Mysterious Questions In The World

世界のミステリーをご紹介します。

骸骨の砂漠の不思議

太陽で焼かれてできた砂も風で運ばれ海で打ち砕かれる。近くを航行した西洋人の船乗り達が、恐れ、敬い、避けて来た海岸がある。
04001.png
恐ろしい、しかし的(まと)を射た名の「スケルトン・コースト」(骸骨海岸)だ!
04002.png
この乾燥した土地にも西洋人が住み着いたことがある。ダイヤモンドの鉱床に気付いたのだ。
04003.png
しかし砂漠との戦いに負けて町は放棄された。
04004.png
スケルトン・コーストは南アンゴラからオレンジ川まで200kmに渡る海岸だ。
04005.png
内陸にはナミブ砂漠が広がっている。
04006.png
太古の昔、ゴンドワナ大陸(注)があったところだ。
04007.png
(注)Wiki;ゴンドワナ大陸 (ゴンドワナたいりく、Gondwana)
04008.png

海岸に近い砂漠の中には高さ300mの砂山もある。その向うは乾燥した台地が続く。
04009.png
オレンジ色の砂の広がりは終わりが無いかのようだ。そこには世界で最も埋蔵量が多いダイヤモンド鉱床がある。

光の加減で砂漠は変化に富んだ美しい姿を見せてくれる。
04010.png
砂丘は、風が数百年かけて形作る動く彫刻のようだ。
04011.png
10月になると10万頭を超えるシーライオン(アシカ海驢)が子供を産むためにスケルトン・コーストにやって来る。冷たい南の、氷の大洋から流れ上るベンゲラ海流が栄養分を運んでくると魚が集まり、魚を狙うアシカが集まって食物連鎖が出来上がる。
04012.png
最初に上陸した西洋人はポルトガル人で1486年にやってきた。翌年、大挙して押し寄せ、その場所をアングラ・ビケイニア(小さな入り江)と名付けた。
04013.png
しかし、実際に定住したのはドイツ人だ。1883年、ルーデリッツLűderitzという名の町ができ、鯨処理工場が造られた。数か月後、宰相ビスマルクは「ナミビアはドイツ帝国に従属する」と宣言する。
04014.png
豊かな海岸になり、家も増えていった。
04015.png
1908年には鉄道が引かれた。この工事中、工夫が地面の中で光るものを見つけ、ドイツ人のボスに見せた。ボスはそれが何かを直ぐに理解した、ダイヤモンドだ!ボスは直ぐに、付近一帯の資源採掘権を申請した。商人たちも続々と集まって町は活気づき、南アフリカで最も重要な所になった。
04016.png
今でもルーデリッツの様子は昔とあまり変りがなく、ドイツ植民地のような雰囲気を醸(かも)し出している。一年中、強い風が吹いているのも昔と同じだ。
04017.png

04018.png
町には植民地時代からの子孫が今も住んでいる。

フロンティア・タウンの雰囲気を残している街並み。鉄道は無くなったが立派な道路が外部と町を繋いでいる。
04019.png
町の中では舗装されず砂のままの道路も多い。砂漠に続く道の先には、厳重にガードされ、立ち入りが制限されているダイヤモンド採掘場がある。しかし、採掘されたダイヤモンドの原石は加工のために南アフリカに運び出され、町を潤すことは少ない。
04020.png
町を支えているのは漁業だ。ベンゲラ寒流のおかげで、南大西洋の重要な漁港になった。ヘイク(hakeメルルーサという魚)、ロブスター、海草などが採れ、5千人が生活の糧(かて)を得ている。ナミビア政府にとっても漁業はダイヤモンドに次ぐ収入源だ。
04021.png

