Mysterious Questions In The World

世界のミステリーをご紹介します。

ソロモンの黄金の不思議

ブログ「シバの女王の不思議」に続いて再び、ヘブライ語聖書(注)に現れるソロモンに関する不思議です。彼はイスラエルの王で紀元前971年 頃王位に就き、 紀元前931年頃老衰で80歳くらいで亡くなったとされています。

(注:ヘブライ語聖書。紀元前5世紀頃にバビロンに幽閉されたイスラエル人達によって作られた。言語はヘブライ語。ヤーウェイを神とする一神教の経典で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の経典の元となっている。キリスト教では西暦1~2世紀に作られた新約聖書に対比して「旧約聖書」とも呼ばれる。)

シバの女王との出会いでも有名です。
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(シバの女王と会談するソロモン:フィレンツェのサン・ジョヴァンニ洗礼堂)

ソロモンは、シバの女王からプレゼントされたり自ら集めたりした黄金で巨額な富を築いた、と思わせる記録が残っていて、この黄金や金鉱を探す探検家(山師といった方が正しいかもしれません)が今も後を絶ちません。黄金はどこに眠っているのか?探検家たちは黄金を見つけたのか?それともまだ見つけていないのか?

それではYoutube「DIGGING FOR THE TRUTH - QUEST FOR KING SOLOMON'S GOLD(2004)」(ソロモン王の黄金を探す旅)の始まりです。

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ソロモン王の伝説で知られる金鉱を捜す旅をしよう。
聖書によれば彼の莫大な黄金はオフィアOphirと呼ばれるミステリアスな土地から届いていた。
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3千年の間、投資家、探検家、黄金ハンターたちがオフィアを捜しているが未だに成功していないようだ。
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ソロモンの富は秘密のベールに完全に覆われているから誰も見つけることが出来なのか?それとも、まだ何か重要なヒントが見逃されているのだろうか?

イスラエル、ジンバブエ、エチオピアを訪れ、ソロモンの金鉱だったと言われるオフィアを探してみよう。
まずは世界で最も霊的で神聖な都市エルサレムから調査開始だ。
ソロモン王の王宮が在った場所とされている寺院の丘Temple Mountだ。
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ここに造られていた王宮は黄金で覆われていたと言う。黄金はオフィアOphirと言う名の場所から届けられていたと旧約聖書に書かれている。
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現在、寺院の丘にはソロモン王の王宮を思わせる物は何も残っていない。しかし、聖書によれば、丘の上の王宮や寺院の柱や壁や天井は黄金で輝いていたのだ。
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使われていた釘(くぎ)すらも黄金だったという。
王宮や寺院は紀元前586年、バビロニアのネブカドネザル王によって破壊され焼き尽くされ、残されていた黄金は全てバビロンに持ち去られたと聖書に書かれている。
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何千年もの間、大勢の男達がこの宝を見つけ出そうとしたがいまだに見つかっていない。

しかし、エルサレムにあったと言う莫大な黄金の出処(でどころ)については聖書がかすかなヒントを提示している。オフィアという名の場所だ!
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王はオフィアから多くの金を手にしていた。残りの黄金はミステリアスな女王シバからの贈り物だった。
何世紀もの間、オフィアを求めて、アフリカ大陸のいろいろな場所で探索が行われてきた。
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ドイツ人探検家カール・マウシュKarl Mauch
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1870年、彼はジンバブエで「オフィアだ!」という遺跡を見つけた。
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エチオピアで金鉱を探している探検家もいる。エチオピアはシバの女王の国で、ソロモン王の金鉱の場所でもあったのでは、と考えているのだ。

私はまずイスラエルの南で金鉱の調査を開始した。
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1930年、考古学者がソロモンの富と思われる鉱山を見つけた。
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そこは本当にソロモンの金鉱なのだろうか?
考古学者サリオに現地を案内してもらった。
「今、我々がいるのはインティナ盆地(Basin)だ。この辺りには人間が掘った何百もの採鉱窟がある。」
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「金はそのままの形で地中から見つかるので採取は簡単だ。しかし、我々人類が最初に利用した有効な金属は銅だ。
ところでここで見つかった採鉱窟は、最初はこんな恰好をしていたんだ。」
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「見つけた時は何か判らなかった。しかし、土を除(の)けてみると、こんな風な孔が出てきた。」
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「その孔は37mも続いていたんだ。」

