Mysterious Questions In The World

世界のミステリーをご紹介します。

ボストーク湖の不思議

ボストークと聞くと直ぐにロシア宇宙船が頭に浮かぶ世代のmhですが、どんなロケットだったか、Wikiで調べました。
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なに?ロシア語の「ボストーク」って「東」という意味なの?知りませんでした。1961年、ボストーク1号で人類史上初めての有人宇宙飛行をしたのがユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリンで、帰還後、有名な言葉「地球は青かった!」を残しました。しかし、これは日本でだけ言われている言葉のようで、彼は「空は非常に暗かった。一方、地球は青みがかっていた。」と言っただけのようです。1968年、飛行中に墜落死しました、34歳でした。
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話がそれたのでもどしましょう。今回ご紹介するのは「ボストーク湖」つまり湖です。皆さんの中にはご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私は全く知りませんでしたので、恐らく、多くの方もご存知ないだろう、と仮定し、Youtubeフィルム「The Lost World Of Lake Vostok:失われた湖ボストーク」の始まり始まり。
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既に地上は全て調査し尽くてしまい、知らぬところは無いような気がする。しかし、誰も気付かなかったし見たことも無い湖が南極で見つかった!地上に残る唯ひとつの未開の地だ。

4人の科学者は今、厚さ4Kmの氷原を歩いている。下には広大なミステリーに富んだ湖があるのだ!
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世界の科学者が熱い関心を寄せる場所だ。秘密を教えてくれるかも知れない。地球の、そして宇宙における生命の誕生の秘密を。

今まで、誰も南極大陸の氷の下に湖があるなんて考えたことはないだろう。南極で水が凍らないということすら信じられない、それは物理法則に反する!しかし今では、その存在は信じられている。
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1957年、ロシアは南極にボストーク基地を造った。一番近い海岸まで1千kmで、世界で最も寒い場所のひとつだ。
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ロシアの科学者の課題の一つは氷の厚さの測定で、若い地球学者カピッツァの仕事だった。
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「しかし、南極では科学調査は二の次で、重要なのはこの地で生き延びることだった。体を温めるためバターを沢山食べた。」

ある日、カピッツアはボストーク地区を飛行機で飛んでいて、あることに気付いた。
「広い平な氷原だ!」
思いついた理由は信じられないものだった。「氷原の下に湖がある!」
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地中のマグマの熱で氷原の下の氷が溶けて水になり、上の氷が水から熱が逃げるのを防いだので、溶けた水は地面と氷の間に挟まれて大きな湖となっているのではなかろうか?もしこの考えが正しければ、これまで人類が見たことが無い大きな湖が南極の氷の下に隠されていることになる!
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「その考えは馬鹿げている!」と仲間は笑った。だって南極大陸では水は凍って液体では存在しないのだから。

カピッツアは自分の考えを裏付けてくれる証拠を見つけようとした。
氷原で爆発を起こし、その超音波振動が反射して戻ってくる様子を調べた。
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密度が異なる面で反射があるはずだ、湖の表面と、湖底の2つから!
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爆発試験で氷の層は4kmの厚さだと判った。誰もが想定していたより厚い!しかし湖表面からの反射の証拠は見つからなかった。彼は、その後モスクワに戻り、二度と南極を訪れていない。

しかし、1970年代になって、英国の科学者チームがカピッツアのアイデアに命を吹き込むことになった。
彼らは飛行機に搭載したエアボーン・レーダーという新技術を使って氷の下の地形を調べていた。
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1974年、ボストーク基地の北で氷原の下に平らな何かを見つけた。
「まるで水の上を飛んでいるようだった!」
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この時も、その結果が何を意味するか、十分吟味されることはなかった。

しかし、その数年後、南極大陸の上を飛行していた人工衛星が、地上からでは見ることが出来ない光景を映し出した。巨大なボストーク湖だ!英国ウェイルズの半分(mh:琵琶湖の20倍以上)の面積がある!
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ボストーク基地の下の、厚さ4kmの氷で覆われた深さ500mの湖だ!世界でも最大の湖のひとつだ。
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分厚い氷の下の湖は完全な闇の中で、驚くほど冷たいはずだ。そして氷の圧力が加わっている。従って他の世界から完全に隔離されている。

驚くべき発見だった!科学者は落ち着いていられなくなった。早く確実な証拠やデータを手に入れたい!

