Mysterious Questions In The World

世界のミステリーをご紹介します。

チベットの不思議Part 4/5

BBC Documentary A Year In Tibet EP04 Monks Behaving Badly
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南チベットの真冬・・・
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この時期、温度は零下20℃まで下がる日が多い。
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mh:ツェフンTsephunが凍った池で遊んでいます!
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農家は、春の種まき時まで大してやることも無い。
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今回のエピソードでは、長年、共産党の党員として働き、退職年齢になったブートゥリーButriが予想していなかった出来事にあう。
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ギャンツェの人力車手ラクパLhakpaは仕事を求めて北に向かうが・・・
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期待していた歓迎を受けることは出来なかった。
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そしてギャンツェの僧院では・・・
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価値のある仏像の盗難が発覚した。公安(警察)は内部犯罪ではないかと疑っている。
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A YEAR IN TIBET: Monks Behaving Badly
チベットの1年:悪事を働く僧侶(撮影;2007年春)
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ギャンツェから車で30分の小さな村タンマイTangmai
(mh:ドンダンと祈祷師ツェデンの兄弟が暮らす村です。)
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1960年代に毛沢東によってつくられた村社会に属する集落だ。今も中国共産党の厳格な規律に則って運営されている。
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リーダーは地域の共産党書記長だ。
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彼を補佐するのは地区共産党員、例えばブートゥリーだ。
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「ここには1千人以上が集まっているわ。18歳以上なら、歩けない年寄りを除いて、この集会にあつまらなきゃぁ駄目なのよ。」
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ブートゥリーは毛沢東の共産党に40年前に加入した、どうみても堅物die-hard党員だ。
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「チベット自由化の前は封建制度の独裁者によって抑圧されていたわ。つまりダライ・ラマDalai Lamと彼の徒党が悪政の張本人よ。だからみんな、チベットを中国から切り離そうとしている彼等に逆らうことにしたの。今日の中国の慈悲と比べたら昔のチベットがいかに酷(ひど)かったかが判るわ。」
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チベットは1951年以降、中華人民共和国の一部となっている。このような村全体集会を通して北京の中央政権は欧州共同体の2倍の面積を持つ地域で党の意向を行使することが出来る。
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チベットで3番目に大きな町ギャンツェの朝・・・
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公安(警察)はいつものように忙しそうだ。
公安「ギャンツェは大きな郡countyだから特に祭りの時期は殺人や盗難事件が多い。」
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早朝、ここ数週間、僧院で連続発生している盗難事件がまた起こった。
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僧侶たちが、二つとない貴重な像が2体も無くなっていることに気付いたのだ。
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公安「ここに、どんな具合に保管されてたんだ?」
僧侶「夜間はいつも3人で見張りをしてます。私もその一人でした。」
公安「今朝はこの講堂ではオイルランプを点けておくことになってたのか?」
僧侶「いいえ。建物管理人がやる仕事です。私は見張りの責任があるので上の階に行きました。上司はいつも全体を見張るように言ってますから。行ってみたらドアが開いていました。」
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僧院長のチョエフェルChoephelにとっては像の紛失は重大事件だ。それ以上に悪いかも知れないのは盗難が起きた原因だ。
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チョエフル「もし盗賊が外部の人間なら、像が入っていた箱を開けるだけでも結構な時間がかかったはずだ。」
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「しかし、今回の盗難は短時間で起きている。我々は内部の人間がやったかも知れないと疑っているんだ。」
盗難事件は今後、数週間に渡り僧院長チョエフェルにいくつかの難題を巻き起こそうとしていた。当地の共産党による厳格な立ち入り検査が行われるはずだ!
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ギャンツェの大通りではラクパが乗客を探して人力車を流してた。
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彼は最近増えつつあるチベットの下流階級の人間で、仕事なら何でも、どこであったって飛びつく男だ。彼は最近、気に入った女の子the girl of his dreamsを見つけた。2人は既に所帯を持つ相談もしている。

「俺、時々、休憩しにこの店にくるんだ。」
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「俺たち、ここで出会って、話をしているうちにお互いのことを好く知るようになったんだ。出会った時から判ったけど、彼女とても素敵きなんだ。」
(mh:私もそう思いますよ、ラクパさん。)
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「最初は彼女の姉と俺の兄貴と俺たちだけで冗談ばかり話していたんだ。そのうち段々と・・・」
彼女(ダドンDadonって言います)「私はラクパのこと知らなかったわ、だけど姉は知ってたの。彼は好い人だって言ったわ。で、田舎に住んでいるより、ここで暮らす方がいいんじゃぁないかと思って・・・」

