Mysterious Questions In The World

世界のミステリーをご紹介します。

CleopatraとKathleen Martinez Berryの不思議

クレオパトラとキャスリン・マルチネス・ベリーの不思議?
クレオパトラなら知ってるけど・・・キャスリン?
a1501.png

まずはネット記事をご紹介しましょう。
「Adventures in Archaeology: Kathleen Martinez Berry’s Quest to Find Cleopatra」
考古学の冒険:キャスリン・マルチネス・ベリーのクレオパトラ探求

以降、キャスリンの生い立ちや、エジプトでのエピソードが続きます。長い説明で、読んでくれと言うのは少々気が引けるのですが、これを見ておいて頂かないと、その後で紹介するYoutubeの内容はあまりに唐突で、ご理解頂けないのではないかと思いますので、頑張って、大意を理解する程度でよいですから通読願います。
(記事)
キャスリンはドミニカ共和国のサント・ドミンゴSanto Domingoで弁護士の父、フランス系英国人の母によって溺愛されながら育った。幼い頃は本が一杯の自宅の書斎で開かれる父と仲間の弁護士たちとの勉強会に父と一緒に“参加”し、議論の様子を見ていたという。学問を目指すようになって以降で特記すべきことは少ないが、何度もチェスのチャンピオンになったり、素晴らしい水泳者swimmerであったり、柔道、空手、ピアノにも打込んだりしていた。

学問への興味はかなり早い時期から現れていたようで、5歳で幼稚園初めての登園日、画用紙とクレヨンを渡されると直ぐ手を挙げて先生にこう言った。「お家で描いていいですか?先生に教えてもらうことはないと思うから。」

翌日、彼女は小学校1学年に推薦されることになった。その後も手を上げては質問することが多く、飛び級で進級し、結局18歳で法律学校を卒業した。ドミニカでは法律学校の学生は卒業前に実際の事件に取り組むことが必須だった。彼女は銀行家が関与した政治事件を取り上げた。ベテラン弁護士たちが引き受けるのを避けていた事件だったが、彼女は勝訴する。卒業後、市で最も有名な犯罪弁護士事務所に採用されると所長はこう言った「じゃあ、法律を教えてあげよう。」(mh:何を意味するのか・・・判りません!)

キャスリンは20年間、弁護士として働き、顧客との信頼関係を築き、自分の事務所を持つことになった。大抵の人なら、それで満足していただろう。5年間、スペインのマドリードで暮らしたが、ドミニカに戻ると、また事務所を再開した。“顧客は戻ってきてくれたわ。これ以上の冒険をするなんて、その時は想像もしていなかった。”

しかし、彼女の心はいつも何かを求めていた。彼女は何年も前に父と交わした約束を忘れていなかった。実は、1990年、父の書斎で何か読む本をと物色していて、父がもう見なくなった、シェイクスピアShakespeareの“アントニーとクレオパトラAntony and Cleopatra”を見つけたのだ。その時、父は言った“クレイパトラは単なる政治謀略家で、歴史的には注目するに当たらない。”

すると彼女はこう応えたらしい。“なぜそう言えるの?どうして知っているの?その情報源は何?”
その時、彼女は自分でその答えを探そうと誓ったのだという。

その作業は、インターネットがあまり普及していないカリブ海の小さな国では大変な仕事だった。“私はプラトン(Platoギリシャ語ではPlátōn),ソクラテスSocrates,そして特にローマ人の書物なら何でも読んだわ。”その結果、「歴史書は勝者によって書かれる」との自明の理axiomを悟ったという。“勿論、当時のローマ人はエジプト人を嫌っていたわ。彼等はクレオパトラが美しいのが気に入らなかったから「不細工だが、気になるほどじゃあない。」なんて評論したのよ。そこで、今度はエジプトの情報を探してみることにしたの。エジプト人の見解は全く違っていたわ。彼女は彼女の王朝(プトレマイオス朝)で最も偉大だった、世界でも最も重要な国を統治した、地上で最も重要な女性だった、18歳で女王になった、って書かれていたの。それで私は彼女が特別の女性だったとの結論に至ったの。彼女は9ヵ国語を話し、法律や薬の書物も書いたのよ。私、日を追うごとに彼女について関心を強めていったわ。”

彼女はクレオパトラに関する本なら何でも読んだ。そして若く、母親でもある女王についての理解を深めていった。その結果、クレオパトラの戦略や思考過程が判るようになったと言う。絨毯にくるまってジュリアス・シーザーの前に登場したという、よく語られる物語は、キャスリンには軍事戦略的な天才の思い付き、というだけでかたづけられるべき問題では無かった。

“クレオパトラは砂漠の中を逃げ隠れしながらシーザーがアレクサンドリアに滞在していることを知ったのよ。彼に会う必要がある、しかし、どんな方法で?で、私から、ってことで彼に絨毯をプレゼントすることに思い当たったの。だけど相手はローマの将軍で、身辺はがっちり警護されているから、捕まったらその場で殺されてしまうわ。そんな危険なことするなんて、とても信じられない大胆なことよ。バラク・オバマの執務室に入り込むことを想像してみてよ。兎に角、それで私は彼女のことを尊敬するようになったの。”

キャスリンは弁護士の仕事を続けながら空いた時間をクレオパトラの調査に費やした。特に、宝物も一緒に埋葬されたと言うクレオパトラの墓が、どうして今まで見つかっていないのかについて、自分なりの理由を整理し始めた。その結果、これまでの歴史学者たちは重要な点を見逃していると考えるようになった。“クレオパトラは自分がイシスIsis神の現人神(あらひとがみ;権化living form)で、12年の関係があって3人の子供を作ることになったアントニーはオシリスOsirisの現人神だ、って信じていたの。”
a1502.png
そこで、キャスリンは、エジプト神話で最も有名なイシスとオシリスの現人神だと言われたクレオパトラとアントニーが死ぬと死体はどのように埋葬されるのかについて考えた。
a1503.png
“当時、死は重要な瞬間でとても意味があったのよ。彼女はコブラを使って自殺したわ。コブラはイチジクを入れた籠に隠されて彼女の所に密かに持ち込まれたって言われているの。私はドミニカ共和国の刑務所をあちこち訪れたけど、蛇を持ち込むなんて、とても難しくて出来ないと思うわ。どうして、もっと小さな瓶に詰めた毒を持ち込まなかったのかしら?エジプトでは3人の女神が蛇の形で現されていて、コブラはファラオを守るために使われるのよ。コブラを使った彼女の死は、きっと、彼女を慕う人達へのメッセージだったのよ。女神として死にたいっていう。”