サリオは蜘蛛の巣のように広がる洞穴に案内してくれた。
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洞窟は5千個以上も見つかっている。古代でも大規模に採鉱が行われていた所だろう。
「ここを見てくれ、青いだろう?銅の鉱石だよ。」
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「で、金の鉱石はどこにあるの?」
「ここにはない!!!?」
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「じゃあ、なぜ、ここがソロモンの鉱山だと呼ばれているんだ?」
「聖書に書かれているから、人々はここがソロモン王の鉱山だと呼びたかったんだよ。でも銅はある時期、黄金よりも貴重な金属だったんだ。」
「ソロモンがここで銅を採っていたって可能性はあるかも知れないけど・・・」
「君は誰がここで銅を採取していたか知りたいかい?」
「そりゃあ勿論!」

「これはここで働いていた人達が造った住居や寺院の跡だ。」
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「考古学者の調査結果によれば、掘っていたのはエジプト人だ。ファラオが管轄していたんだよ。」

ソロモン王より4百年も前から採掘がおこなわれていた。ハトシェプスト女王の時代だ。
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結局、地図にある「ソロモンの鉱山」という名は間違いだった!

一から出直しだ。原点の旧約聖書に戻って調べてみよう。
「ソロモン王は紅海に面した海岸にエジオン・ギバァEzion-geberという軍港を持っていた。」
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多くの学者は今のエイラットEilatがその港だと考えている。
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「ソロモンは16トンの金をオフィアからこの港に持ち運んだ」という記録もある!
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今はスキューバダイビングでも有名なリゾートだ。
(mh:上の写真のIsrotelはイスラエルState of Israelに複数のホテルを持つ企業で、エイラットEilatにあるホテルの名はKing Solomonです。海に面したリゾートホテルで最低料金は2万9千円!)
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3年毎に金、銀、象牙、サル、などの宝や土産物を積んだ船がこの港に戻ってきたという。
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3年の往復航海ならソロモンの船は数千Km離れた場所でも往来することが出来ただろう。
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と言うことは、オフィアはアフリカのどこかに在った可能性もある!
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(mh:象牙やサルならやっぱりアフリカでしょう、船が寄港したのは!)
アフリカの南まで帆船で旅をすると6週間くらいかかるらしい。3年もあれば、沢山の珍しい土産物を集めてソロモン王に届けるには十分だ。
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何千年もの間、アフリカの港が中近東と交易していた証拠は沢山見つかっている。
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とすれば、ソロモンの艦隊がアフリカに寄港し、内陸に入っていったことだってあるだろう。
例えば現在はジンバブエと呼ばれる内陸国だ。
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19世紀、一人の男はそれを信じていた。歴史家ポールが教えてくれた。
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「確かに、オフィアはこの辺りだと信じて訪れた男がいる。若いドイツ人カール・マウシュだ。」
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「1871年にやって来た。未開の、外部の人間に友好的でなかった人々が棲む土地に一人で乗り込んできた。そして、彼は実際に黄金を見つけたんだ!確かにジンバブエの人々は金の採取をしていた。」
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アラブ人やスワヒリ人も金の買い取りに訪れていた。
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今でも沢山の金がジンバブエから輸出されている。
エレベータで地下に入っていく。地下8百mまで真っ直ぐ下る。
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昔と違って作業者は岩をダイナマイトで砕いて採取する。
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2003年、12百万ドル以上の金がここで採掘されている。
この岩には金が含まれている。
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岩は地上で粉砕され、含まれていた金が採取される。
鉱山を離れる前には全員が身体検査される。
「私が金塊を隠し持ってないか調べてるよ!」
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「彼は気付かなかったぜ!」(笑い!)
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鉱山から5時間ドライブするとグレート・ジンバブエと呼ばれる場所だ。ポールが待っている。
翌朝、真紅の太陽が不思議な場所グレート・ジンバブエに昇ってきた。
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若きドイツ人カールはジンバブエで沢山の黄金を見つけた。しかしそれは彼が求めていた黄金ではなかった。彼が見つけたかったのはかつてオフィアと呼ばれていた金鉱だ。

