Mysterious Questions In The World

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mh徒然草92: 忌まわしい捕鯨?

調査捕鯨「忌(い)まわしい」=豪環境相が日本非難
時事通信 3月25日(金)17時0分配信
【シドニーAFP=時事】オーストラリアのハント環境相は25日、AFP通信の取材に対し電子メールで回答し、日本が南極海で行った調査捕鯨について「忌まわしい」と非難した。  日本の船団は昨年12月に出航。「科学的調査」(水産庁)に十分なクジラ333頭を捕獲し、今月24日に帰港した。

関連するニュースがありました。
「妨害なく333頭捕獲、調査捕鯨終え3隻が帰港
読売新聞 3月24日(木)17時42分配信
2年ぶりに捕獲を再開した南極海での調査捕鯨を終えた日本の調査船団のうち3隻が24日、山口県下関市の下関港に入港した。調査捕鯨は、2014年3月の国際司法裁判所による南極海域での調査捕鯨の中止命令を踏まえ、捕獲数を削減するなど新計画に基づいて実施。懸念された反捕鯨団体の妨害もなく、計画通りクロミンククジラ333頭を捕獲して戻った。」

次の写真は捕鯨調査船団の母船「日新丸」で、船体にはRESEARCH(調査)の英文字が見えます。
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半年ほど前の2015年8月にも北大西洋でイワシ鯨90頭、ニタリ鯨25頭の調査捕獲をしています。

日本の捕鯨頭数の推移です。1986年の2700頭がピークで、1988年には急激に減少し、以降、徐々に増加傾向にあります。捕獲はミンク鯨(グラフでは茶色の棒)が多いようです。
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2011年以降のデータがありませんが、2015年度は2回の調査捕鯨でミンク鯨333頭、その他115頭、合計448頭を捕獲していますから、1990年代の捕獲ペースが維持されていると言えるでしょう。

捕鯨についての各国の判断を大雑把にいうと、問題なしとする国は少なく、捕獲を止めるべきだという国の意見が強いようで、国際捕鯨委員会(IWC)に加盟する概略70%の国は捕鯨に反対のようです。

Wiki:国際捕鯨委員会(IWC)
設立当初から1970年代半ばまでは、加盟国はおよそ十数カ国で推移していた。主要加盟国は、ノルウェー、英国、日本、ソ連、オランダなど南極海捕鯨操業国、デンマーク、オーストラリア、米国、カナダなど沿岸捕鯨操業国であった。
1970年代後半期より、加入国が急激に増加し、1980年代には40カ国前後がIWC加盟国となった。これは、ペルーなどIWC非加盟捕鯨操業国及び非捕鯨国に対して米国などから加盟が強く促されたことによる。捕鯨国に親和的な票を投じていたカナダは81年に脱退を通告し、反捕鯨国がIWCにおいて付表改正に必要な4分の3以上の多数を占め、鯨類資源に関する科学的不確実性を理由として1982年に商業捕鯨モラトリアムが採択されるに至った。
その後捕鯨国としては1992年にアイスランドが脱退し、加盟国は40カ国程度で推移していたところ、2000年代より再び加入国が相次いだ。1999年の年次会合後の記者会見において、亀谷博昭農水政務次官は捕鯨賛同国を増やすために漁業振興などを目的にした政府開発援助を活用する方針を表明し(日本経済新聞6月3日付朝刊/朝日新聞6月3日付朝刊)、以降日本側とEU諸国等反捕鯨国との間で加入の勧奨が相互に行われたためである。この結果、加盟国が84カ国へと1990年代に比べて倍増し、現在に至っている。」

2008年以降にIWCに加盟した国は10カ国で、捕鯨支持国は3、反捕鯨国は7となっています。

所謂(いわゆる)先進諸国で捕鯨に反対していない国は、日本、韓国、中国、ロシア、ノルウェイ、アイスランドで、他は反対派と言えるでしょう。カナダはIWCを脱退していて、エスキモーなどを中心に年数頭の捕鯨をしているようです。

この国際捕鯨委員会で、1982年、商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)を決議し、商業を目的とした母船式捕鯨、沿岸捕鯨を1986年から禁止することが決議されたのです。鯨の生体数調査を行い、絶滅を回避できることが確認されるまで商業捕鯨を禁止する期間(商業捕鯨モラトリアム)を定めたんですね。だから、日本の捕鯨頭数が1987年に前年の1/3になり、1988年には更に1/3に減ったんですね。

(モラトリアムmoratorium:精神分析学の用語。本来は「支払い猶予期間」の意であったのを転じて,社会的責任を一時的に免除あるいは猶予されている青年期をさす。)