ラクパとダドンは先月から一緒にラクパの家で暮らしている。中国では、こうしたことは眉を顰(ひそ)める行為だが、チベットでは違うようだ。
ラクパ「みんな、そうしてるよ。」
ダドン「私たちも同じだけよね?」
(mh:そう言った後、二人とも照れています!)
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僧院では僧院長チョエフェルの手に余る出来事が起きている。
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盗難事件ではなく、何人かの若い僧侶たちの問題行動だ。
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さらに悪いことに、事態がどうなっているのかを調べる監視団が当地の共産党から送り込まれてきた。
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彼らが僧院と話したいことは盗難事件だけではないことをチョエフルは気付いていた。
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チョエフル「監視団が来る目的は3つある(mh:やっぱ3つだったんですね、説得力を増すコツです)。」
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「“国を愛し、宗教を愛せ”という教育プログラム、今回の手工芸文化財盗難事件の調査、それに将来に向けて僧院での諸々のことを再構築し改善するということだ。」
(mh:3つめの理由が意味深長ですねぇ。共産党とチベットの関係が不安定な証拠です。)

チョエフルは監視団が僧院の運営状況を細かく調査するだろうということを察知している。
チョエフル「我々は事件について、既にかなり細かく報告してある。だけど、またやってきて調査をするんだ。そして将来のためにもっとセキュリティに注意するよう指示してくる。」
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どんな手段で仏像が盗まれたのか、まだ誰にも全く判ってはいなかった。像が入っていた箱は宗教民生局Religious and Naionaliy Bureauによって管理され鍵がかかっていた。入り口のドアも警備員によって鍵がかけられていた.
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監視団は僧院の管理体制を変革する計画を練り上げていた。
監視団「仏像類は撮影禁止に決まっていて、取りまとめ役のテンジンTenzinには既に伝えていたはずだ。これらの仏像の前に撮影禁止札を吊るしなさい!札が無けりゃぁ参拝者には判らないでしょ?札は中国語と英語で書いておきなさい。」
僧院長チョエフェルは彼等の言う通りにしないとだめだと感じていた。
チョエフル「ここの鍵も変えとかなきゃぁだめだろうな。これじゃぁ簡単に侵入できる!」
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僧侶たちへの次の指示は在庫のチェックだ。
監視団メンバー「これがそうか?」
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監視団「ここにあるのはこの仏像か?記録内容を見るとそうみたいだな。写真は実物と同じか?像についている番号を確認してみろ。」
僧侶「9番です。」
監視団「いいや、これは付け直されている!800番ってあるぞ。800番はこっちにある。」
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セキュリティのレベルが低いとの理由で、監視団は僧院の全ての重要物件を鍵付き倉庫にしまうよう命令した。
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全部で5千点もある!
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mh:ツルトゥリムも仏像を倉庫に移動しています。
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余りに沢山あるので僧院長のチョエフルも手伝った。これはTaraという女神だ。
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僧院前広場で人力車手のラクパは客待ちしている。
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しかし、なかなか客は見つからない。女友達のダドンと一緒に生活するには、このままでは駄目だ。
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ラクパ「もっとお客が多くないと。でも今のままじゃぁ増えない。ここに来る人たちは5,6人の家族ずれのお参り客が多いけど人力車rickshawだと2,3人しか乗せられないから大抵の人はオートバイ台車motor rickshawを使うんだ。」
オートバイ台車との競争が激しいので、ラクパは他にアルバイトして稼がねばならない。
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倉庫管理人「うちで雇っている人足はみんな人力車手だ。道で声を掛けると直ぐやってくるよ。彼等はみんな真面目だ。チベット人はよく働いてくれる。昔もそうだし、今もそうだ。」
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で~賃金は?
ラクパ「10元(180円)だ。人力車じゃぁなかなか稼げない額だよ。」
荷物の運搬労働は沢山あるラクパのアルバイトの一つでしかない。
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人里離れた山麓・・・
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ブートゥリーは小さな尼寺に向かっている。
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彼女は共産党員としての仕事の一つとして、この尼寺を定期的に訪れている。1960年代、チベットでは宗教施設を見境なく破壊する行為が行われていた(mh:文化大革命です)。6千を越える仏教寺院が破壊され、残ったのはほんの一握りだった。
今では寺院や尼寺が建て直されつつあるが、僧侶や尼僧の生活は政府が厳格に管理することになっていて、ブートゥリーの重要な仕事でもある。
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ブートゥリー「この尼寺は1998年に再建されたの。3ヶ月かかったわ。その間に33の新しい決まりが出来ているの。これらがきちんと守られているか確認するために来てるのよ。」
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僧侶や尼僧の日常生活のほとんどは政府によって決められている。共産党への異議や反動を素早く察知して速やかに対処するためだ。
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ブートゥリー「私は尼僧たちが愛国教育プログラムに沿った政府の決まりに従って生活しているか確認するの。火事や盗難への対応も調べるのよ。」
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共産党の規則はとても厳格だ。ブートゥリーのような人でも国が定めた仕事以外の目的で僧院を訪れることは許されていない!(mh:共産党員は、参拝は出来ても、寺院の建物に入る、つまり僧侶と接触し情報交換するのは禁止されているということのようです、推定ですが。)
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ブートゥリー「月に1,2回、この尼寺に来ているわ。そして尼僧たちに何をすべきか、何をしてはいけないかを教えるの。彼女らは黙って聞いていて、何も言わないわ。今日は、最近行われた、この地区の共産党大会の決定事項を徹底するのも仕事のひとつよ。」
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ブートゥリー「この規定書はもうここに届いている?」
尼僧「ええ。」
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ブートゥリー「この冊子には社会主義の8つの栄誉と8つの罪悪について書かれているの。全部書いてあるから、勉強しておかなくちゃぁ駄目よ!この寺には文化遺産がある建物が多いから火事や盗難には気を付けてね。」
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ブートゥリー「最近ペル・コール僧院で盗難事件があったの。だからここも気を付けてね。あなたたちは家に戻る時、僧院に1元(18円)渡してる?」
尼僧「ええ、1元ですよね。」
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ブートゥリー「で、もし、その支払いが遅れたり行われなかったりしたら罰金5元(90円)払ってる?」
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尼僧「ええ、5元ですよね。」
ブートゥリーは共産党に40年の人生を捧げて来た。そのためには、チベットの他の共産党員と同様、仏教の教えを放棄しなければならなかった。チベット人にとっては一大決心だ。
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しかし、古い習慣はそんなに簡単にはなくならないものだ。
But, old habits die hard!
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ブートゥリー「私の平穏のためにお祈りしておいてくれない?私の干支はトラよ。」
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ブートゥリー「もし宗教に関する指針に違反したら、関係した尼僧は地方の共産党に釈明しなければならないのよ。その違反が政治的なものだったりしたら結果は重大なものになるわ。責任は尼僧にあるんだけど、私の指導不足も問われることになるんだからね。」
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尼僧たち「ブートゥリーさん。Tashi deleg!平穏に」
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mh;こんな人里離れた山間にも尼寺があるんですねぇ・・・
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ギャンツェ・・・
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タルチョー・・・
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ラクパは恋人ダドンと家にいる。
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兄弟たちは町での仕事が少ないと不満をこぼしていた。
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中国の地方からの労働者がギャンツェに来るようになってから労賃は下がっていた。
「よその土地から流れ込んできた労働者たちが多いので少ない仕事を取り合うようになってきた。中国人のトラック所有者も前なら1台分の荷の上げ下ろしに150元とか180元払ってくれていたのに、今は100元以下だ。」
ラクパはもっと沢山お金を得る新しい案を持っていた。600Km離れたナチゥNaquという町で建設工事の仕事をしようと考えていたのだ。しかし彼の案はリスクがあった。
ラクパ「ナチュでの仕事にはかなりの危険があるんだ。でも、ここでの仕事では1日10元しか儲からない。それ以上は無理だ。だから、危険な仕事であろうと、それをしてもっと金を稼ぎたいんだ。もう契約は済んだ。厳しい仕事で賃金はあまり高くないけど、胴元がその都度、きちんと支払ってくれるなら問題ないさ。暫くの間、みんなとは会えなくなるなぁ。」
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彼等(4人がナチュに出稼ぎに行こうとしています)が北に向かう長旅の日まで、あと2日しかない。