1870年、オフィアを探していたカールはジンバブエにやって来た。
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そこで彼は石で造られた遺跡を見つけた。明らかに植民地時代よりも以前に造られたものだった。
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グレート・ジンバブエのキューレター(curator学芸員)エドワード・マタンガが案内してくれた。
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「植民地前にアフリカ南部で造られていた遺跡では最大だ!」
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「ってことは、つまりアフリカ原住民が造ったってことだね?」
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すごく高い壁だ!11mもある。
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石を綺麗に積み上げている。粘土や漆喰などは使われていないようだ。
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石は花崗岩で、近くにいくつかある採石場から持ってきたものだという。
ここは寺院だった。古代の人々には極めて意味がある場所だった。
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しかし14世紀に放棄された。
ここを訪れたドイツ人カールはそんなことは全く知らなかった。
彼はもう6年もソロモンの黄金を産み出したオフィアを探してアフリカを歩き回っていた。1871年にグレート・ジンバブエを見つけた時「ここに違いない!」と確信した。
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カールは他のヨーロッパ人探検家と同様、アフリカ人の能力を見下していた。「黒人がこんなにすばらしい構造物を造れるわけがない。ソロモンの知恵や文明が関与していた場所に違いない!」
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その上、彼はオフィアを探し出そうと必死だった。信じたい気持ちは理解できる。
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しかし、彼がここをオフィアだと信じた根拠はなんだろう?
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彼は建物の梁として使われていた木材に着目したという。少し切り取って香りを嗅(か)いでみた。「ヒマラヤスギ(cedar)だ!ソロモンがエルサレムの王宮を造るのに使った木材と同じだ!」

「で、これが、彼がヒマラヤスギだといった木材らしい!」
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カールの発見と、それがオフィアではないか、との噂は多くのヨーロッパ人を活気立たせた。黄金を求めて人々が押しかけて来た。聖書に書かれていた王国がアフリカの中心に見つかったのだ!
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キリスト教徒の植民地主義者達もやって来た。
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ファクテン・マルクス(?)は金鉱を発見した。
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それがゴールドラッシュの引き金となった。
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ヨーロッパから投機家が大挙してやってきた。
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彼らは遺跡を破壊しては黄金を探した。
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宝物は見つからなかった。
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しかし、遺跡は宝探しのおかげで見る影も無いほど破壊し尽くされてしまった。

60年後、イギリス人のケイム・トンプソン女史によって破壊されていたグレート・ジンバブエの復旧が始まった。
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彼女は根気強かった。
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飛行機で空中から全体の調査もした。
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すると彼女は新たな遺跡を見つけた。古代人の住居跡だ!
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幸運にも侵略者の目から逃れていたものだ。彼女は地上に戻ってからまた発掘を続けた。

調査の結果、グレート・ジンバブエは今もこの地に住んでいるアフリカ原住民が造ったものだと判明した。土器の欠片も見つかった。ここはアフリカの文化・交易センターだったのだ。

カーボンデイティングによればこの地は9世紀~14世紀に造られたものだった。従ってオフィアではない。勿論、エルサレムのソロモンを訪れたシバの女王の国でもなかった!
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しかし、アフリカにはもう一ヵ所、オフィアの候補地がある。北エチオピアに行ってみよう。
エチオピアのアクソンAxumだ。樹立する石碑は王や女王が住んでいた証拠だ。
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アクソンはシバの女王と強い関係がある。伝説によれば彼女はここで生まれた。
これが彼女の王宮の跡らしい。とても好く保存されている。
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彼女がここを統治していたという明確な証拠は見つかっていないが、彼女が暮らしていたと感じさせる何かが残っている所だ。

紀元前1千年頃、シバの女王はこの辺りも統治していたという。ソロモン王の知恵の素晴らしさを伝え聞いた彼女は沢山の宝物を持ってエルサレムの王を訪れた。宝物には黄金も含まれている。エチオピア人は「直ぐ近くにオフィアはあった!」という。アファーAfarと呼ばれる所だ。
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次は首都アジスアベバに行ってみよう。そこには金の装飾品を扱う店が沢山ある。
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これらの金はどこから来ているのだろう?シバの女王が黄金を得た所だろうか?
ところでこの宝石店では金を自分で造りだすという!店の奥にその場所があった。
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この方法で3千年前からエチオピアで金の採取が行われているという。鋳型に流し込んでアクセサリーを造る。
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金はケブラメンゲスという所から買うという。南エチオピアにあるらしい。
160km離れている。飛行機でも行くのはなかなか大変な場所らしい。地図にも載っていない!90分のフライトの後に到着した。
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飛行機を降り、車で暫く移動した。周りには鉱山のような場所や人が住む村は見当たらない。
数時間のドライブの後、やっと集落に到着した。