04022.png

西洋人が来る前、ここに暮らしていた人がいる。
04023.png
昔からいた原住民を駆逐して生活していたホッテントット族だ。長い間、この地に住んでいる。つい最近になって西欧の征服者が彼等と入れ替わった。西欧人は無礼にもホッテントット族をブッシュマンと呼び捨てている。ブッシュマンにとって祖先の魂ともいえる神聖な山には壁画が残っている。6千年前からブッシュマンが住んでいた証(あかし)だ。
04024.png
ブッシュマンのほとんどはカラハリ砂漠一帯で暮らしているがその数は減って今は10万人程だ。町で暮らすブッシュマンには政府からの生活保護費を受けながら、何の仕事もしないで、ゲットー(貧民窟)で人間以下の生活を強いられている人も多い。中毒になるほど酒を飲んでは時間を潰し、寝て暮らす人も少なくない。彼等の祖先は2千年前から狩猟で暮らしていたので、簡単には新しい生活に馴染めないのだ。
04025.png
国際人権救援機構Amnesty Internationalはナミビア軍が彼等を乱用し虐待していると非難している。そうはいっても、町に住むブッシュマンの生活も少しずつ改善してきた。例えばボツワナでは1998年に大きく経済発展している。

ブッシュマンの中には漁師になった人達もいる。勿論、奥地で昔ながらのハンティングをして暮らしているブッシュマンもいないわけではない。しかし、ハンティングして暮らせる地域は段々狭くなっている。
04026.png
カラハリ砂漠の隅で、昔からの生活を続けているブッシュマンがいた。
04027.png
チョンワティは4家族、計14人が暮らす集落だ。土地が与えてくれる全ての物を享受しながら暮らしている。
04028.png
この集落ではクシャイ、サムガオ、トゥカ、ボーの4人がリーダー格だ。今からウサギの狩猟ツアーに出かける。長老か、最も狩猟に長けた者がツアーのリーダーを務める。
04029.png
数日前に食料が切れたので集落の近くでウサギを獲(と)ることにしたのだ。こんな時でも他の集落のテリトリーは侵さないことがブッシュマンの仕来(しきた)りだ。

ウサギを獲る方法は天才的だ。フックのついた柔らかい棒で地面に出来た穴の中を突いて、棒を頬に当てる。震えが伝わってきたらウサギがフックにかかった証拠だ。
04030.png
今回は駄目だった。4人は手ぶらで集落に戻るはめになった。

過酷な旱魃(かんばつ)は生活を圧迫している。残された食糧はキビだが、これだけでは滋養に欠ける。
04031.png
しかし、厳(きび)しい乾季が雨季よりハンティングに向いていることを彼等は知っている。

乾季になると動物は小さな水溜りに集まってくる。そこに行けば上級な肉を得ることも可能だ。ナミビアは野生動物の宝庫として知られている。ベルギーと同じ面積のエトーシア国立公園だけでも114種の哺乳類と340種の鳥が住んでいる。
04032.png
乾燥した地面は見る間に水を吸い込んでいく。ライオンは水辺の近くの木陰で休みながら攻撃のタイミングを探(さぐ)っている。
04033.png

雨季は毎年12月に始まり、3月末まで雨が途切れることはない。この時期は緑の草が広々とした大地を絨毯(じゅうたん)の様に覆う。

そろそろ子供が生まれるシーズンだ。水一滴だって無駄に出来ない。
04034.png
象はこの水溜りで最強の動物だ。ブッシュマンですら近づくのを避ける。
04035.png
4人は狩猟に行くことにした。今度は遠くまで出かけてみるつもりのようだ。

翌日、彼等は準備を開始した。最もパワフルな武器は地面の下にある。物々交換で隣の部族から入手した鉄の棒で土を掘ってセラミックで出来たような固い小さな実を探す。最低10個ないと必要な量の毒がつくれない。大変な仕事だったが、なんとか見つけることが出来た。
04036.png
しかし、焦(あせ)ることはない。慌(あわ)ただしいのは西洋人の習慣で彼等の好みではない。「西洋では時計を持っているが時間に追われている」と最長老のボーは言う。
04037.png
採ってきた実をキリンの骨の上で注意深く潰す。強い毒があるから慎重に扱わねばならない。矢で撃った衝撃やその傷で殺すのではない。鉄の矢尻が動物につけた小さな傷から、毒を少しずつ体内にいき渡らせて殺すのだ。
04038.png
武器が準備出来ると、祈祷師が木片で、いつ、どちらの方向にハンティングに出発するかを占う。オリックスoryx(アフリカ羚羊)かガゼルgazelleを狙って朝方“こちら”の方向に出発するのが好い!と出た。
04039.png