ギャンツェの僧院では公安はまだ盗賊を逮捕出来ていなかった。しかし、僧院の作業チームはセキュリティの改善を早く進めたいと考えていた。
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副僧院長のツルトゥリムは事態を改善するよう指示を受けていた。彼の最初の仕事は重要な仏像などの周りに金属格子の仕切りを造ることだ。
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ツルトゥリム「寺院には仏像を区分けしてしまっておく沢山の長持(ながもち)があるけど、それでも盗難が起きているんだ。だから鉄格子を使ってもっとしっかりと守るよう準備作業している。とても重要な仏像8体を守るんだ。前回の盗難で、そうしたほうがいいと決めたんだ。とにかく盗難問題を解消したいんだ。多分、これからは大丈夫だ。」
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「これまでも何回も盗難事件を解決してきたんだ。だから今回も何とかなると思う。」
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ラクパと彼の兄ニドンNyidonたちがナチュに出発する朝になった。
mh:ここから暫くラクパの家の様子がレポートされます。内容を理解して頂くため、家族構成を紹介しておきましょう。
合計8人で、老いた母、ラクパ、その恋人ダドン、ラクパの兄ニドンNyidon夫婦と1人の男の子、心臓病を患っている少年オザOzer、その母ヤンチェンYangchen(若い未亡人)、です。
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母親「一生懸命働けよ。体に気を付けてな。」
出かけるのはラクパ、恋人ダドン、兄ニドン夫婦、の4人だ。ラクパの母は彼等の計画に不安を持っている。
母「兄弟で助け合ってな。2人の女の子の面倒をきちんとみろよ。」
出がけにカタKhata(白いマフラー)を贈るのは幸運を願う伝統だ。
母「向うで好いことがありますように。体に気を付けろよ。ニドンNyidon、お前が一番年長だから、みんなの面倒をよ~く見るんだぞ。みんなで沢山かせいでこいよ。ダドン、お前は一番若いんだからみんなの言う事をよく聞くんだぞ。」
ニドン「じゃあな、息子」ラクパ「じゃあな、オザ」
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ラクパ「2人の子、泣き出しそうな顔してたな。」
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母「一生懸命働けよ。我々のことは心配するな。」
ラクパ「判ったよ。じゃあな母さん。もう家に入ってろよ。」
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母「ダワ・ドンドゥブ(ニドンの子)は泣かなかったけどオザは泣いてたな。」
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mh:出稼ぎへいく4人です。オザの母ヤンチェンも彼等を見送るためバス停まで同行していますが、この写真には写っていません。
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しかし・・・
ラクパの母は、北に行った息子たちが直ぐトラブルに巻き込まれることになろうとは、この時は知る由も無かった。
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みんなバスに乗り込んだ。見送りで来たヤンチェンYangchenはバスの中で最後の別れをしながら涙ぐんでいる。彼女は残って、2人の子供とラクパの母親の世話をするのだ。
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mh:とても優しそうな女性です。私のタイプですね。このフィルム撮影は2007年ですから、もう9年たっています。優しい旦那を見つけてオザと3人で幸せに暮らしていてくれるといいのですが・・・