ここが発掘を行っている人々が暮らす場所だという。
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しかし長い間住む所ではないらしい。採掘が済んでしまうと別の場所に移動するという。
丘を登ると竪穴があった。ここで金を採取しているようだ。ジンバブエと同じだ。
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更に登ると周辺が見渡せる場所に出た。あちらこちらで発掘が行われているのが判る。
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何百人もが働いている。みんな金を探しているのだ。
これが鉱石だ。
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ここで鉱石を砕いて細かな粉にする。
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砕くのには鉄の棒を使う。
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砕いたら水で土を流してやればパンに金が残る。
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これが金だ!
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ここは古代の金採取場ではない。数年で採掘場所の位置は移ってしまうからだ。
しかし、人々は残っていた。もっと正確にいえば、人々が金を採掘する方法はソロモン王やシバの女王の時代と同じだ。
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ここはソロモンの鉱山ではない。しかし、ソロモンの鉱山もこんな様子をしていただろう。
ここで働く人々はシバの女王の国の子孫なのだし。
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ということでフィルム「ソロモン王の黄金を探す旅」は終わりです。
フィルムをご覧になりたい方は次のURLで試してください。
DIGGING FOR THE TRUTH - QUEST FOR KING SOLOMON'S GOLD(2004)
https://www.youtube.com/watch?v=z8BBVL1B6CU

ここで何時もの様におまけ情報です。

ドイツ人地理学者カール・マウシュと「重要な新しい探査」との副題がついた報告書のフロントページです。
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彼が見つけたグレート・ジンバブエの映像です。
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イギリスの作家Hライダー・ハッハガードは「King Solomon’s Minesキング・ソロモンの洞窟」といいう本を書き上げました。これがグレート・ジンバブエの黄金都市説に火をつけました。
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「ソロモン王の洞窟」の本の紹介文:
ソロモン王の時代から、暗黒大陸アフリカの奥地に眠り続けるという莫大な財宝を求めてカーティス卿とアラン・クォーターメンの一行は、一枚の地図をたよりにして出発した。砂漠の焦熱地獄を乗り越えてようやくソロモン街道にたどり着いた一行を待っていたのは……。雄渾な筆致と奔放な想像力で描く不滅の秘境大冒険小説!」
その中には次の一節があるようです。
“そして彼は、聖書に書かれているオフィアだと信じられる場所をどのようにして見つけたのかについて私に語ったのだ。突然、彼が私に「ところでラッド。ムシャクルンベという国の北西にあるシュリマン山脈のことを聞いたことがあるかい?」と聞いてきたので私は「いいや、きいたことはないけど」と答えた。「そうかい、実はそこがソロモンが鉱山を持っていた場所なんだよ。」”
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作家ハッガードは「洞窟の女王」という本も書きました。シバの女王をイメージした冒険ファンタジーです。
「二十年後に開封せよと指定された鉄の箱。その中にあったギリシャ文字の奇々怪々な古文書に誘われて中央アフリカの人跡未踏の地に向かった一行。彼らを待っていたのは不朽の恋に永遠の生命を吹きこまれた女王の支配する神秘境だった。近代英国最大の物語作家ハガードが描く妖しい幻想と戦慄に満ちた大ロマン」
やっぱ、シバの女王はソロモンと一緒に記憶されるべきなのでしょうか。ソロモンが描かれた絵には一緒にシバが描かれたものが多いようですが、次の絵ではシバの女王を出迎えるソロモンの背後に大勢の女性が描かれています。聖書によればソロモンは700人の女房と300人の妾(めかけ)を持っていたとあります。本当なんですかねぇ。いや、本当かも知れませんね、聖書に書かれていたことだし、徳川時代もハーレムのような大奥があったって例もありますから。
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エチオピアのアクソンAxumの写真です。
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エザナ王の石柱。高さ23mに達する。

Wiki:アクスム王国Kingdom of Aksum
紀元前5世紀頃から紀元後1世紀までに交易国になった。王たちは、ソロモン王とシバの女王の子であるメネリク1世の血筋を引いているとして、自らの正当性を主張し、"negusa nagast"(「王の中の王」)と公称していた。

倒れた石碑の前に立つ、大きな一枚岩のモニュメント。
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上のモニュメント群から1.5Km離れた畑の中に現地の人が「シバの女王の宮殿跡」と呼ぶ遺跡があります。
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これでソロモンとシバの女王の一連のお話は締めくくりにしましょう。
(完)
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