Mysterious Questions In The World

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チチカカ湖とウユニ塩湖の不思議な質問の答え


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このブログに張り付けておいた写真は手違いで消去してしまいました。
保管しておいたpdfから再生したブログはライブドアのブログに張り付けておきましたので
もしご関心がございましたら、つぎのURLでご確認下さい。
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チチカカ湖とウユニ塩湖の不思議な質問の答え
  Feb. 28th, '14 Mystery Hunter

質問

アンデスの山中、標高3500m超に2つの大きな「湖」があります。
一つはチチカカ湖と呼ばれる、青々と澄んだ淡水湖です。
他方、ウユニと呼ばれる塩湖は厚み数メートルの塩の層で覆われています。
「湖」の表面積は、いずれも琵琶湖の10倍以上です。
どうして、こんな高地に、淡水湖と塩湖という全く異なる湖が出来ることになってしまったのでしょう?

答えの探求

まずWikipediaで「チチカカ湖」、「ウユニ塩湖」、「ポーポ湖」、「コイパサ塩湖」を調べてみましょう。
ん~ん?「ポーポ湖」?「コイパサ塩湖」?なに、それ???

下のGoogle-Earth写真をご覧ください。
a1-location-relation.png
アンデス山中の南北600kmの範囲に4つの大きな「湖」が分布しています。
チチカカ湖はペルー共和国とボリビア多民族国(*1)で分割領有されていますが、その南の3つの「湖」はボリビア領です。

*1:
ボリビアの正式な国名はボリビア多民族国です。知りませんでした!
自国のスペイン語表記では Estado Plurinacional de Bolivia 、
英語では Plurinational state of Bolivia です。

ポーポ湖はチチカカ湖南東約300kmの「淡水湖」で、水面はチチカカ湖の青とウユニ塩湖の白の間の淡い水色をしていることが衛星写真から判ります。

コイパサ塩湖はウユニ塩湖の北西約20kmにあり、ウユニ同様、表層は塩原で、その下に塩化ナトリウム(NaCl)、塩化リチウム(LiCl)、塩化マグネシウム(MgCl2)などで飽和した水が溜まっています。

上の図を拡大したものが下の図です。拡大の都合で方角は約90度変えています。
a2-4-lakes.png
チチカカ湖とポーポ湖の間に青い点線を追記していますが・・・・
何?「デサグアデーロ」川?????

それに、ポーポ湖とコイパサ/ウユニ塩湖の間にも黄色と赤の点線が・・・
何だ、これは?

まずは青い点線のデサグアデーロ川ですが、雨季にチチカカ湖の水をポーポ湖に排出する川です!!

チチカカ湖には流入する川が25河川以上あります。
水源は湖の東西に連なる山脈の雪解け水と雨季の雨です。
上の衛星写真でも、チチカカ湖東の山に残雪が見受けられます。
チチカカ湖は豊富な水源をもつ川の水を受け入れる淡水湖なのです。

チチカカ湖から流れ出る川はデサグアデーロ川だけです。
Wikiによるとチチカカ湖流入水の10%がこの川から排出されます。
残る90%の水はアンデス高地特有の乾いた風、澄んだ空気を通過してくる強い太陽光、で空中に飛散(蒸発)してしまうのです!
4つの湖が分布するこの一帯は標高3600m以上ですが、チチカカ湖の湖面は標高3,958mで他の湖面より一段と高く、空気の乾きと太陽光の強さは抜きんでていて湖水の飛散(蒸散)速度は速いのです。

ん~?
それでは、他の「湖」の湖面の標高(海抜)はどうなってるの?
それに、衛星写真の中の湖水の色の違いはなんなの?
それぞれの「湖」の水の流入と流出はどうなってるの?

良い質問ですねぇ。すこしづつ核心に近づいてきました!
4つの「湖」の標高、色、水の流入・流出、がチチカカ湖とウユニ塩湖が淡水湖と塩湖に分かれた理由を語ってくれるのです!

4つの「湖」は東西を山脈で挟まれ緩く傾斜した「台地」(Plateauプラトー)の中の「盆地」(Basinベイスン)にできた窪みで淡水や塩水が溜まり「湖」になりました。

大昔、海底が隆起してアンデス山脈が出来ました。その時一緒に出来た台地の中の盆地には大量の塩水が残ることになりました。
但しウユニ塩湖を除く3つの湖は盆地の中の単なる窪みですが、ウユニ塩湖だけはカルデラ湖だと判明しています。塩湖の中の島は、火山が塩面から突き出たものです!

