゆる損害はもはや清算されたとしていました。しかし、どうも、個人の請求権は禁じていなかったんですね。で、文大統領になった韓国政府は、韓国の司法が訴えを取り上げることを黙認し、今回の結果が生まれると、日本側は“協定違反だ!”と非難していて、韓国政府は日本政府のこの対応を非難している、ってのが現状でしょう。
mhはこう思います。
元徴用工の人たちには賃金が支払われるべきです。それが正義です。
実は、台湾との間でも、似た問題が残っていたんです。日本軍に徴兵され、太平洋戦争で日本軍人として戦った台湾人には日本人兵士と比べたら雀の涙ほどの補償しか与えられていないんですね。詳細は次のWiki記事抜粋でご確認下さい。
(「Wiki台湾人日本兵」によれば「(前略)李の発見をきっかけに給与が未払で補償がないことに関する世論の批判も起こり、1987年9月に議員立法で台湾人戦没者遺族等への補償が決定され、日本政府は1990年代に戦病死者及び重傷者を対象に一人200万円(台湾ドルで約43万ドル)の弔慰金を支払った。しかし日本人戦死者遺族が受給する軍人恩給とは大きな差があり、台湾ではこれに反発する声もある。死亡者や重傷者に弔慰金とよばれるお見舞い金があったのみで、給与は現在でも未払である。また、当時強制的に軍事郵便貯金とされた給与も引き出せなかったが、これは120倍にして返却することが決まり1995年に支払いが開始され一部の元隊員は受け取った。しかし平均1000円ほどの残高を所持し、当時としては大金だったのに120倍で引き出しても12万円にしかならない。これに抗議して、1996年6月に、日本大使館に相当する台北の交流協会事務所を元隊員が襲撃する事件が起こった 。現在でも、物価上昇を考慮すると、数年間の戦闘の対価としてはあまりに少額として抗議する元隊員も多い」とあります)
台湾軍人への対応と同じ発想で、韓国人の徴用工に賃金を払う必要は無いと日本側は言っているわけですが、徴用工の場合、日韓請求権協定を結び、今後、一切の請求はしない、と韓国政府が保証したんで、日本政府は、その見返りとして、多額の資金を韓国政府に提供し、それを元に韓国は経済発展を加速したというのが歴史ではないかと思います。
しかし、経緯はどうあれ、日本政府も、旧日本製鐵も、韓国政府も、元徴用工に賃金を支払っていないというのは歴然とした事実のようで、それは不条理だ!っていうのがmhの考えです。賃金は支払われねばなりません。
現在の事態の中でまず感じるのは、日韓両政府の不甲斐なさです。
まず、韓国文政権の対応は無責任極まりないと思います。自国民が不条理な状況にあるというのに何もせず、司法に丸投げしています。そのくせ、日本政府の対応を非難しているだけなんですね。
日本政府はというと、旧日本製鐵が元徴用工から賃金請求されてもいないうちから、旧日本製鐵(現新日鉄住金)に代って、韓国政府を非難しているだけなんです。つまり、徴用工に対する賃金の支払い問題は韓国政府の問題で、日本の責任は全て果たし終えているのだから、今更、個人的な立場からとはいえ、賃金請求されては困る、っていう立場です。こんな無責任で無能な両政府では問題は解決しません。結局、元徴用工は泣き寝入りを強いられるのです。
この問題を解決するmhの方法をご披露いたしましょう。
韓国政府が旧日本製鐵に代って彼らに賃金を支払うか、新日鉄住金(旧日本製鐵)が彼らに賃金を支払うのです。つまり、個人の不利益を国家または企業がまず穴埋めするのです。その後、韓国政府、日本政府、新日鉄住金の三者は、元徴用工に賃金を支払うべきは誰かを協議し、そこに請求書を送ればいいのです。
三者が協議し、誰が誰にいくら支払うべきかを決めてから支払えばいいいではないか、と考える向きの方もいらっしゃると思いますが、それでは議論が空回りするだけで、支払はいつまでも行われることはないでしょう。よって、一番分かり易いのは、まず、新日鉄住金が韓国の司法の結果を受け入れて、支払を行い、必要と思うなら、そのツケを日本政府に送ればいいのです。日本政府は必要と思うなら、そのツケを韓国政府に転送すればいいのです。
この方法は間違いだ!と仰る方は、恐らく、韓国政府が支払うべきだという考えでしょう。しかし、韓国政府は支払うつもりは毛頭持っていないようですよ。となると、元徴用工は泣き寝入りを強いられることになるんです。
日本政府の戦後処理は中途半端で、特に日本に徴用されたり徴兵されたりした韓国人や台湾人に対する補償は不十分でした。少なくとも、日本人と同じ補償を与えるべきです。それが与えられていない状況の中で、もう責任はないと言い張るのなら、彼らのためにどんな責任をとってきたのかを明確にすべきです。もしも、徴用工への補償が韓国政府の責任だというのなら、そう主張すべきです。
