Mysterious Questions In The World

世界のミステリーをご紹介します。

mh徒然草61: 防潮堤は必要か?

東日本大震災で津波の被害を受けた市町村の百数十か所で防潮堤建設計画が進んでいます。一部は既に着工済みで、未着工のものもあるようですが、住民は悩んでいるようです。

今朝(9月25日)のNHK「あさイチ」によれば、当時、防潮堤を造る計画については国が全ての費用を支払う条件が提示され、早目に実施計画を提出しないと資金枠が確保されない条件もあったようで、自治体は、住民との議論を十分行わないまま計画をまとめ、国に提出したようです。しかし、今、高さ9mの防潮堤を造っても、海面が9m上昇して浸水される地域には住民が住んでいない所も多く、何のために造るのか、疑問が膨らんでいるのです。住民ばかりではなく、昔は多くの人が関与していた漁業・漁業関連業(加工・冷凍工場など)についても、30%程度しか復活していないようで、その上、防潮堤で生活が海から隔離され、以前の状態は望むべくもありません。

追記:9月28日、この番組の情報がネット「NHKオンライン」で公開されました。
http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2015/09/0925.html
防潮堤については、数日前から民放TVでも同じ趣旨の番組を見ていますのでニュース・ソースは同じで、住民の悩みの内容も同じだと思います。防潮堤を造っても、その近くの開発は進まないので、駐車場にして、海岸は潮干狩りができるようにしようとか(今朝のNHKで役場の課長のような人が言っていました)、防潮堤のあちらこちらに、水族館にあるようなアクリルの窓を付けて海が見えるようにしよう、とか、いろんな案も出ているようですが、聞いた感じではとても役立つとは思えないし、言っている側も、それでOKだとは考えていない様子です。つまり、防潮堤の取り扱いをどうするか、困っているのです。
(9/28追記:NHKの番組でも言っていますが、防潮堤を造るのならお金を出すが、造らないとしたら、相当分のお金を別の防災計画で使っても良い、という規則はないのですね。つまり防潮堤で使わなければ予算は取り上げるってことで、いかにもお役人が決めた規則で、住民の意向は無視されています。)

防潮堤ではありませんが鬼怒川の堤防が決壊し、住民の避難が続いていましたが、仮設堤防が完成したので、非難は(恐らく昨日に)全域で解除されたのですが、年寄りの女性避難民が「解除されたと言われても、怖くて戻れない」と言っているニュースも流れていました。決壊箇所は以前と同じ堤防高さで、両側はコンクリートブロックで表面を覆われ、以前の堤防よりも強固な様子で、「10年に一度の大雨があっても問題ない」と言われているようですが、地球温暖化で毎年、大雨、強風、熱波、極寒、旱魃が世界のあちらこちらで起きていて、毎年、過去最大の異常気象がおきる確率は高まっていますから、10年に一度の異常があっても大丈夫というだけでは、何の気休めにもならないことは明確です。

防潮堤問題がこんなに住民を悩ませている件については、国の方針が間違っていたことが原因だと思います。1993年に津波被害を受けた奥尻島では高さ9mの防潮堤が造られ、海は遠のき、住民の減少や老齢化は進んでいます。津波の前から人口減少が続いていた土地で、三陸沿岸と似た環境です。
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昨年6月、岩手県・陸前高田市の青年グループが奥尻島を視察した記事がありました。防潮堤で住民の生活が戻るわけではないことを実感したようです。
http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/feature/CO004100/20140717-OYTAT50071.html

5,6年前にTVで見たのですが、奥尻島に防潮堤が出来てから、付近の海底は、藻も生えず、魚も住み着かない、海の砂漠に変わっていることが紹介されました。それまでは樹木から生まれる有機物が地下水に溶け込んで海に流れ込んでいたのに、防潮堤の基礎工事によって遮断され、海水が変質して、海草や魚介が棲息する環境が失われたことが理由のようです。

これらの事実から得られる教訓は次の通りでしょう。
1) 安全・安心を最優先しても住民は幸せになれない。
(飛行機は落ちるから乗らないという考えでは人生は楽しめません。)
2) 対策は、直ぐに決めず(ここが政府の防潮堤推進政策の間違いだと思います)、冷静になってから決める。
(カッカしている時に決めると後悔が多いのはご承知でしょう。)
3) 年寄りの意見に流されず、若者や経済を支える中堅の意見に重きを置いて対策を決める。
(若者が棲まない町は廃墟になることは自然の理です。)
4) 対策は、住民の意見で決め、政府や自治体が誘導することは可能な限り控える。
(実態を、過去も将来も体験しない役人が決める案は不毛です。)
そして何よりも重要だと思えるのは次です
5) 自然を受け入れ、自然を大切にする対策を考える。
(自然と共に活きてこそ、人間らしい時間をすごせます。)

防潮堤は教訓5)に反するので、お薦めできないというのがmhの考えです。津波警報が出たら短時間で安全な場所に移動できる体制の整備に重点をおき、防潮堤のない、海と共に暮らす生活を目指すのが、三陸海岸沿いの市町村には適当ではないかと思います。逃げることが出来ない弱者の年寄りは見捨てるのか!と怒られそうですが、そういうお年寄りには、高台で暮らすことをお薦めします。防潮堤で日陰の場所より快適です。年寄り重視で防波堤を造るとしたら、20年後は廃墟になる、つまり住む魅力がない場所になっている確率が極めて高いでしょう。

そうは言っても、自分たちの運命は自分たちで決めるべきで、住民の総意が防潮堤ならそれで良いでしょう。しかし、くどくて申し訳ありませんが、もう一度よく考え、年寄りの意見に流されず、若者の意見を取り入れながら、冷静に、よく討議して、施策を選ぶことをお薦めします。

ベルギー・アントウェルペン中央駅のフラッシュモブFlashmob
https://www.youtube.com/watch?v=0UE3CNu_rtY

(完)

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