“で、思ったの。クレオパトラの墓がこれまで見つかっていないのは、彼女が埋葬されたのは墓じゃあないって。彼女とアントニーはイシスとオシリスの神殿に埋葬されたのよ。神殿じゃなきゃあだめよ。でもどの神殿かが問題ね。”

2002年、キャスリンの自宅の空いたスペースは地図で埋め尽くされていた。イシスとオシリスの神殿があるエジプト内の全ての地点は地図にプロットされていた。そして、いよいよ、初めてのエジプトへの旅を考え、まだ公開されていない寺院に入る許可をエジプト政府から得ようと何カ月も電話やファックスを使って接触を試みた。しかし、何の応答もなかった。

“そこで、兎に角、行ってみることにしたの”と当時の様子を振り返りながら力強く言い切った。“家族は泣き叫んで止めようとしたわ、エジプト人に殺されるって!でも、私は、何かしようと決めたら、いつだって、必ずやるのよ!”

その後の話はスパイ映画のようだ。非現実的過ぎるとハリウッド映画でも取り上げないだろう。
いとこと一緒に朝早くカイロに到着した。入国検査官は彼女のパスポートをスキャンすると “ミッキーマウスのパスポートだなぁ”とあざ笑った。彼女は審査室に連れていかれることになった。その時、ドミニカはなぜカイロに大使館を持ってないのかしらって思ったという。
(mh:“ミッキーマウスのパスポート”って何だろうと思ったんですが、次の写真を見ると何となくわかりますね。この顔写真がパスポートに貼って有れば・・・ミッキーマウスと言いたい気持ちが判ります!Youtubeに登場する彼女は、もっとミッキーに似ています。)
a1504.png
彼女は審査室に数時間も留められることになった。最後に、審査官は彼女といとこに車に移動するよう命じた。ホテルに連れていくという。キャスリンは、彼等を信用しなかった。そこで、空港のお土産店が開店するまでの時間かせぎのため、トイレに行きたいと告げた。トイレから戻る時、開店していた旅行代理店に飛び込んだ。そして“車と、運転手と、スペイン語を話すガイドを急いで連れてきて!”と頼んだ。

“カウンターの向こうにいた男は言ったわ、でもあなた、英語しゃべれるじゃあないのって。でもスペイン語の通訳をって頼んだの。英語の通訳よりスペイン語の通訳を見つける方が時間がかかると思って。お金は今すぐ、クレジットカードで払うって言ったの。そうすれば、何かあった時、私の家族が、私がどうなったのか追跡し易いだろうと思って。”

当時を回想しながら、キャスリンは自分の行動が少し大げさだったかも知れないと考えている。あの時、車に乗ったとして、ホテルへ連れていかれなかった理由はあまり思いつかない。しかし、その時は気付かなかったのだが、この出来事は思わぬ効果を生むことになった。彼女が見つけたガイドはエジプト最高考古庁官の秘書を知っていたのだ。彼女は翌日10時に面会する約束を取り付けた。

キャスリンは緊張していた。考古学者の研究以外には公開されていない寺院の調査許可を得るための説得に与えられた時間は2分だけだった。しかし、彼女も驚いたことに、2か月間の調査が許可された!そこで、サント・ドミンゴで作って持ってきた地図を手に、イシスとオシリスの神殿を求めてエジプト中を歩き回った。しかし、どの神殿でも興味のある結果は得られなかった。残された時間が少なくなってきた時、最後の予定地、アレクサンドリアから50Km西のタポシリス・マグナ寺院Taposiris Magna Temple(注)を訪れることになった。既に数百年も発掘が続いている寺院で、破壊しつくされていたが、彼女にはある予感が在ったと言う。
a1505.png
(注:Taposiris Magnaはナショナル・ジオグラフィックの記事では“タップ・オシリス・マグナ”と書かれていました。オシリスの神との関係を示す表記です!)

“そこに着くと直ぐに感じたの。普通の遺跡のようだけど、私の心には、ある思いが浮かんだのよ。私には判ったわ。で、思ったの、どうして他の人は何も感じないんだろうって!”

そこが永年、探し求められていたクレオパトラとアントニーの墓だという彼女の思いは確信的なものだった。これまでずっと持ち続けていた信念が実を結ぶ可能性があると思った。同時に、考古学者たちは何世代もの間、重要な事実を見逃してきた、という馬鹿げた主張をする人間に、エジプト政府がこの貴重な遺跡の発掘許可を与えてくれる可能性はないだろうとも思った。

“私は遺跡の石柱にもたれて座りながら泣いたわ。なぜかって言うの?私はドミニカの単なる一市民よ。有名な考古学者じゃあないわ。ハーバード大学みたいな有名な学校の後ろ盾もないのよ。私、思ったわ、こんなに遠くまできたけど、誰も私の言葉に耳を貸さないだろうし、発掘許可なんかくれるわけないって。でも、私、泣くのを止めたの。仮に残りの人生を全て掛けたとしても、発掘許可が取れるまで戦うって決めたのよ。”

キャスリンは国へ戻り、再びカイロを訪れる準備を始めた。まず、サント・ドミンゴ大学に自分の計画を説明し、支援を取り付けた。次に“ミッキーマウスのパスポート”を何とかしようと外務大臣に面会して頼み込んだ。するとドミニカで最初のエジプト文化大使に指名され、即座に外交官用パスポートを発行してもらえることになった。