それが出来ないんですね。恐らく、日韓請求権協定は、わけがわからない、あいまいな内容だからなのでしょう。協定が締結された1965年なら、敗戦から立ち直り、高度経済成長の加速に精一杯の日本政府は、協定の細部に心を配る余裕がなかったかも知れませんが、その後、十分な時間があったのにもかかわらず、問題をあいまいなまま放置してきたので、そのツケが回ってきたのです。頼りない韓国政府を非難しているだけなら日本政府も責任逃れしているだけだと非難されることでしょう。
どうも、文大統領と安倍首相では物事は収まらないですね。今後の日韓関係が危惧されます。
(11月19日追記)
本日の朝日新聞夕刊によれば、<別の元徴用工訴訟 29日判決>とありました。相手は三菱重工で韓国大法院が判決します。新日鐵住金と同じ、原告勝訴の判決がでるでしょう。そうでなければ韓国内で大騒ぎになるし、そうだとすれば、日韓関係は悪化する一方で、それは文大統領の望むところなのでしょう。何を考えているのか。何も考えていないって言っても大きな間違いじゃあないでしょう。何故なら、結局は元徴用工に賃金が支払われることがないんですからね。無能で無責任と言っても間違いじゃあありません。
The 5th Dimension - Aquarius/Let the Sunshine In (with lyrics)
https://www.youtube.com/watch?v=UTzoC8WQhZw
(完)
今日は11月8日です。
1週間ほど前に、また新たな火種が日韓の間でくすぶり始めました。
【韓国の大法院(日本の最高裁判所に該当)は10月30日、日本の植民地支配の時期に日本本土の工場で強制労働をさせられたとする元徴用工4人が、新日鐵住金を相手に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、控訴審判決を支持して同社の上告を退け、1人当たり1億ウォン(約1000万円)の支払いを命じた】
日本政府の反応です。
【菅官房長官は7日午前、定例記者会見で、前日に強制徴用判決をめぐり韓日関係の発展に役に立たない言動を自制するよう求める韓国外交部の声明を一蹴しながら「今回の判決は日韓請求権協定に明らかに反しており、極めて遺憾」と述べた。 続いて「日韓請求権協定は、司法府も含めて、当事国全体を拘束するものであり、大法院の判決が確定した時点で、韓国による国際法違反状態が生じた」と批判しつつ「日本としては韓国政府に対し、こうした国際法違反状態の是正を含めて、直ちに適切な措置を取ることを求めている。現時点では韓国政府が具体的にどんな対応を講じるのかについて見極めをしている」と述べた。
これに先立ち、韓国外交部は6日夕方、河野太郎外相が韓国大法院の強制徴用賠償判決を「暴挙」と批判したことに対して「過剰対応」としながら遺憾を表明した】
旧日本製鐵で働かされた朝鮮人たちは長年、日本や韓国の司法に訴え続けてきたのですが、日韓両政府は、1965年に締結した日韓請求権協定で韓国及び韓国人によるあらゆる損害はもはや清算されたとしていました。しかし、どうも、個人の請求権は禁じていなかったんですね。で、文大統領になった韓国政府は、韓国の司法が訴えを取り上げることを黙認し、今回の結果が生まれると、日本側は“協定違反だ!”と非難していて、韓国政府は日本政府のこの対応を非難している、ってのが現状でしょう。
mhはこう思います。
元徴用工の人たちには賃金が支払われるべきです。それが正義です。
実は、台湾との間でも、似た問題が残っていたんです。日本軍に徴兵され、太平洋戦争で日本軍人として戦った台湾人には日本人兵士と比べたら雀の涙ほどの補償しか与えられていないんですね。詳細は次のWiki記事抜粋でご確認下さい。
(「Wiki台湾人日本兵」によれば「(前略)李の発見をきっかけに給与が未払で補償がないことに関する世論の批判も起こり、1987年9月に議員立法で台湾人戦没者遺族等への補償が決定され、日本政府は1990年代に戦病死者及び重傷者を対象に一人200万円(台湾ドルで約43万ドル)の弔慰金を支払った。しかし日本人戦死者遺族が受給する軍人恩給とは大きな差があり、台湾ではこれに反発する声もある。死亡者や重傷者に弔慰金とよばれるお見舞い金があったのみで、給与は現在でも未払である。また、当時強制的に軍事郵便貯金とされた給与も引き出せなかったが、これは120倍にして返却することが決まり1995年に支払いが開始され一部の元隊員は受け取った。しかし平均1000円ほどの残高を所持し、当時としては大金だったのに120倍で引き出しても12万円にしかならない。これに抗議して、1996年6月に、日本大使館に相当する台北の交流協会事務所を元隊員が襲撃する事件が起こった 。現在でも、物価上昇を考慮すると、数年間の戦闘の対価としてはあまりに少額として抗議する元隊員も多い」とあります)