ニドンの妻「ヤンチェン、大丈夫よ。たった2、3ヶ月留守にするだけだから。」
ニドン(レポーターに)「ヤンチェンは体調もよくない子供達の面倒を見なきゃぁいけない。大変だと思うけど、俺たちが稼がないと家族はやってけないんだ。」
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mh:ヤンチェンが何も言わず、じっとバスを見送ってます。胸が打たれました。
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ナチュNaquまで600Kmのバスの旅は2日かかる。彼等にとって、これまでで一番の遠出だ。
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ギャンツェのペル・コール僧院・・・雪がちらついている。
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中国共産党は、僧侶たちがダライ・ラマを密かに支持し、チベットの独立を画策していないか、いつも心配している。
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共産党は、それがチベットの安定に対する最大の驚異だと見ている。
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今回の盗難事件はペル・コール僧院におけるそういった活動ではないのだが、調査団は何人かの僧侶の日常行動に不審を抱いていた。
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それで盗難事件を口実に僧院内で何が起きているか細かく調べ始めた。
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調査団「今日はまず、共産党の愛国教育プログラムがきちんと実施されているかチェックする。そしてから盗難事件も調査する。」
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僧侶たちは調査団の説明に憤慨しているかも知れないが、彼等に出来ることは指示に従う以外、何もない。
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そして最も悪い話が飛び出してくる。
調査団「共産党によって認められている信仰の自由については、みんなの間で学習され、理解されていなければならない。これを破ればどんな言い訳も認められない。」
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調査団「僧院の72人の僧侶は、大半は善(よ)い僧侶で問題はない。しかし1,2名の破壊分子がいる。我々は彼等を徹底的に教育するつもりだ。」
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(僧侶たちが僧院の屋上で雪かきしています。)
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(おぉ、ツェフンもいますね。)
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ラクパたちはナチュNaquに到着した。
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チベットの東北部で、他から隔離され、海抜が高く、荒涼としたチベット高原の町だ。冬は長く、乾燥していて寒い。
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夜になると温度はしばしば零下20℃まで下がる。
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ここにはラクパのような人に向いた沢山の仕事がある。というのはこの地の人は家を造る時には中国の他の場所から来た移民労働者よりもチベット人を使うのを好む傾向があるからだ。
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ラクパ「金を稼ぐのにはいいところなんだ。それで兄貴が一緒に行こうって言うんで、2人で業者と契約して来ることに決めたんだ。」
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ラクパ「ここでは男達は30元(5百40円)の日当を貰っている。女は28元(5百円)だ。」
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しかし、これからの数週間でラクパは事態がどんなに厳しいのかを悟ることになる。