6ヶ月後、彼女はエジプトに戻り、エジプトの遺跡発掘委員会のトップと直談判する機会を得た。

“与えられたのは、また2分よ。で、言ってやったの。私、多分、クレオパトラの墓を見つけたわって。すると、トップの男は身を乗り出して、こう言ってきたの。「で、あなたの名前は何て言うんでしたっけ?」で、私また言ってやったわ。あなた、私に2分くれたんでしょ?だったら私が話し終わるまで待ってよ。クレオパトラはエジプトの最後の女王で、もしあなたが彼女のことに関心がないなら、あなた、仕事、止めた方がいいわって。”

彼女の知識か、粘り強さか、それともその両方に感銘したのか、リーダーは発掘許可の最終判断権をもつ機関に彼女が申請できるよう手配してくれた。許可がでるとしてもずっと先のはずだった。毎年、150箇所の発掘に200件もの申請がある。ともあれ手続を終えて彼女はドミニカに戻った。

3週間後、発掘計画が承認されたとの連絡を受け取った。通常なら1年間の発掘期間が与えられるのだが、彼女の場合は2ヶ月だった。家族に説明するとみんな反対した。助けを求めた伯父は言った“もし、お前の考えが間違っていたら、これまで積み上げたキャリアは全て失くなって、ドミニカに戻れなくなるよ。”

“伯父の言うことは正しいって判っていたわ。”でも、彼女は喜んで自分の夢に賭けることを選んだ。

しかし、他にも障害はあった。キャスリンは、短い時間に追われながら発掘を引き受けてくれるチームを持っていない。自費で、エジプト政府と当時、エジプト最高考古庁大臣だったザヒ・ハワスZahi Hawass博士の支援で編成されたチームとともに発掘サイトに戻ったのは2004年だった。

発掘を始めると興味深いものが次々と出て来た!まず6つの墓室が見つかった。それまで神殿で墓室が見つかったことはなく、神殿と墓の関係についての従来の考えを変えることになるものだった。また、クレオパトラとアントニーの像が彫られた硬貨40個が見つかった。更にはクレオパトラの石膏(アラバスター)の胸像や、金属板も。これらはキャサリンの理論が正しそうだとの根拠となっている。

ザヒ・ハワス博士は自信を持って記者たちに次の様に語っている。「神殿の中で見つかった墓ということは重要な人物が埋葬されていたことを示している。我々はある理論(mh;キャスリンの思い付きです!)に従って発掘を進めている。もしアントニーとクレオパトラの墓を見つけたのなら、21世紀で最も偉大な発見になるだろう。もし、彼等の墓を見つけないとすれば、この神殿の内もしくは外で、何か重要な発見をするだろう。」

キャスリンにとっては、蛇や蠍(さそり)がうじゃうじゃいる洞穴を歩くのは全く問題ではなかった。なぜなら、それは彼女があこがれている女性の足跡を辿っている証だからだ。

“私の理論は80%証明されたと思うわ。なぜって、これがイシスとオシリスを祀った寺院だということがわかったんだから。残っているのは墓を見つけること、墓室を見つけることよ。当初、人々は私たちをみては嘲笑していたわ。今は私たちの仕事を尊敬してくれているの。とても充実しているわ。”

以上で長~い前置きは終わりです。それでは、コーヒーでも入れて一息ついてからYoutubeにお進みください。
・・・・・・・・・・・
エジプト・・・古代の宝が密かに隠れている国だ。
a1506.png
あらゆる王や王女たちの中で、唯一人、不可解な人物がいる。クレオパトラだ。
a1507.png
ジュリアス・シーザーやマーク・アントニーの愛人で、ある時期、世界で最も大きな権力をもつ女だった。エジプトで最後のこの女王は秘密のベールで包まれている。
a1508.png
しかし、今、それが変わろうとしている。一人のアマチュア考古学者が、長い間失われていた寺院long-lost templeを発見した。
a1509.png
素晴らしい骨董品artifactも見つけた。地下道にはまだ沢山の遺物が隠されている。そして、多分、最も新しくつくられた墓も。

「すばらしい墓場だわ!これ見てよ、ミイラよ。」
a1510.png
これまで不可解だった女王に関する理解を変えるものだ。
「彼女は母親だったわ、女房で、女王で、女神で・・・」
a1511.png
彼女が発見した、もっと驚くべきものは地下道だ。
a1512.png
ある考古学者「きっと誰かが何かを隠したと考えてもいいだろう。」

そして、クレオパトラを探す上で最も大きな手掛かりとなりえるのは・・・ひょっとすると、キャスリンは、エジプト最後の女王クレオパトラが永い眠りに就いた場所を見つけたかも知れない、ということだ。
a1513.png
エジプト探検協会会長ノートン博士「そこには大きな開口が岩に明けられていて、そこの竪穴を見たら、きっとそれは墓に通じるものだと思うだろう。」
a1514.png
<クレオパトラの失われた墓>
a1515.png
「あなたは女神です、クレオパトラ。女神なら何をしても許されるのです。」
a1516.png
彼女の死から2千年後の今も、エジプトの伝説の女王は魅力を放っている。

我々が知っているクレオパトラはハリウッド版だ。男を惑わす女・・・エリザベス・テーラーが演じたクレオパトラは最高権力者のジュリアス・シーザーを誘惑する。
a1517.png
「昨日、私、あなたを私の部屋に呼んだのよ。なぜって、貴方の部屋に行く許しは出ていないって言われたから。」
a1518.png
ローマ帝国とエジプトの同盟関係が決裂すると、彼女は自殺した。しかし、本当のクレオパトラは、いくら調べても明らかにはなっていない。

「彼女の生涯は歴史の中の大きな不思議だ。」
a1519.png
彼女の足跡を辿るためのあらゆる証拠は既にあるはずだが、最も大きなミステリーは残されたままだ。どこに埋葬されたのか?
a1520.png
しかし、この件について、最近、新たなことが驚くべきところから見つかった。