新聞記事「失われた湖にはどんな生命が潜(ひそ)んでいるのか?」
(ヨークシャーの2倍の面積をもつ海が、他の天体の生命体に関するヒントを与えてくれるかもしれない、とデービッド・ホワイトハウスが語った。しかし一つ大問題がある、それがあるのは南極の万年雪の下だ!)
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地理学者は湖が出来た経緯を検討していた。氷の底が溶けて湖ができたかもしれない。とすれば、湖は外界と何の接触もなかったと考えられる。生命が存在する可能性は低い。しかし湖が先に出来て、その上を氷が覆ったとすれば生命の存在確率は高まる。水中に生命体が閉じ込められて、今も生きているかも知れないのだ!

最初のヒントは湖の形だった。細長くてアフリカのマラウィ湖に似ている。従って地殻変動で地面が割れて細長い溝ができ、そこに水が溜まったものだと考えられる。
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この地殻変動はいろいろなデータから3千万年前に起きた可能性が高い。
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3千万年前、南極では気候は温暖だった。とすれば、雨が溜まり、湖が出来てあらゆる生命が生まれ、生存していた可能性は高い、昆虫から魚まで。
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しかし、大異変(キャタストロフィcatastrophe)が襲う。1千5百万年前、地球は冷えた!ボストーク湖を挟(はさ)んでいた山脈で生まれ育った氷河は、山を下って湖を覆っていった。氷が積み重なるたび、湖は閉ざされて暗くなり、水圧も高まっていった。そして、とうとう、湖は世界から孤立する。
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湖の様子や生命の存在を調べるためには実物サンプルが必要だが、今は手元に何もない。従って、仮説で話を進めることになるが、光が途絶えて植物は消滅したと考えて好いだろう。植物がなければ高度な生命は生き延びることは出来ない。生き残ったとしたら微生物(microbeマイクロウブ)だけだろう。
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微生物は生存の魔術師だ。彼らはどんな環境にも進化しながら適応してゆく能力が高い。地上の全ての動物、人類すらも、微生物から進化したのだ。もし微生物をボストーク湖で見つけられたら生命の誕生の秘密が明らかになるかもしれない。

生物学者によれば、断絶された場所では固有の微生物が進化し発生していることがあるという。もし氷の下に有機生命体が見つかれば、それは、これまでこの惑星、つまり地球、で人類が見たことが無いものだろう。まさにエイリアンだ。

湖で生きているかもしれない生物にとっての恐怖は、皮肉にも科学者によってもたらされることになった!多くの国の科学者がボストーク湖に大挙して集結し、生命体を捕獲しようという共同の調査プロジェクトが始まったのだ。
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最も決定的な証拠を手に入れることが目的だった。氷に孔を明け、湖の水を採取して調べようというのだ。
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氷原を掘り始めた。氷には昔の情報が残されている。彫れば掘るほど過去に遡る。
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3千5百mまで掘り進んだ。50万年前までの気象情報が氷の中に記録されている。25年前、ロシアもボストーク湖面の近くまでボーリングしていた。湖の水を採取しようとしていたのだ。

しかし、ここまできて問題があることに気付いた。ボーリングは汚染を起こす。60トンの油性のキャロシンを使って氷に穴を明けていたが、この油が水に入って、湖を汚染してしまう。
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すると微生物を見つけても、もともとから湖にいたものか、それとも油に紛れていたものか判らない。汚染が無い方法でサンプルを取り出す必要がある!ということで水面から数百mのところでボーリングは中断されることになった。

新たな手がかりは宇宙探査が提供してくれることになった。鍵は宇宙からの映像だ!
NASAが衛星ガリレオを打ち上げた。
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木星と12の衛星を調べるのだ。衛星のひとつエウロパ。驚くほど輝いていた。氷で完全におおわれている。
mh:Wiki「木星」によると次の通りです。
「木星には衛星が67個発見されている。うち51個は直径 10 km に満たない小さなもので、52個は母星となる木星の自転方向とは反対の公転軌道を持つ逆行衛星であることが確認されている。また、大きな4つの衛星であるイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストはガリレオ衛星(注)と呼ばれる。」
(注:ガリレオ衛星はガリレオが自作の望遠鏡で見つけたのでしょう、大きかったので彼の望遠鏡の性能でも見つけられたということではないかと思います。)
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写真が届くと科学者はこの氷の下がどうなっているのか分析を始めた。
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格子状に、しかし異なるサイズで結晶のようなものが分布していることが科学者の興味を引いた。地上で見た光景と似ている!