ギャンツェ砦の前の広場・・・
mh:イギリスの支配に対抗した闘争の記念碑「Gyangtse Mount Dzong Monument to Heroes(江孜宗山英雄纪念碑)」が建っています。

毎年3月に北京で開かれる全国人民代表大会に合わせて中国全土で地方大会が開かれる。
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それはギャンツェでも同じだ。
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党のメッセージを13億の人民に伝達するための一つの手段だ。
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共産党地方メンバー「党の書記長は3つの点を強調した:政治委員会の仕事を強化するため、全国的な人民の一体化を強化する。社会の安定を強固にするため、必要な措置を遂行していく。これらは全て完遂されねばならない。(mh;一つ欠けてます。)」
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前年度、ペル・コール僧院は党の指導に正しく従ったと称賛された。
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今回はなんの報奨も称賛も、非難もなかった。端的に言えば無視されたのだ。
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僧院長チョエフェル「今年になって僧院で起きたことを考えれば賞を受けなくても当然だ。それだけのことだ。たしかに、ちゃんとやってきたとは言えないところがある。」

「起立!国歌斉唱!」
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中国共産党の統治が始まって既に50年の今も、チベットの田舎では自然のリズムだけが生活を支配している。
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タンマイTangmai(注)の村には春がやって来た。そろそろ種まきの時期だ。
注:タンマイは祈祷師ツェデンが暮らす村です。
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チベット人は毎年20以上の伝統的な祭りを行う。共産党職員のブートゥリーの仕事は祝い事の最中に人々が適正に振る舞うよう監視し指導することだ。
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ブートゥリー「お祭りの最中はいろんな出来事が起きるの。お酒を飲んでギャンブルしたりするの。そんなことが起きないよう、規則はしっかり決められていなきゃぁならないの。18歳以上の誰もから、指紋と、トラブルを起こさないっていう誓約を取っておくのは当然よね。どんな地方や村や家族も、兎に角みんな規則に従うって誓約しなけりゃぁ駄目よ。」
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今日は牛競争祭りだ。共産党の規則はチベット人が娯楽を楽しむのを制約してはいないようだ。
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mh:2頭の牛の角を木の棒で結んで二頭立てにし、その棒に結んだロープを牛の尻から1m位のところで別の棒に結び、その棒の上に立った御者が牛の尻を鞭で叩きながら砂利道のレース場を駆け巡ります。
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mh:すごい砂埃をたてながら、凡そ時速20Km位で走って競争しています。
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mh:コースの片側には観客。
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mh:時には御者が振り落とされ、観客の笑いを誘っています。レースの間、太鼓や鐘を打ち鳴らして、はやし立てています
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ラクパたち4人がナチュに来て1ヶ月が過ぎた。しかし、工事現場でトラブルがあった。ラクパが喧嘩を仕掛けたと訴えられたのだ。
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建設業者は彼に会って事故の処分をしたいようだ。
業者「お前、仕事を拒否したんだってな。」
ラクパ「うん。」
業者「レポーターさん。彼等は喧嘩を起し、相手の一人は口から血を流したんだ。彼等をとっちめてやったけど、仕事を止めろとはストレートには言ってない。俺がいる所で喧嘩をするなって言っただけだ。俺が言うことには間違いないよ。兎に角、何が起きようが仕事は終わらなきゃぁだめだ。」
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ラクパ「俺は悪いことはしていないよ。」
業者「嘘をつくな!」
ラクパ「あんたがちゃんと日当を払ってくれりゃあ、文句は言わないよ。」
業者の仲間「煩(うるさ)い!もう行け!」
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ラクパ兄弟は工事現場から追い出されてしまった。兄は顔を殴られた。
業者「戻って来てトラブルを起こすなよ!」
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ラクパ「ギャンツェから来たばっかりの時は問題なんかなかった。みんな親切に接してくれたんだ。しかしある時、全てが変わって、オーナーは意地汚くなった。全く別人みたいになったんだ。ここを出て行ってほしいと考えていたようだが、賃金をはらうのは渋っていた。」
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工事現場責任者「彼等はここを離れる前に賃金を払ってほしいって頼んできた。でも俺は言った、お前らまだ家の建設を終わっていないんだぞって。」
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「俺が依頼主からまだ金を貰ってないのに、どうしてやつらに払うことが出来るっていうんだ。」
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4人は急いでナチュを出てギャンツェに戻らなければならない。一番早く戻るには鉄道だ!
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ラクパ「我々は放り出されたようなものさ。もうここにいるな!ってある日言われたことがあるんだ。俺たちに出て行ってほしいんだよ。」