キャスリン・マルチネスはドミニカ共和国の犯罪事件を扱う弁護士だ。しかし、この20年間、彼女の知識と経験をクレオパトラ探偵として使っている。
a1521.png
「私は自分がクレオパトラに呪いをかけられた考古学者だとは思っていないわ。私の最初の経歴は犯罪弁護士よ。で、私はトレーニングの事例として彼女を調べ始めたのよ。」
a1522.png
キャスリンは長い間、エジプト最後の女王に魅(ひ)き付けられていた。クレオパトラのことを沢山知っているし、彼女の死後や、彼女に関する伝説についても知っていると信じている。

この思いに憑りつかれた彼女はアレクサンドリアを訪れた。クレオパトラの時代に首都だったと信じられている所だ。
しかし、肝心な場所は千年以上も波の下で眠っている。
a1523.png
考古学者達は海底で王宮の跡を見つけた。
a1524.png

多くの人は、彼女の墓もそこにあると信じている。
しかし、キャスリンは女王がどこで眠っているかについて過激とも言える新しい理論を持っている!

紀元前31年、ローマ帝国の海軍はアクティウムの海戦でマーク・アントニーと共に戦うクレオパトラとその軍を打ち破った。
a1525.png
エジプトに逃げ帰ると2人は自殺する。

キャスリンは、クレオパトラの自殺はローマの手で汚(けが)されぬよう、事前に検討されていた計画に従って行われたと信じている。
a1526.png

「彼女の最後の日について、いろいろ分析した結果、それが宗教的な行動だって判ったの。そして、遺体はきっと寺院で見つかるはずだって思うようになったの。」
a1527.png
キャスリンはクレオパトラが戦略家で、ローマの眼を逃れ、神聖な寺院の地下に遺体を密かに隠すことを考える力があったと信じている。古代の書物を調べ、埋葬地の候補とした21の場所で調査を行った。
a1528.png
そのうちの1ヶ所だけが突出していた。タポシリス・マグナTaposiris Magnaだ。
a1529.png
アレクサンドリアの西40Kmの複合神殿だ。
a1530.png
キャサリンは、瓦礫が散らばるこの古代遺跡がクレオパトラの家系プトレマイオス王朝(注)の頃のものだろうと考えていたが、これまで誰もそれを証明したことはなかった。
(注:英語でPtolemyプトレマイと言います。)
a1531.png
ノートン博士「そこは考古学的な関心が薄かった所だ。クレオパトラとの関係を示す何物も見つかっていなかった。」
20世紀、何人かの考古学者が発掘したが、興味を引く発見はなかった。
キャサリンの予測は証明されるのだろうか?これがプトレマイオス朝最後の墓なのだろうか?
a1532.png
「一歩、寺院に入った時、私はうれしくて笑ったわ、なぜって、私、正しい場所にいるって知ったから。」
a1533.png
壁に囲まれた一帯には、この複合神殿が造られた時代や関係する王朝について説明する看板などは何もなかった。
a1534.png
「この寺院の発掘は完全に終わったと言える状態ではなかったの。」
a1535.png
専門家たちは、興味ある所ではないと考え、発掘を打ち切っていたのだ。「でも、私、彼等は間違ってるって信じていたわ。」
a1536.png
キャサリンは、この寺院が単なる古代の建物というだけのものではないという自分の考えを証明したかった。
a1537.png
「何を探しているかっていう明確な考えを持った人がここに来たことはないのよ。」
a1538.png

ノートン博士「キャサリンの考えはとてもセンセーショナルだ。しかし科学的なものが欠けている。彼女の発想に対しては多くの懐疑的な見方があった。」
a1539.png
彼女はサイト一帯の大きさを計測して、クレオパトラの首都の面積に近いことを知り、自分の考えが正しいと確信したという。もしクレオパトラの墓を見つけることが出来たら、彼女の生活や、死についてどんなことが明確になるのだろうか。
a1540.png
「人々はクレオパトラのことを映画で知っているわ。シーザーの妻で、薬を勉強して、法律書を書いて、女性の行動に制約があった時代でも多くのことをしたの。」
a1541.png
哲学者で、科学者で、その上、政治的なリーダーだったと書いた歴史書もある。
a1542.png
クレオパトラの生涯を調べているのはキャスリンだけではない。
a1543.png
歴史家のドロシー・トンプソンはクレオパトラが統治していた頃に書かれた書類に関心を持っていた。
a1544.png
ケンブリッジ大学トンプソン博士「私はエジプトの女王にとても関心を持っているの。想像などではなく、書物に描かれた女王の姿が私の研究対象よ。」

ベルリン博物館にはパピルスに書かれた2千年前の記録が保管されている。その記事の中にレオパトラの時代の統治の状況を垣間見ることができる。
a1545.png
「これは紀元前50年のものよ。最初にバシリセスって書いてあるわ。クレオパトラのことよ。」
a1546.png
「つまりクレオパトラが課税を命じたものね。女王になって1年半後のもので、彼女は、首都の住民は食糧を十分与えられるべきだと言っているの。」