ブッシュマンの住むチョンワティから700km北西に離れたカオコと呼ばれる半乾燥の山岳地帯では、ヒンバー族が牛を飼って暮らしている。
04040.png
ナミビアとアンゴラの国境を流れるクネーネ川が人を寄せ付けない土地での生活を可能にしている。

ヒンバー族はアフリカの種族の中で最も興味深い、文明に触れられていない部族のひとつだ。ここオベンベ集落には2つの家族が暮らしている。
04041.png
ヒンバー族はアフリカで最も有能な遊牧民との評判がある。しかし、自分の命が、動物ではなく人間に頼っていることを知っている。もし人間を持っていれば、家畜を持っていなくても死ぬことはない。母方の系統が資産の分配を決め、父方の系統が組織の管理を行うのが昔からの習わしだ。
04042.png
4年前、家族の長(おさ)だった男は牛泥棒と戦って怪我をし、左手の半分を失うことになった。その時、病院に連れて行ってもらったのが集落を離れた最初で最後だ。
04043.png

今日、彼の娘のコマネイが結婚適齢期になった。成人式には近くの集落から女たちが駆けつけて祝ってくれた。
04044.png

両親は彼女の夫となるべき男を決める。一夫多妻が種族の慣習だが、第一夫人になることは重要なことだ。

身を飾ることはヒンバー族の女には重要な仕事だ。多くの時間を費やす。最も貴重な、オフンバという巻貝の装飾具は牡牛1頭の価値がある。別の種族と物々交換で入手するのだ。
04045.png
髪型で性的にも成熟していることを表している。
04046.png
彼女らは水で髪を洗わない、灰で洗う。
04047.png
最もはっきりしている特徴は体の色だ。キドマウと呼ぶ、鉄分を含む貴重な石を砕いて磨り潰し、細かな粉にしてから体に塗る。魅力的な褐色の肌にするためだけでなく、日焼けや虫よけ対策にも効果的なのだ。
04048.png
風呂に入るのは結婚の直前だけだ。
04049.png
家畜の牛は彼等に何でも与えてくれる。ミルク、肉、体に塗る染料の油。皮からは着物を造る。家を造ったり修理したりするのは女の仕事だ。材料は全て自分たちで探してこなければならない。重要な4つの材料は、折り曲げ易い細い木の枝、牛の糞、粘土、木の幹の繊維から造ったロープだ。
04050.png
羊も飼っている。毎日、干上がった川の近くの水飲み場に連れてゆく。貴重な水は牛から飲ませる。どの部族も大体同じ時刻に家畜をつれて水飲み場に集まってくるので、他の部族の家畜と混ざり合わないようにするのは大変な仕事だ!
04051.png
ナミビアの国境近くに政府が風車を造った。部族の定住を支援するためらしい。
04052.png

ブッシュマンの集落では、男たちがハンティングに出発した。ハンティングは数日、時には数週間に及ぶこともある。いつ終わるか、彼等にも判らない。
04053.png
必要最小限のものだけ持参する。弓、矢、鉄の棒、ナイフ、火起し道具、そしてタバコ。その他のものは途中で探す。この不毛の土地でどう生きていくのかを知っているからそれで十分なのだ。

木の根の水分で喉(のど)を潤し、根を肌に擦り付けて体を湿らせる。チューイーという栄養豊富な小さな木の実を見つけると一つ残さず食べ尽くす。
04054.png
最大の食糧はグエイというスイートポテトだ。味はしないが水分が多いし地中にあるので冷えている。
大きなグエイ1個は4人の1日分になる。
04055.png
煙草やマリワナmarihuanaはブッシュマンの重要な文化だ。最近はマリワナより煙草が多い。物々交換で別の部族から手に入れる。男も女もヘビースモーカーだ。
04056.png
グループはまた出発した。狩りではいつも一列になって歩く。
04057.png