駅員「何人ですか?」
ラクパ「4人。」
駅員「硬座?軟座?(普通?1等?)」
ラクパ「硬座」
駅員「204元です。」
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ラクパ「村のみんなで俺たちを叩いたんだ。建設業者はニドンのここんとこを叩いた。」
ニドン「俺たちはいつも大きな石を運ばされた。150Catty(45Kg)、時には200Catty(60Kg)もあった。その石を女の作業員たちの背中に載せてやる仕事だった。ある時、俺は石を持ち上げられなくなったんだ。そうしたら、やつらは俺の手を石で殴った。爪が剥がれて手が腫れちゃったよ。痛くて一晩中ねむれなかった。それ以降は力仕事ができなくなった。」
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構内アナウンス「ラサ行の切符を持っている乗客の皆さん!荷物の金属探知検査が済んだら切符を手元に準備してお進みください。」
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汽車に乗るのはみんな生まれて初めてだった。
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チベットとその他の中国とを繋ぐ新しい鉄道は標高5千m以上の、世界でも最も高地を走っている。空気中の酸素量は海面の半分しかない。
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ナチュでのトラブルはあったものの、ダドンはラクパとの将来のことを既に考えていた。
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ダドン「わたしたち、老後のためにお金を貯める必要があるの。年とったら仕事もそんなに出来なくなっちゃうから。それに私、なにも手に職をもってないし。」
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ラクパ「今年、俺たち正式に結婚する予定なんだ。だからもっと金を稼がなきゃあならない。俺は残りの人生を彼女と一緒に過ごすと決心しているんだ。」
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僧院では僧院長チョエフェルが全員を集めて檄(げき)を飛ばしていた。彼は僧侶たちに懲罰査定を読み上げようとしていた。
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チョエフル「悪い知らせから話しておこう。僧侶全員が気分を滅入らせる信じられないような事件が起きた。これが解決するまで、誰も手当を受け取ることはできないだろう。」
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僧院長代理のツルトゥリムは規律に関する責任者だ。彼は僧侶の行動を管理するため、ボーナスと罰金に関する新しい方針を立てるよう申し渡されたばかりだった。勿論、今回は罰金の方がボーナスよりも多い。
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ツルトゥリム「注意して聞いてほしい。これからボーナスと罰金について発表する。盗難事件を許すことになった倉庫番の僧侶は、いつもの300元は今年は支給されない。ドンドゥプDondupは500元の罰金。」
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「ニマ・ツェリンNyma Tsering500元の罰金、セワン・ギューメTsewang Gyurme500元の罰金、また掃除をさぼった13人の僧侶は100元の罰金。罰金の総額は1万7千280元だ。更に、院の外で喧嘩をしたということで、ニマ・オザNyima Ozer500元の罰金、フーブ・ドルジェPhubu Dorje500元の罰金、」

僧院長チョエフルは僧院の規律を維持するために厳しく対応していくことをみんなに伝えた。
チョエフル「この僧院の多くの僧侶は仏教の学習に熱心で振る舞いにも問題はない。」
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「しかし僧院の決まりに従わない僧侶が2,3人いる。」
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「何人かは町に出てレストランなんかにも言っているのは誰もが知っている。ナイトクラブに行って女性と関係を持つ僧も何人かいる。私の意見では、もし僧侶が誓いを守らないなら、誓いっていうのは仏教徒の基本的な誓いのことだが、そういう者は僧院を去り、修行の道を捨て、自ら責任を取る必要がある。」
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ラクパはギャンツェに戻った。新しい仕事が上手くいかないと、彼はいつも人力車の仕事に戻る。
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ラクパ「このナットが締まらないのが問題だ。パンクは大体1年で10回以上は起きているかな。でもそれ以上大きいトラブルはないよ。」
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タンマイ村では、ブートゥリーが仕切らなければならない新しい問題がまた起き上っていた。
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6ヶ月前、学校の建物が危険だと非難されていた。それで子供達は野外で勉強しなければならなくなっていた。
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共産党員の立場にいるブートゥリーは、建物の修繕を取り仕切るよう求められていたのだ。
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ブートゥリー「現在では7歳から10歳の子供たちは外国や政府の援助で造られた家の近くの公立学校に通学できるようになっているの。でも建物の崩壊がひどくなったから修理しなけりゃぁいけないのよ。」
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しかし、作業は順調にはいっていなかった。品質の悪い建材が準備されていたようでセメントと上手く結合してくれない。
ブートゥリー「その砂とコンクリートの混ぜ方じゃあ粗くないの?」
ブートゥリーは共産党の労働者で建築業者ではない。門外漢にも拘わらず、口を出し過ぎた。
ブートゥリー「この壁じゃぁ前と同じよ、蹴ったら直ぐ倒れちゃうわ。もっとセメントを足さなきゃ駄目よ、そうすれば強くなるわ。判った?学校の建物を造ってるのよ。後で苦情を持ち込まれたくないわ。」