クレオパトラはエジプトが飢饉で食糧難の時に次の宣言をした。「コーン(トウモロコシ)を買った者は北にも南にも、それを持って行ってはならぬ。全て首都に持って来なければならぬ。この命令に従わぬ者は何人であろうと死罪を与えられる。」
a1547.png
彼女のイメージからはほど遠い内容だ。
トンプソン博士「これを見ると、したたかな政治家ね。問題を自分のものとし、何らかの解を考えだすの。男を誘惑する女って感じじゃあないわ。実務家の女王って感じ。」
a1548.png
タポシリス・マグナの発掘を始める前、キャスリンはエジプトの権威機関に発掘許可申請していた。
a1549.png
その時、クレオパトラの墓に関する理論をエジプト最高考古庁のトップに送っていた。
a1550.png
前考古庁長官ザヒ・ハワス博士「私は発掘許可を与えることにした。彼女がとても頑固で、そこに墓があるって確信していたからだ。」
a1551.png
彼女が自分の考えを証明するために許された発掘期間は2ヶ月だった。調査隊を編成すると直ぐ作業を開始した。しかし、8週間経過し、残る期間が少なくなっても、何も見つかっていなかった。
a1552.png
「土器とか、そういったものすら見つからなかったので、みんな失望していたわ。」
発掘最終日、キャスリンはメンバーに、サイトに散って発掘するよう指示した。すると北側の門の近くで何かを掘り当てた。
a1553.png
「石の下に穴があったの。で土や石を取り除くと竪穴が見つかったのよ。」
a1554.png
地下深くまで続く、隠されていた竪穴を見つけたと関係者に報告した。
「竪穴の側面には小さなくぼみがあって、昔は梯子を使わずに下りていったの。下の横穴の形には驚かされたわ。」
a1555.png
竪穴は深さ5mで、底の横穴は2つの部屋のようだった。何のための部屋なのか?
a1556.png
「みて、壁には色が付いているのよ。」
a1557.png
それは驚くべき発見と言える程のものではなかった。単なる穴で、以前の発掘で見逃されただけだ。祈祷師が儀式で使ったものかも知れない。
a1558.png
どんな目的の穴だったにしろ、この発見で、彼女は発掘の延長許可を得ることに成功した。
「私が最も幸福だった瞬間よ。だって、この竪穴のおかげで、クレオパトラの調査を続けられることになったんだから。」
a1559.png
タポシリス・マグナには探せばまだ何かが見つかるということをキャスリンは証明した。しかし、ここは本当に長い間、秘密の中に隠されていたクレオパトラの墓がある場所だろうか?

予想もしていなかったクレオパトラの最後の日はミステリーに覆われているshrouded in mystery。何が起きたのか、誰も書き残していない。ローマの海戦で負けてアントニーは自殺した。クレオパトラも彼に続いたと言われている。
a1560.png
「古典によれば、クレオパトラは蛇の毒で自殺した。」
a1561.png
しかし、その次に起きたことはミステリーだ。
ノートン博士「遺体がどうなったのか、誰も知らない。いろいろ言われているが、結局、彼女がどこに埋葬されたのか、誰も知らないのだ。」
a1562.png
キャスリン・マルチネスは、自分は知っている、と信じている。クレオパトラはタポシリス・マグナのどこかにある寺院に埋められている!
a1563.png
ノートン博士「もしキャスリンが墓を見つけることが出来たなら、ツタンカーメンの墓の発見と同じくらいのインパクトがあると思う。」

発掘の第二期、キャスリンは別の考古学者が発掘を終えていた建物の跡に集中して調査した。
a1564.png
それは死を司る神オサイルスOsirisを祀ったものではないかと考えられていた。

しかし、最初に発掘されて以降、誰も関心を示してはいなかった。残されていた構造物は僅かで重要ではないと見なされていたのだ。しかし、キャサリンはそこで、すごいものを見つけた。その場所を特徴づける、壊れやすい石板が出て来たのだ!
a1565.png
「それは不思議な瞬間だったわ。これが見つかった物よ、注意して触ってね。」
a1566.png
「粘土と、ラピスラズリやトルコ石なんかの貴重な石で出来ているの。」

この骨董品artifactは寺院の基礎として奉納されたものだった!
a1567.png
ノートン博士「建物の基礎建築時に埋められた奉納品はとても貴重だ。寺院がいつ竣工されたのかの情報が記されている。」

文字はかすんでいるが、判読可能だ。
キャスリン「文字が見えるけど、今なら何が書いてあるか判ってるの。ギリシャ語で“バスレオス・トロネア”。つまり王プトロミーPtolemy(プトレマイオス王)という意味よ。」
a1568.png
石板は寺院竣工を記したものだった。エジプトを統治していたプトレマイオス4世が2200年前に建築を始めたと記されている!
a1569.png
クレオパトラの祖祖祖祖父だ!
a1570.png

キャスリンの発見は世界中の考古学者を驚かせた。彼女はこの寺院とクレオパトラ家の関係を証明したのだ。クレオパトラもここにきて祈りを捧げていたのではないかと考える根拠になる。
a1571.png
「私たちは理論的な証拠を見つけたのよ、今までこの寺について書かれた全てのことは間違っていたっていう。」
a1572.png
オサイルス(オシリス)寺院の竣工の時期が判ったのは、以降に続く更なる発見の始まりでしかなかった。数週間後、発掘を北に拡大して続けていると大きな発見をした。
「この方向に発掘を続けていたらこのブロックを見つけたの。壁の跡だと判ったの。更に発掘していくとこの建物の大きさが判るようになったの。入り口も見つかったわ。」
a1573.png
それは第二の寺院だった。ギリシャ人の歴史家ホーマー(ホメロス;紀元前8世紀)も記録していた女神アイセス(イシス)に捧げられた寺院だ。
a1574.png
アイセス寺院は区切られた3つの部屋を持っているようだった。その内の一つは何世紀もの間、使われていたようだ。ホーマーの記録と矛盾がない。これもクレオパトラとの関係を裏付けするものだった。

古代エジプト人にとって、アイセス(イシス)は絶大なる神だ。
a1575.png
「アイセスはエジプト人にとってとても重要な神よ。一般の人に受け入れられていたの。」
a1576.png
クレオパトラは自分をアイセスの生まれ変わりだと言っていた。
トンプソン博士「人々に受け入れられる、ずるいやり方ね。」
a1577.png
生きたアイセスならここ以外のどこを自分の埋葬地に選ぶと言うのだろう。

アイセス寺院の内壁付近を発掘していると、キャスリンはここが神聖な寺院の様相を持っていた証拠を発見した。お宝を掘り当てたhit the jackpotのだ。
a1578.png
「建物の内側で200個くらいのコインを見つけたの。いくつかはとてもいい状態だったわ。で、クレオパトラの顔が彫られていたのよ!」