次の写真は北極海の氷だ。特定の形をした大小の氷片が液体の上で浮いている。
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エウロパの写真は北極海の氷の様子と似ている!つまりエウロパでも氷が浮いていたということだ!水がある、と言い換えることもできる。とすれば生物がいるかもしれない!エウロパは地球外生物ETの生まれ故郷の可能性がある!!!

エウロパの氷の厚さは数KmだろうとNASAは言う。もしボストーク湖の水を汚染しないで採り出せるのなら同じ技術でエウロパの水も採れるはずだ。そしてもしボストーク湖に微生物が見つかるならエウロパでも見つかる可能性がある!ボストーク湖で生物が見つかるかどうかは地球外生物の発見とも関係している!!
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そこでNASAはボストーク湖の水に生命体がいるか調査する技術の検討を始めることにした。

しかし、まだ問題は残る、つまり、科学者がボストーク湖かエウロパの水を探索できたとしても微生物は見つからないのではないか?という不安だ。なぜなら、両者とも生物の可能性に関して決定的に必要なものが欠けている、光だ。

地上のほとんどすべての生物にとって、光は生存のために必要だ。光無しでは食物連鎖が成り立たない。光で育つ植物が食糧連鎖を完璧なものにしてくれる。
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しかし、もし、光以外のものから生命エネルギーを得られるなら・・・

あるヒントがルーマニアから届いた!地下20mに洞窟が見つかった。この洞窟は普通のものとは違う。洞窟専門の科学者が地下に入っていく。
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実は、洞窟には入口がなかった。地上と繋がっていなかったのだ!この人口の竪穴だけが洞窟系(Cave System)に入る手段だ。それまではずっと岩に閉じ込められた泡のような洞窟だった。外部からは何者も、勿論、光すらも入ってくることは無かったはずだ、多分数百万年の間!

そこはボストーク湖と同じように完全な暗黒だった。しかし、小さな水溜りがあった。そこで驚くべきものが見つかった、動物だ!
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蜘蛛のようなもの、ムカデのようなもの・・・彼等は全て眼が見えない。そのうえ、色が無い!33種が見つかったが全て地上にはいない種だ。
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数百万年も地上世界と隔離されていたので異なる種類の生物が誕生することになったのだ。
驚きはそれだけではなかった。ほとんどの動物がとても活動的なのだ!地上にある洞窟内の生物は動きが遅い。エネルギーの消費を抑(おさ)えているのだ。しかしここではどの生物も忙しく動き回っている。ということは地上世界から完全に隔離したこの洞窟に多くのエネルギーがあることを示唆している。雨も、勿論、光も入ってこない洞窟なのに、どこから、どんなエネルギーが入ってくると言うのか?

どの動物も水の近くで活動している。そこで潜ってみた。すると空気溜まりがある場所が見つかった。水面には薄汚い黄色い物が浮いている!
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この黄色い、気味が悪いものは何だろう?これが生命維持エネルギーの鍵かもしれない!付近では動物が元気に動き回っている。
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科学者は、この黄色の物質は微生物が集まったものだと確信した。これが食物連鎖の源だ!しかし微生物は何からエネルギーを摂取して生きているのか?

調べていくと、光ではなく、硫化水素をエネルギー源にしていることに気付いた。微生物は水中の化学物質を餌にする。キーモスシンファシス(??)とよばれる現象だ。水は硫化水素で満ちていた。水中の温泉から噴き出している!
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この洞窟の生命系から、温泉が微生物のエネルギー源になっていることが判った。ボストーク湖にも温泉があれば微生物が存在し得る。もしも、昔の活動的な火山が今もボストーク湖に残っていれば、ということだが。

多くの科学者によれば、南極大陸では火山活動は既に終息し、地震もほとんど起きていない。温泉も少ないはずだという。

しかし、去年起きた地震が興味深い動向を示していたことに気づいた。ある線上に小さな地震が発生していたことが判ったのだ。しかもボストーク湖に沿って起きていた!
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従ってボストーク湖で温水が噴き出していても不思議ではない。