しかし、苦情は、まさにブートゥリーに降り懸かってくることになる!
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ラクパは大儲けしようとオートバイ台車を買う計画を立てていた。
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ラクパ「母さんや兄貴や、知人から借りたり、わずかな貯金も全部はたいて資金を準備したんだ。オートバイ台車なら1日で50から60元(約1千円)稼ぐことが出来る。ガソリン代は1日13元(230円)だから結構いい稼ぎになるはずなんだ。」
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バイク屋のおやじ「このバイク台車はとても経済的だよ。座席なんかも前のモデルよりもずっといいし全体的に質が好くなってるんだ。」
ラクパ「ホーンもあるみたいだな。」
おやじ「これ、2,950元だ。」
ラクパ「2,900じゃぁどう?」
おやじ「いつ払ってくれるの?」
ラクパ「今日はらうつもりだよ。」
おやじ「もしそうなら2,900でいいよ。これならかなり稼げると思うよ。」
mh:ラクパはキャッシュで代金2千9百元を払います。
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ラクパはこれまでオートバイ台車を持ったことは無かった。でも、チベットでは免許は不要で、保険も強制的ではない、例え人を乗せる場合でも。
ラクパはとうとう、新しい生活への一歩を踏み出したのかも知れない。
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政府の調査団は、ツルトゥリムが担当した新しいセキュリティ・システムを確認するため、また僧院にやって来た。
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調査団「仏像類のどのくらいが倉庫に保管され、どのくらいが展示されているのか、検査しに来た。」
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600年の歴史の中で今回初めてペル・コール僧院は21世紀の監視下に置かれることになった。
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監視カメラの映像は一ヵ所で集中監視できるようになっていた。
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しかし僧侶たちはもっと昔からのセキュリティ手法も頼りにしている。
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「この鍵はダブルロック式だな!」
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公安や監視団の努力にも関わらず、未だに盗難事件の張本人は見つかっていなかった。

ツルトゥリム「疑わしい2,3人の僧侶が拘置所に入れられていたが、たった今、釈放された。彼らが有罪か無罪かは判らないままだ。」
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「関与をしていたかどうかは、事件が解決して盗人が逮捕された時に明らかになるだろう。彼等は既に一人当たり5千元(9万円)の年俸カットという罰を受けている。」
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ブートゥリーは学校の工事に関する村の責任者との会合に呼び出されていた。彼等は工事の進行に満足していないようだ。
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責任者「強風が吹き倒したぞ。」(mh:塀が倒れてしまったとかいうことかと)
ブートゥリーが担当していた所だ。彼女は自分の立場を弁護しなければならない。
ブートゥリー「私たちは自分たちだけで建てなきゃいけないと思っていたの。でもタンマイ村の若者たちが急いて仕事を始め出したのよ。」
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責任者「どうして、もっとましなものを造れなかったんだ?これは今まで見た中で最低の出来だ。」
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責任者達の誰もがブートゥリーの仕事に批判的だった。
別の責任者「確かに彼女は公式に監督官として指名されてはいたが、建築工事についてなんの経験も持ってないんだ。砂とセメントの混合方法も知ってない。作業者はやりたい放題だった。だから監督官が居ない時は作業者は正しい砂との混合比を知らないまま自分らが好きなだけ、セメントを突っ込んでいたんだ。」
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責任者達との協議で出て来た問題を整理し、上司に全て報告するのはブートゥリーの役目だ。早速、本部に電話する。
ブートゥリー「もしもし、バペンBapen委員長と話せますか?今、学校からかけてます。今日は学校の建設計画について村の責任者と話をしたところです。あと3日くらいかかるだろうって彼等は考えています。」
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しかし・・・学校の建築問題はブートゥリーに跳ね返って彼女に憑(と)りつくことになる。
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ギャンツェのペル・コール僧院・・・
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ラクパは手に入れたオートバイ台車で新しい仕事についていた。
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彼は観光客のガイド役もこなしている。今日は初めて観光客と通訳をギャンツェの古い砦に案内していた。イギリスとの間で行われた歴史的な戦いの場となったところだ。
(mh:女性が通訳で、テンガロンハットの白人男性が観光客)
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戦いでは数百人のチベット兵士が圧倒的な武器をもつ英国軍に虐殺されている。
ラクパ「ここはイギリス町とも呼ばれていたんだ。1904年、イギリス軍はチベットに侵略し、戦いは3ヶ月続いたんだ。」
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「1990年以降、この一帯の開発はかなり進んでいる。政府が建ててる学校なんかもあるんだ。」
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「辺りには羊、牛、ヤクなんかを飼育する広大な牧草地もあった。」
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通訳「で、いつ封建制度は終わったんですか?」
ラクパ「1954年だ、チベットが解放されたのは。」
観光客の前でラクパは注意しながら、無難な対応をしている。
通訳「ということは、共産党政権がチベットを自由化したのはよかったと思ているってこと?」
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ラクパ「うん、その通りだよ。昔と違って今は自由なんだ。全てがよくなったよ。」
通訳「じゃあ、なぜあなたは三輪バイクなんかに乗ってるの?」
ラクパ「俺たちはとても貧しいんだ。」
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通訳「ほかの生き方はないの?」
ラクパ「ない。」
通訳「ないのね?」
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(mh:この若い女性の通訳はイアリングや、洒落た帽子、ブーツを身に付けていてどこかお金持ちの家に生まれたチベット人で、大学で英語を勉強して、普段は北京か上海、ひょっとするとラサ(拉薩)で生活しているんじゃあないかと推察します。ラクパと話すんだからチベット人だと断定してほぼ間違いないでしょう。)