もうすぐ動物が集まる水溜りの近くだ。獲物からは十分遠いが、注意深く進まねばならない。
04058.png
クシャイは4人の中で一番目がいい。彼を先頭に水溜りの方向に進んでいく。
04059.png
いよいよ狩りの開始だ。
04060.png

04061.png

見事に雄のアレックスにヒットした!
04062.png
首や肺に矢が当たれば数時間で死に至るが、そうでなければ、なかなか倒れてくれない。足跡を辿(たど)りながらゆっくり追跡する。追跡が数日続くことも稀ではない。
04063.png
数時間後、最初の血の跡が見つかった!アレックスの左の肺に当たったので、ゆっくりと、しかし確実に死に至ったのだ。
04064.png
ブッシュマンは、狩りをする時は雌や子供を殺さないよう気を付ける。自然のサイクルを大切にし、必要量以上の狩猟はしない。煮たり焼いたりする時でも最少量の木しか使わない。長い間、そうして自然との調和を維持してきた。

獲った獲物はハイエナがうろつき出すまえに処理しなければならない!
04065.png
数週間分の食糧になりそうだ。解体する時に流れ出た血で体を拭(ふ)く。宗教儀式ではない、体を洗うのだ。

肉の量が多くて全部を持ち帰れないから残りは取りに戻らなければならない。残す肉は枝や芳香のある草などで包んで地中に埋めておく。集落に持ち帰った肉は煙で炙(あぶ)ってみんなで分け、少しずつ使う。

集落に戻る途中で、来る時に埋めておいた水を飲む。ダチョウの卵にいれて草の陰の地中に埋めておいたから冷たくて新鮮だ。
04066.png

04067.png

ヒンバー族の集落では夕飯の支度が始まっていた。ミルクを揺すってバターを造る。しかし赤い人(ヒンバー族)の将来がどうなるのかは誰も判らない。ナミビアとボツアナの政府は発電用の巨大なダムの建設契約を結んだのだ。クネーネ川が堰き止められると彼等のテリトリーは水に埋まってしまう。
04068.png

ブッシュマンの部落ではみんなが神聖な火を囲んでリラックスしていた。飲んで食べてダンスして、善の神に狩りの成功と豊かな食料の恵みを感謝する。
04069.png
(完)
映像は下記でお楽しみください。映像も風景も綺麗なのでナミブ砂漠を堪能できると思います。
なお字幕が出てくるかもしれません。その時は下段のインストラクションを参照ください。
Desert of the Skeletons (full documentary)
https://www.youtube.com/watch?v=L6TeTdNo75c

字幕は、ナレーションと完全に一致しているのでヒアリング練習になります。
04070.png

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

fc2は、時々管理画面に入れなかったりすることもあって
中には、離れていく人もいるようです。
月曜日投稿の『骸骨の砂漠の不思議』は、ちゃんと見れていますので
ご安心あれ!!

写真を見ながら、また内容も拝見して・・・日本人でよかった~と感じました。

しかし、いかにヒアリングの練習とはいえ
ブログに書き纏めるまでには何回ぐらい見返すのか?~と

ご苦労様です。





monalisa | URL | 2015-03-23(Mon)16:21 [編集]


Re: タイトルなし

ブログ・チェックありがとうございます。fc2も暫く続けてみましょう。
LivedoorのファイルUpでは写真の横寸法が自動的に最大値にセットできるので、比例計算の必要がなく、とても簡単です。場合に寄れば貴女も試験的に1度、トライしておくと万一の時に役立つかもしれません。

英語ヒアリングですが、時間はたっぷりあるのであまり苦になりません。しかし、同じ単語を何度もネット辞書で引き直すのは我ながら情けない記憶力ですが、その分、判断力や感性の維持に転用できるエネルギーが増えていると都合のいい理屈を見つけて自分を元気づけています。

mystery hunter | URL | 2015-03-23(Mon)18:20 [編集]