台湾軍人への対応と同じ発想で、韓国人の徴用工に賃金を払う必要は無いと日本側は言っているわけですが、徴用工の場合、日韓請求権協定を結び、今後、一切の請求はしない、と韓国政府が保証したんで、日本政府は、その見返りとして、多額の資金を韓国政府に提供し、それを元に韓国は経済発展を加速したというのが歴史ではないかと思います。
しかし、経緯はどうあれ、日本政府も、旧日本製鐵も、韓国政府も、元徴用工に賃金を支払っていないというのは歴然とした事実のようで、それは不条理だ!っていうのがmhの考えです。賃金は支払われねばなりません。
現在の事態の中でまず感じるのは、日韓両政府の不甲斐なさです。
まず、韓国文政権の対応は無責任極まりないと思います。自国民が不条理な状況にあるというのに何もせず、司法に丸投げしています。そのくせ、日本政府の対応を非難しているだけなんですね。
日本政府はというと、旧日本製鐵が元徴用工から賃金請求されてもいないうちから、旧日本製鐵(現新日鉄住金)に代って、韓国政府を非難しているだけなんです。つまり、徴用工に対する賃金の支払い問題は韓国政府の問題で、日本の責任は全て果たし終えているのだから、今更、個人的な立場からとはいえ、賃金請求されては困る、っていう立場です。こんな無責任で無能な両政府では問題は解決しません。結局、元徴用工は泣き寝入りを強いられるのです。
この問題を解決するmhの方法をご披露いたしましょう。
韓国政府が旧日本製鐵に代って彼らに賃金を支払うか、新日鉄住金(旧日本製鐵)が彼らに賃金を支払うのです。つまり、個人の不利益を国家または企業がまず穴埋めするのです。その後、韓国政府、日本政府、新日鉄住金の三者は、元徴用工に賃金を支払うべきは誰かを協議し、そこに請求書を送ればいいのです。
三者が協議し、誰が誰にいくら支払うべきかを決めてから支払えばいいいではないか、と考える向きの方もいらっしゃると思いますが、それでは議論が空回りするだけで、支払はいつまでも行われることはないでしょう。よって、一番分かり易いのは、まず、新日鉄住金が韓国の司法の結果を受け入れて、支払を行い、必要と思うなら、そのツケを日本政府に送ればいいのです。日本政府は必要と思うなら、そのツケを韓国政府に転送すればいいのです。
この方法は間違いだ!と仰る方は、恐らく、韓国政府が支払うべきだという考えでしょう。しかし、韓国政府は支払うつもりは毛頭持っていないようですよ。となると、元徴用工は泣き寝入りを強いられることになるんです。
日本政府の戦後処理は中途半端で、特に日本に徴用されたり徴兵されたりした韓国人や台湾人に対する補償は不十分でした。少なくとも、日本人と同じ補償を与えるべきです。それが与えられていない状況の中で、もう責任はないと言い張るのなら、彼らのためにどんな責任をとってきたのかを明確にすべきです。もしも、徴用工への補償が韓国政府の責任だというのなら、そう主張すべきです。
それが出来ないんですね。恐らく、日韓請求権協定は、わけがわからない、あいまいな内容だからなのでしょう。協定が締結された1965年なら、敗戦から立ち直り、高度経済成長の加速に精一杯の日本政府は、協定の細部に心を配る余裕がなかったかも知れませんが、その後、十分な時間があったのにもかかわらず、問題をあいまいなまま放置してきたので、そのツケが回ってきたのです。頼りない韓国政府を非難しているだけなら日本政府も責任逃れしているだけだと非難されることでしょう。
どうも、文大統領と安倍首相では物事は収まらないですね。今後の日韓関係が危惧されます。
(11月19日追記)
本日の朝日新聞夕刊によれば、<別の元徴用工訴訟 29日判決>とありました。相手は三菱重工で韓国大法院が判決します。新日鐵住金と同じ、原告勝訴の判決がでるでしょう。そうでなければ韓国内で大騒ぎになるし、そうだとすれば、日韓関係は悪化する一方で、それは文大統領の望むところなのでしょう。何を考えているのか。何も考えていないって言っても大きな間違いじゃあないでしょう。何故なら、結局は元徴用工に賃金が支払われることがないんですからね。無能で無責任と言っても間違いじゃあありません。
The 5th Dimension - Aquarius/Let the Sunshine In (with lyrics)
https://www.youtube.com/watch?v=UTzoC8WQhZw
(完)
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