これら4つの湖を含む南北に長い台地は、北が高く、南が低い傾斜をしています。
その傾斜台地に分布した窪みに湖が形成されているのです。

高地の乾燥した空気と強い太陽光で水分は飛散し、徐々に「Salt Rich」(ソルトリッチ:塩過多)になりながら、大きな湖、そしてこれが分かれて複数の小さな湖、が形成されていきました。

湖の東西に連なる山々は、台地の傾斜に沿うように、北は高く聳えた山脈で、南は低い高地の様相です。従って、万年雪を抱える高山の麓にあるチチカカ湖には沢山の雪解け水が流れ込み、雨季には溢れてポーポ湖に流れ下ります。

ポーポ湖にも独自の水源はありますが、付近の山の雪の量が少ないために水量は僅かで、流入する水の90%以上はチチカカ湖からの水です。つまり、ポーポ湖の水源量はチチカカ湖の約10%しかないのです。
ポーポ湖も水の発散が速く、水位は下がる一方です。自ずと塩水湖化も進みます。
しかし、雨季などに水かさが増え、溢れることもあります。
すると水は隣の盆地のコイパサ/ウユニ塩湖に流れていきます。

チチカカ湖には雪解け水が沢山流れ込んでいますから、塩分濃度の上昇速度はそれほど速くはありません。従って現在でも青々とした水を湛えています。
しかしポーポ湖では、塩分濃度が上って塩の析出部が衛星からも見えだしました。

それではウユニ塩湖はどうでしょうか。

ポーポ湖から水が溢れて流れ込んでくることは稀です。
しかし、塩湖南方に万年雪を抱いた高山が控えていて、雪解け水はグランデ川(Rio Grande)という全長130kmの川となってウユニに向けて流れます。
(下左:青い点線がグランデ川。下右:ウユニ塩湖に注ぐ河口部)
rio Quetena river-mouth-uyuni.png
しかし、乾季は、途中の塩湖(ラグーン)や砂漠状の土地が水を吸収してしまい、ウユニ塩湖まで水が到達することはありません。

つまり、ウユニ塩湖は、チチカカ湖の数十分の1の水源しかなく、乾季は思い出したように降るわずかな雨を除くと流入量ゼロですから、どんどん干上がってゆき、海底隆起時に残った海水中の塩分やミネラル分が飽和凝縮して、湖面で塩が析出した塩湖になってしまったのです。
こんな塩湖ですから、当然ですが、流出する川はひとつもありません。

以上の説明を図で表すと次の通りです。
a3-lllustration.png
もう、詳しい説明がなくても納得して戴けるでしょう。

標高(海抜)はチチカカ湖が高く、ポーポ湖、ウユニ塩湖と低くなっていきます。
チチカカ湖には多くの雪解け水(淡水)が流れ込みますが、ポーポ湖は水量が少なく、ウユニ塩湖に至っては、流れ込む水はほぼゼロです。雨季はたまにポーポ湖からオーバーフローした水や、南のグランデ川の雪解け水が流れ込むこともありますが、大半の水はウユニ塩湖に行き着く前に地面に吸収され、僅かに流れ込む水も乾いた空気と強い太陽光で直ぐに飛散してしまうのです。

ウユニ塩湖に水が溜まるのは一年の内の数か月だけです。溜まっても塩湖の一部だけに限定されることが多く、水位は塩面から精々5~30cm。よって塩面を歩いてどこまでも行くことができます!
水が浅いので大きな波が立たず、特に風が少ない晴れた日は、水面は付近の島や空や星を映しだす天空の鏡となって幻想的な光景を創り出すことになるのです。

一方のチチカカ湖は淡水湖ですが、流れ込む水に僅かに塩分が含まれています。
90%が蒸散し10%しか排出しないので、塩分濃度は徐々に上がり今では0.1%程度とのことです。

Wikiによると、「塩分濃度が0.3%以上の湖が塩湖」ですが、ウユニと並んで死海も有名な塩湖です。
a4-DeadSea.png
死海の塩分濃度は海水(3.5%程度)の10倍の30%です!
また、死海は世界で最も海面から低い湖です。1970年は海抜マイナス395m。今は海抜マイナス418m。40年で23mも低下しました。毎年0.5mの速度で低下しているのです!

海面低下原因の一つはヨルダン川上流での灌漑で、死海に流れ込む水量が減ったためです。死海の南端部が湖本体から切り離されそうになったので運河で本体部と南端部を繋いで南端部の乾燥を回避しました。
海面が低下すると湖畔で地盤が沈下し、道路やホテルに被害がでます。対策として紅海から運河で水を引く案が検討されているようです。

・・・・・・・・・・・・・・
以上が南米出発前に準備した解答です。帰国後若干の修正は加えましたが・・・
以下に旅行で仕入れて来た情報を追加しますのでご確認下さい。

まずは今回の旅行のルート図です。
17;travel-route

旅行記は次回のブログに譲るとして、今回の不思議な問題でのポイントはLaRaya峠」です。

この峠は標高4335mで富士山より500m以上高いのですが、峠という名が示すように東西には高い山が連なり、南北は緩い下り坂の平面が続いています。
19;pass-4335
(左:クスコ側からチチカカ湖側を望む) (右:峠から東を望む)

峠の北つまりクスコ側に流れる小川はウルバンバ川になります!
下左の写真で判るようにウルバンバ川はマチュピチュ村を荒々しい濁流となって北に流れ、マチュピチュ山を迂回(下右)して更に北に流れ、熱帯雨林へ流れ込んでアマゾン川となり大西洋に注ぎます!
18;river-machupiccu