ラクパ「順調にいけば、オートバイ台車の借金はあと2ヶ月で返せそうだ。」
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「お金を沢山ためたら、この仕事は止めたい。車の運転を習ってタクシー・ドライバーになるんだ。今は夢でしかないけどね。」
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ペル・コール僧院では仏像保管担当チームの作業が数週間続いていた。僧院長チョエフルは大声で明確な指示を与えていた。
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チョエフル「まとめると、我々は次のことを推進していかなければならない。」
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「まず、これが一番重要だが、政治教育委員会が要請してきたように、政治的な問題はもう起こさないということだ。」
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「第二には、我々は先代から続く文化的な伝統を維持していかなきゃぁならないってことだ。だから、昔から伝えられてきた遺産の保護に勤めなけりゃぁならない。」
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「第三には、我々には昔から伝わる手工芸品を新たに造ることは出来ない。よって当局の責任者から指示されたように、今残されているものを大切に管理していかなきゃぁいけないってことだ。我々はこの指示を受け入れるしか道はない!」
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(mh:こうやって組織のリーダーが大声で誰もが予測できるような指示を大勢集めて伝えている時って、皆さんも想像できると思いますが、聞いている方はみんな、白けているんですね。優れたリーダーとは、そんなことをする必要がないよう、普段から体制や方式を改革している人だ、とここで申し伝えておきたいと思います。)

ブートゥリーは共産党委員会での打合せから戻ってきたばかりだ。
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彼女と共産党の地区書記長クィミQuimeは知らせにショックを受けている。
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クィミ「昨日、組織委員会から指導者のブートゥリーを委員会に連れてきてほしいって言われたんだ。」
ブートゥリー「彼等は言ったわ。女なら55歳、男なら60歳になったら、引退しなきゃぁ駄目だって。」
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クィミ「結局は追い出されたんだ。別に悪いことをしたからってことじゃぁないのに。」
ブートゥリー「私は少なくても月々300元の年金を受けられるはずよ。私、委員会に“止めさせないでくれ”って頼んだの、だってこれまで何十年も一生懸命尽くしてきたんだもの。」
ブートゥリーの村で、党の決定に対して彼女を弁護をしてくれる人はいない。村から委員会には代表者を出していないのだ。
クィミ「ほかの19の村でも、今回、解雇されてるんだ。」
(mh:クィミはブートゥリーだけじゃぁないんだからあまり悪くとるなよ、って慰めてるんですね。)

ブートゥリーは共産党のために40年も働いてきたが、書面による業務契約をしていない。従って年金は受けられないだろうと言う。
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ブートゥリー「1元たりとももらえないのよ。共産党委員会のメンバーは私たちのような下っ端のことなんか面倒みる気がないのよ。生活の全てを取り上げられてしまった感じだわ。党は私をゴミの様に投げ捨てたのよ。」
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ブートゥリーは今、不安定な将来に直面している。
ブートゥリー「私、ずっと彼等のために働いてきたわ。でも、何も与えられないまま切り捨てられるの。今は、共産主義には整合性なんてないって思ってるわ。」
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次回は・・・
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ペル・コール僧院の僧侶が亡くなり、チベットの伝統的な葬儀が行われる。
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mh:鳥葬でしょう、多分。
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僧院で一番若い僧侶ツェフンが院から追放の危機に会う。
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そして僧院長代行のツルトゥリムは一年で一番重要な行事“仏陀の誕生日(注)”の準備をする。
(注)仏陀の誕生日は“お花まつり”、釈尊降誕会(しゃくそんごうたんえ)、灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)などと呼ばれます。
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チベットの春・・・畑を耕しています。
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BBC Documentary A Year In Tibet EP04 Monks Behaving Badly
https://www.youtube.com/watch?v=rvsIyFHAV50
(Part4/5完)

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