「アイセスの寺院の内側でクレオパトラの顔があるコインを見つけた時、私がどんなに幸せだったか、あなたには多分想像できないわ。この美しいクレオパトラを。」
a1579.png
ついにキャスリンはクレオパトラに面会したのだ。コインはクレオパトラの時代、寺院が使われていたという事実を示している。
「私たちは、コインはアイセスへの捧げものだったって考えているの。」

クレオパトラの顔が彫られた銅貨は彼女が賢い統治者だった証拠だろう。
a1580.png
彼女の祖先達は金持ちが使う、もっと価値の高い銀貨に自分の姿を刻印させていた。クレオパトラが価値の低い銅貨に自分の姿を刻印したのは、多くの国民に自分を知らしめるためだったのだろう。
a1581.png
国民なら金持ちも貧乏人も毎日、使う貨幣に自分の顔が描かれている!誰が統治者かを示したのだ。しかし、彼女が活躍したのはエジプト内部だけではなかった。国際的な場面にも登場した。

ベルリン博物館ではトンプソン博士が第二の古代パピルス書物を解読している。そこにはクレオパトラがローマに受け入れられようとしてやったことが書かれている。
a1582.png
「これは女王がローマと同盟を結ぼうとしていたことを記した合意書で、ローマ人には無課税特権を与えると書いてあるわ。一番下には、一言“ギネシタゥ。”英語ではLet it happen(必ず実行せよ)という意味ね。」
a1583.png
この表記から新たな憶測が生まれてくる。一体、誰に宛てて書いた書類なのだろう?
「とてもわくわくする疑問があるわ、これはクレオパトラが自らの手で書いたものではないのだろうかっていう。」
a1584.png
「誰か別の人間に書かせたものかもしれない。真実がどうなのかは何とも言えないわね。でも、もし彼女が自分で書いたとしたら、素敵なことね。」

キャスリンの発掘が始まって4年目、彼女はアイセスの寺院の発見に続いて、クレオパトラの墓を見つけようと作業を進めてい時、寺院を囲む壁の近くで妙な場所に気付いた。
a1585.png
キャスリン「そこを少し掘ったら、地下に向かう階段があって、竪穴だって判ったの。」
a1585a.png
掘り進めたら深さ25mの穴だと判った。「誰が私と一緒に竪穴に入ってくれるの?あなた、クレオパトラのためにリスクを冒す覚悟がある?」

竪穴から何トンもの土砂を除去してから、まずキャスリンが中に入ることにした。
a1585b.png
穴の底で彼女は2つのトンネルを見つけた。片方は北に向いて延びている。
a1585c.png
反対側は更に長く続いていそうだ。
a1585d.png
どちらかは隠れた墓に続いているかも知れない。トンネルは岩をチゼルで掘って造られている。
「近くに蛇がいないか教えてくれるベドウィンが必要ね。灯かしてくれる?」

地上に向かう別の竪穴もあった。
a1585e.png
「なぜ、いくつも入口を作ったのかしら?誰でも見つけられるわね。」

墓の兆候は見つからない。しかし瓦礫の中に何かを見つけた。
「これ寺院の一部よ!」
a1585f.png
北のトンネルは16mにいったところで行き止まりになった。

「アイセス寺院の一部の大理石、いつ頃のものか判るかも知れない土器の欠片、なんかを見つけたの。」
a1585g.png
恐らく一番すごいのは人骨の発見だ。「頭蓋骨の一部を見つけたの。」
a1585h.png
誰で、何をしていたのだろう。それはミステリーのままだ。

キャスリンが見つけたトンネルはこれまでのところだけで300mもあった。クレオパトラの墓もこの辺りの地下に隠されているかも知れない。
a1586.png
クレオパトラが統治していた22年の間、エジプトとローマは敵対していたが、同盟を結んでいた時期もある。
a1586a.png
紀元前48年、クレオパトラが女王になって3年目、ジュリアス・シーザーはエジプトを征服した。彼は女王に魅せられ、二人は恋人同士になった。そして若いクレオパトラは彼女の知性と政治力を発揮することになる、政治的な同盟を強化するため。
a1586b.png
アリア博士「二人の間にあったのは誘惑だという見方がある一方で、政治的な策略だったという見方もある。恐らく両者だろう。ローマは地中海で最大の権力国家だった。エジプトは独自の権力を維持するためにローマの力を必要とした。ローマにとってはエジプトという食糧庫bread basketをポケットに入れることが出来たのだ。」
a1586c.png
2人の関係は4年つづいた。息子も生まれた。シーザーはクレオパトラをローマに連れて来て、彼女へのプレゼントとして彼女の栄誉を讃える寺院をローマに建てた。
a1586d.png
女王もお返しのプレゼントを持っていた。時間の秘密に関する科学的な宝物だ。
a1586e.png
シーザーの時代、ローマの暦は月の満ち欠けで定められていた。しかし1月が28日の周期では1年13ヶ月と季節との関係が曖昧だ。
a1586f.png
アリア博士「当時、ローマでは1年の内のある日というのが固定した日ではなかった。しかし、クレオパトラが持ち込んだエジプトのカレンダーは太陽の動きによって定められるものだった。」シーザーはこの考えを採用した。
a1586g.png
アリア博士「シーザーは太陽暦を整備し、1年365日を制定し、4年毎に閏年も定めた。ジュリアス・シーザーがローマに、帝国に、そして世界にこの方式を広めたのだ。」

紀元前44年、シーザーの時代は突然、終幕を迎える。暗殺されたのだ。クレオパトラはエジプトに逃げ帰った。キャスリンはクレオパトラがタポシリス・マグナ寺院で嘆き悲しんだだろうと考えている。
a1586h.png