片や峠の南側へ流れだす小川は2百km南東のチチカカ湖に注ぐのです。
峠は将に分水嶺そのものでした。

チチカカ湖西岸の町プーノに観光船の桟橋があります。
桟橋からトトラという名の葦で出来た浮島に行く船が出航しているのですが、今回は時間の関係で乗れませんでした。まことに残念。その桟橋から東西方向の様子を写したのが下の写真です。
20;puno-eastwest
東方向(左)は雲で遠方は望めません。西方向(右)は小高い山でした。

チチカカ湖の東側写真(翌日撮影)と衛星写真は次の通りです。
21;titicaca-overview
実は東側には、上の写真にあるようにボリビアの万年雪を頂く山脈が連なっていたのです。プーノからラパスに移動する車から撮影しました。

つまり、チチカカ湖はLaRaya峠から南に緩やかに下る斜面にできた窪みに周囲の雨水やボリビアの連山からの雪解け水を飲み込みながら淡水湖になっているのです。

プーノからラパスへの移動が、ある理由(別ブログで紹介します)で、フェリーで湖を渡ってボリビアに入るルートから、チチカカ湖の南を迂回するルートに急遽変更され、今回の問題と関係するデサグアデーロ川を渡ることになりました!

川はペルーとボリビアの国境の町にありました。その川に架かる橋を歩いて渡り出入国手続きをしました!
22;rio-desagadero
かなりの水量がチチカカ湖からポーポ湖に向けて流れ出ています。が、チチカカ湖に入る水の1/10で、湖のサイズを考えると僅かな量です。

時期は2月18日で雨季。前夜プーノの町では1時間ほど雷雨があり、目抜き通りの石畳には川のように水が流れ、傘なしでは歩けませんでした。その時私はレストランで地場ビールを一人楽(寂?)しく味わっていました。
20;puno-diner

さて、話を戻すと、国境を越えてペルーからボリビアに入り、夜7時頃ラパスを見下ろす丘に到着しました。
町は擂鉢の内側に建物を敷き詰めた様相で、象徴のイリマニ山も見えました。
23;LaPaz-nightview
ご参考ですが、上の写真撮影場所の標高は4100mで、町灯の中心地は標高3600m。写真では分かり辛いですが、ラパスの町は急な斜面に造られています。後日、ホテルに近い展望台に行ったのですが、高地の薄い空気に加えて急な登り坂で、息が切れました。このような町は世界でもめずらしいでしょう。

翌朝ラパスを飛行機で発ち、ウユニに飛びました。50分のフライトです。
途中、窓から2つの塩湖を望むことができました。
24;uyuni-coipasa

ウユニ到着後、マーケットで買いこんだ果物とランチをトヨタのランドクルーザに詰め込み、念願のウユニ塩湖に乗り出しました。
25;uyuni-N-dry

表面は0.5~3mの厚みの塩の層ですが、その下は塩の飽和液です。
所々にガスが吹き出ている穴があり、液中に塩の結晶の塊片を見つけました。
32;saly layercristals

乾いた塩面をトゥヌパ火山に向け車を駆けていくと水に覆われた処に到着。
水面には火山や雲が映し出されます。
26;uyuni-N-wet

西に日が傾くと黄金雲も湖面にクッキリ投影されました。
遥か遠くにポツッとチリの雪山が見えますがデジカメでは認識不能サイズ。
27;uyuni-W-sunset

翌日は、不思議な質問の答えを求め証拠収集です。塩湖に流れ込む川の調査に出かけました。
ウユニの町から西に1時間半ほど車で行くとコロラド川、更に45分でグランデ川に出合いました。
いずれも遠く南の山からラグーンなどを経由してウユニ塩湖に注ぎます。
29;rio-colorado
30;rio-grande
川幅は8m程。平均深さは15cm位いだったでしょうか。水はしょっぱかったですが真水に近い状態でした。しかし川の左右の湿地平原には表面が塩で白くなった場所があちらこちらで見受けられました。
ガイドに確認すると、いずれの川も乾季は流れていないとのこと。

これで出発前の予測を裏付ける証拠を集めることも出来きて大満足!
しかし、もし疑いのむきがございましたらお知らせください。

そうそう、現地の小さな展示館の塩湖形成説明図を紹介しておきましょう。
真水が蒸発し塩分だけが残った、という単純な内容です。
31;formation-uyuni

塩湖の深さについてはWiki英語版、スペイン語版を見ても定かではありません。一説には最深150mとのことですが眉唾物です。ボリビア政府は、単独で調査する技術も資金も不十分なのに資源の海外への流出を嫌ってか外国企業の参入を避けています。ウユニ塩湖の実態は暫くは闇の中(塩の下?)でしょう。

日本からの観光客は増える一方のようですが現地の観光インフラ整備は住民の反対もあって進んでいません。自然がいたずらに破壊され続けていくのでは?と心配です。

(解答篇:完)
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