氷原のボーリングで採取し、保管していた氷を調べていた科学者が驚くべきことに気付いた。
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氷の結晶状況が深さによって異なる!浅いところほど結晶は無数にある。
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しかし深いところの氷では結晶のサイズが大きい。1mの氷のサンプルがたった一つの氷結晶で出来ていたものもあった!
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ボストーク湖の水で作られた結晶に違いない!氷の中の黒いものは湖で浮いていた何かが氷に閉じ込められたものだろう。湖の水で出来たと思われる氷をよく調べれば、何か手がかりが見つかるかも知れない。

そこで電子顕微鏡で氷の薄い片を覗いてみた。すると、そこには微生物が見つかった!ひとつではない、数百の微生物がいたのだ!
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微生物は確かに湖にいるかもしれない。しかし、ボーリングの最中に氷に潜(もぐ)り込んだ微生物かも知れない。ボーリングで氷の柱にひびが入り、そこから微生物が氷の内部に入り込んでいた、ということだってあり得る。

確実な証拠をつかむ唯一の方法は湖の中を調べるしかない。NASAはリモートコントロールの超小型水中ロボットを開発するしかないだろう。厚い氷の下に送り込めるよう、髪の毛のピンみたいなサイズで、生命を検知する機能を持ったロボットだ。

NASAのある科学者が、過酷な環境下で生命の存在を検知できる装置を開発した。モノウ湖は塩分が高く微生物は住んでいない。ボストーク湖と近い環境だ。ここで使えればボストークでも使えるはずだ。
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装置は水中に溶けている酸素%を計測する機能をもつ。酸素量の変化から生物存在の有無を判定するのだ。ハイドロラボと名付けられている。調べたら湖底近くで酸素量の急激な変化が確認された。生命体が存在していることを示唆している。

もし水を採取して調べたら、水中からは繊維のようなものが見つかるかも知れない。多くの学者はいうだろう「これは生命体のように見える」と。
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しかし、外観だけでは不十分だ!どんな物質から出来ているか確かめなければならない!
従って、生命検知ロボットは、レーザー光を使ったスペクトロメーターの機能が必要だ。DNA,タンパク質(protain)、ベンゼン核(quinoneキノン)などタイプが異なる分子の有無を検知できれば、生物体かどうか判断できる。
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他の科学者は別の方法でも生命体の検出をしようと考えていて、ウィッシュ・リスト(希望リスト)を纏(まと)めている。ハイドロラボ(酸素量測定器)、スペクトロメーター(分子量測定器)、ビデオカメラ、光、顕微鏡、圧力計、温度計、水質分析計、そしてコンピュータなどなど。厄介なのは、4kmの厚みの氷の下まで送り届けられるよう、全ての機能をペットボトル1本くらいのサイズに収めることだ。装置の開発には何年もかかるだろう。
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小型化が重要な課題であることは間違いないが、もっと重要な課題は汚染リスクの排除だ。

沢山の機能を小さくまとめたロボットを、汚染することなく4kmの氷の下の湖に送り込まねばならない!
NASAはこの問題を解消できる天才的なアイデアを見つけ出した。熱風で氷を溶かしながら掘り進むプローブ(触針)だ。溶けた水は再び凍るので外界と湖を完全に分離してくれる。それが出来る強い材料はデテニウム(?)だ。

氷や大気の汚染を持ち込まないよう、水面に達する前にプローブでの掘り下げを停止する。そしてプローブの中に入れていた、汚染されていない新たなプローブを突き出して、氷の膜をつき抜き、水中に先端を挿入する。
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先端が水に入ったら小型ロボットを水中に放出する。生命探索の旅に出発させるのだ!
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小型ロボットはバッテリーで湖の中を自在に動き回り、生命体の存在を調査し、結果を電波で地上に送信する。
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このプランが実現するにはあと何年か必要だろう。
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生命探査ロボットは片道切符しかもたずに湖底の旅にでる。そしてボストーク湖の中で、宇宙の神秘を見つけるかも知れない。

「BBC Horizon - The Lost World Of Lake Vostok
https://www.youtube.com/watch?v=P9BXUPu1W7s

(完)
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