10シーズンの発掘を終えた2014年までにキャスリンは素晴らしい骨董品を沢山見つけてきていた。全て、クレオパトラとその一族に関するものだ。

「これはお気に入りの骨董品の一つよ。多分クレオパトラの胸像ね。」
a1587.png
「これはライナーで目の周辺に化粧をする時のもの。これは錘(おもり)。何かを引っ張る時につかったものよ。」

「これはボスのアレキサンダー大王!」
a1587a.png
「これはペニス。エジプトの神のものね。」
a1587b.png
これらの骨董品は寺院の特徴を示す重要なものだ。
a1587c.png

北側の扉の近くで複合神殿の発掘をしていると、また、キャスリンは興味深いものを掘り当てた。妙な形をした14本の石の列柱だ。
a1587d.png
「これが重要なのは、それぞれが異なった対称形をしているってことよ。」
a1587e.png
「これまで14の石柱を見つけたわ。多分、プトレマイオスと関係があるのよ。14人の統治者を示しているのよ。」
a1587f.png
(mh:プトレマイオス系はプトレマイオス14世(クレオパトラ(7世)とプトレマイオス13世の弟)まで続きました。プトレマイオス15世(カエサリオン:小カエサル)もいるにはいましたが、彼はクレオパトラとシーザーの間に出来た息子で、彼が17歳の時、母クレオパトラが死ぬと彼も暗殺されています。)

つまりプトレマイオス王たちの列柱だと言うのだ。キャスリンは、この上に石像があったと考えている。つまり、この列柱の間の通路はタポシリス・マグナ寺院に出入りする重要な通路だった可能性がある。その通路の先には女王の墓が在ったのかも知れない。
a1587g.png

2015年2月、外壁の直ぐ近くの列柱の間で重要な発見があった。大きな石灰石の石板tabletというか石碑stelaだ。
a1587h.png
有名なロゼッタ・ストーンと同じようにヒエログリフhieroglyphと共に、エジプト人が日常使っていた大衆文字demoticが併記されている。
a1588.png
「このブロックがタポシリス・マグナの歴史を変えたってこと、あなた信じられる?」
a1588a.png

石碑はプトレマイオス5世の7年目に造られたものだった。ロゼッタ・ストーンより2年早い。石碑の記事によると、ここはクレオパトラが現人神だと主張するアイセスと関係がある寺院だった。
「プトレマイオス5世の時代、タポシリス・マグナはアイセスを祀る重要な寺院だったのよ。彼女は重要な聖地に埋葬されたってことになるわ。神殿の周囲の全てがアイセスを祀るためのものだったはずよ。」


ノートン博士「これはとても重要な石碑だ。当時、ここが王家の重要な寺院だった証拠だ。取るに足らぬ遺跡などではなかったのだ。」
a1588b.png
キャスリンが見つけた石碑は歴史を塗り替えた。タポシリス・マグナは北エジプトにおけるプトレマイオス家の重要な寺院だったのだ。
a1588c.png
「プトレマイオス王朝時、北エジプトで最も重要なアイセス神殿だったのよ。」クレオパトラ自身も何度も訪れて祈りを捧げたはずだ。しかし、彼女はここに埋葬されたのだろうか?キャスリンは発掘場所を、寺院を取り囲む壁の外まで拡大することにした。

500m東、灯台の形をした遺跡の近くで、周囲と少し様子が異なる場所に気付いた。
a1588d.png
「寺院と灯台の間だし、兎に角、掘ってみることにしたの。」
a1588e.png
「そしたら階段が現れたの。」
a1588f.png
その下には石で塞がれた穴があった。
a1588g.png

「マスクをした方がいいかもね。」キャスリンは、もしここに死体があれば微生物感染病に罹る可能性があることを知っていた。
a1588h.png
墓場だ!
a1589.png
儀式的な埋葬が行われた証拠となる最初の墓の発見だった。大寺院の外のこの辺りも複合神殿Temple Complexの一部だったのだ。
a1589a.png
更に発掘を進めると古代の埋葬地の様子が明らかになってきた。複数の穴に遺骨が詰まっていた。ミイラが入った穴もあった。
a1589b.png
「どのくらい大きな墓場なのか判らない位よ。いままで多分8百以上の遺骨を見つけたわ。」
キャスリンは数百平方メートルの巨大な墓地を掘り当てたのだ。古代エジプトの死者の町だ。しかし、誰が埋葬されているのだろう?
a1589c.png
キャスリンの活動は何年もの間、考古学者達の間で懐疑的に見られていたが、専門家たちは彼女の発見したものを見たがるようになってきた。
「ここは素晴らしい場所ね。」
a1589d.png
サリマ・イクラム博士は古代の埋葬に関するエキスパートだ。
「あら、これはすごいわ。見てよ。」見つかったいくつかの頭蓋骨には金箔が布で巻きつけられている。
a1589e.png
「顔に油を塗ってべとべとにしてから薄い正方形の金箔を貼り付けて、その上から布を巻いたのよ。」ここに埋葬されている人物は明らに金持ちだ。
a1589f.png
金箔は単なる飾りではない。「プトレマイオス時代はミイラ処理が完璧には行われていなかったの。代わりに、体に油を塗って、金などの華やかなラッピングで包んだのよ。」この墓地の全ては、ミイラ処理も含め、クレオパトラの時代の埋葬であることを示している。
a1589g.png
イクラム博士「ここは、すばらしい墓地遺跡だと思うわ。沢山の遺体が手つかずの状態で見つかっているし。」
墓はアイシスとオサイルスの寺院にも近い。極めて特別なものとして用意された墓地なのだろうか?
a1589h.png
「とても神聖な場所に位置しているのよ。だから、みんな、ここに埋葬してほしいって望んでいたと思うわ。ここに埋葬されるのは高貴な人々で、直ぐに永遠の安眠に着くことができたと思うわ。」
キャスリンは、いよいよ究極的目標、つまりクレオパトラそのものの墓、が見つかるのは近いとの確信を強めていた。
a1590.png
自学で知識を得た考古学者キャスリン・マルチネスは、多くの考古学者が何世紀もの間、探し求めていた、失われたクレオパトラの墓がもう直ぐ見つかるかも知れないと考えていた。
a1590a.png
ノートン博士「キャスリンはクレオパトラの墓を見つけたと言えると思う。彼女は世界で最も有名な考古学者の地位にまで達している!」
a1590b.png
キャスリンは既に、いくつもの説明がつけられない竪穴やトンネルをタポシリス・マグナの地下で見つけた。そして、自分が、ここでエジプト最後の女王クレオパトラの墓を見つけることを確信している。

古代のエジプト人が統治者の遺体を寺院に埋葬する例はあるのだろうか?
a1590c.png
2014年、考古学者のラムシーンが南エジプトの寺院群(mh:映像から、去年mhも訪れたルクソールのカルナック神殿に間違いありません!)で、ある興味深いものを見つけた。地下に続く竪穴だ。王家の儀式的な埋葬場所だと判明した。
a1590d.png
ノートン博士「このセンセーショナルな発見は王女カルマナに関するもので彼女は高位の祈祷師でもあった。」
カルマナはクレオパトラより900年も前の女性だ。クレオパトラは古代の伝統をタポシリス・マグナで復活させたのだろうか?
a1590e.png
ノートン博士「クレオパトラが、寺院に造られた王女カルマナの墓に似せて竪穴に埋葬されている可能性はある。特に高貴な家系の女性が寺院に掘られた竪穴に埋葬される例は、かなり見つかっているようだ。」

西門の近くで、キャスリンは地下室を見つけた。それほど深い所に造られたものではない。中には女性の遺骨が残っていた。
a1590f.png
「私たちは、この女性の遺骨を見つけたわ。お腹には赤ん坊がいたの。」
a1590g.png
分析によれば、妊娠中の女性でクレオパトラと考えるには若すぎるという。しかし、この発見の意義は大きい。寺院の敷地の中で女性の埋葬が行われていた明確な証拠だ。

キャスリンは直ぐにまた新たな発見をする。寺院内の北西の角地で階段を掘り当てた。
a1590h.png
大きな開口に繋がっている。その開口の底は岩で塞がっていた。
a1591a.png
「開口は10mx10mで深さは9mあったわ。とても大きな穴よ。」
そこを掘っていると竪穴が見つかった。かなり深い!
a1591b.png
竪穴に詰まっていた土砂を取り除いていくと深さ3mのところで遺骨を見つけたの。で私たちも興奮したわ、もっとすごいものが見つかるかも知れないって。」

キャスリンは結局35mを掘り進むことになった!何も出てこなかった。しかし、エジプトの墓の例から見ると、大きな開口から伸びた深い竪穴が示す意味は一つだ。
a1591c.png
「こんなに大きなサイズの穴となると、大物の墓としか思えない!」

これは偉大な発見につながるかも知れない。しかし、キャスリンに残されていた発掘許可期間は少なかった。そこで彼女は地下貫通型レーダーを持ち込むことにした。竪穴の側面を探査しようと言うのだ。そこに隠し部屋があるかも知れない。
a1591d.png
探査の結果、2つの空洞の可能性が確認された。
a1591e.png
「探査機は重要な空間を2つ、確認したわ。ファラオの最後の休息場所の可能性があるわ。」

「私はこう言えると思う。誰かが何かを隠しているって。何かは判らないけど、クレオパトラのミイラの可能性もある。」
a1591f.png

キャサリンの今年の発掘許可期間は終わった。竪穴の更なる調査は時を待たねばならない。しかし、この寺院には重要なものが隠されているというキャスリンの予感の正しさは証明された。彼女はタポシリス・マグナがクレオパトラと重大な関係をもつ大複合神殿であることを証明した。クレオパトラの墓は地下深く隠されているかも知れないのだ。
ノートン博士「キャサリンは誰よりもクレオパトラの発見に近づいたと思う。」
a1592.png

a1592a.png

a1592b.png

キャスリンの発見はTVニュースでも取り上げられた。
「エジプトではクレオパトラの墓の発見がなされたのではないかとの話題で持ちきりだ。」
a1592c.png
世界は彼女の調査結果に注目し始めた。
a1592d.png
「これは大きな発見を成し遂げるためのスタートなのよ。私はクレオパトラの墓を見つけるまで、調査を止めないわ。」
a1592e.png
「彼女の墓はタポシリス・マグナに立つ私の下に隠れてるって感じるの。」
a1592f.png
Cleopatra's Lost Tomb
https://www.youtube.com/watch?v=PxCDe5Uk4hU
以上でフィルムは終わりです。

キャスリンは次々と興味深い発見をしました。でも、ブログの巻頭部でご紹介したネット記事やYoutubeフィルムの内容からも判るように、彼女がタポシリス・マグナで偉大とも言える発見をすることになった切っ掛けは、クレオパトラならイシス(アイシス)女神を祀った神殿に埋葬されているのではないのか?という、いわば思い付き(理論と関係者は読んでいるようですが)だったのです。手あたり次第にイシス神殿が残る場所の調査を始めると、タポシリス・マグナ遺跡は、他と比べて広大で、発掘もさほど進んでいなかった。そこで彼女はこう思ったんですね。「今まで大勢の考古学者が探しても見つからなかった偉大な女王の墓なら、敷地が広大な、あまり発掘調査が進んでいない、イシス寺院に見つかる可能性が高い」と。広大な寺院ってのは重大な遺物があってしかるべきです。そんなもの見つかってなかったってのは、発掘が不十分だという証拠です。大きな寺院なら掘れば沢山、価値あるものが出て来たはずです。で、彼女はそう信じて作業を始めたんですね、きっと。

で~、みなさん。クレオパトラはタポシリス・マグナで眠っていると思いますか?私はキャスリンの思考過程は単純だが要点をついていると思いますね。従って、クレオパトラの墓がタポシリス・マグナにある確率は、他の場所と比べて格段に高いと考えます。頑張れ、ミッキー!
(完)

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する