で~未だに商業捕鯨が認知されていないので、モラトリアムが続いていますが、鯨の生体数や今後の予測を行うために、日本は「調査捕鯨」と称して捕鯨を続けています。

捕鯨に賛成する日本人に言わせると「カンガルーを何百万匹も殺して食肉にしているオーストラリアには捕鯨を禁止する資格はない」とのことで、説得力がある見解だと思う人も多いかと思います。しかし、この非難は的外れだとmhは思いますね。どこの国でも、牛や豚など、結構、賢くて、人間に慣れてくれば愛着も生まれる動物を食肉として殺戮(さつりく)していますから、カンガルーを殺戮することだけを取り上げるのは偏りがあると言えるでしょう。ならば、鯨だって、牛や豚と同じだから、食肉とするために殺戮したっていいではないか、との考えもあります。中国や韓国には狗肉料理専門店が多いようで、日本にも輸入され、中華料理店、韓国料理店などで食べることが出来るようですが、日本人は昭和になって以来、忠犬ハチ公の影響や、犬のペット化の普及から、狗肉を食べることへの嫌悪感が強くなり、みなさんの中でも食べたことがある人は少ないでしょう。犬は鯨よりも賢くて人間に近いとも考えられますから、犬を殺して食べるなんて中国人や韓国人は野蛮ねぇ、ってな考えの日本人は多いと思います。

話を捕鯨に戻すと、みなさんは捕鯨をどう思われますか?

なかなか難しい問題で、さてどう答えたらいいのか、悩むと思います。水産庁も悩むんですねぇ。で想定質問と模範解答が水産庁のホームページにあるんです。
Q1:日本はどうして絶滅にひんしたクジラをとるのか?
Q2:調査捕鯨は疑似商業捕鯨ではないのか?
(模範解答)
調査捕鯨では、1頭1頭のクジラから、それぞれ100項目以上の科学データが収集されています。その分析結果は、毎年国際捕鯨委員会(IWC)科学委員会に報告されており、高い評価を得ています。
また、調査が終わった後の鯨肉は市場で販売されていますが、これは国際捕鯨取締条約において、捕獲したクジラは可能な限り加工して利用しなければならないと規定されていることに基づいているものです。
調査捕鯨は、鯨類の調査のために行われているものであり、鯨肉を販売することを目的にして行われているものではありません。

Q3:日本は海外援助で開発途上国の票を買っているのではないか?
Q4:クジラを殺さなくとも調査は出来るのではないか?
Q5:どうして世界の世論に反して捕鯨を行うのか?
(模範解答)
鯨類の持続的利用は世界の多くの国が支持する考え方であり、反捕鯨は世界の世論では決してありません。国際捕鯨委員会(IWC)においても、加盟国の半数近くが鯨類の持続的利用に賛成しており、2006年の年次会合では、持続的利用支持国が反捕鯨国を上回りました。
また、そもそも国際捕鯨取締条約は鯨類の持続的利用をその目的としており、この条約に基づき、国際捕鯨委員会(IWC)が設立されています。適切な資源管理の下、豊富な資源量を有する鯨種・系群について持続的に利用することは、元来認められていることなのです。

Q6:クジラを食べなくても他に食べ物があるのではないか?
Q7:クジラは特別な動物と思わないか?
Q8:捕鯨が再開されれば必ず乱獲になる?
Q9:調査のために毎年850頭ものミンククジラを捕獲する必要があるのか?
(模範解答)天然生物資源の動向を把握するための科学データには、統計学的に一定以上の「確かさ」が必要です。この「確かさ」がなければ、どんな調査も意味のないものになってしまいます。何十万頭もいるクジラに関する科学データについて、必要最低限の「確かさ」を得るためには一定の数のサンプル(標本)が必要となります(例えば、日本人の平均身長を知りたいと思ったとき、10人の身長をはかるだけでは分からないのと同じことです)。
調査捕鯨における捕獲頭数は、統計学的な計算に基づいて決められた数字なのです。

Q10:クジラの肉は汚染されている?
以上のQ&Aの詳細をご確認したい方は次のURLを見て下さい。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/w_faq/faq.html#q10

日本以外で捕鯨をしている国ですが、ノルウェイ(IWC加盟国)が年間5百頭くらい、アイスランド(IWC脱退)が同2百頭くらい、フィリピン、インドネシアが50頭くらい、カナダが数頭という数字がWikiにありました。ロシア、中国、韓国は捕鯨に賛成しているIWC加盟国ですが、捕獲頭数は不明です。

日本とノルウェイが突出していますが、ノルウェイの捕鯨は古来からの食習慣で、捕鯨で生計を維持する小規模漁民の保護が必要で、独立国が他国からどうのこうの言われる筋合いのものではないし、アイスランドなどと共同で生体数の確保も進めている、ことを根拠に捕鯨を継続しているようです。

で日本はどうかというと、悩んだ挙句、想定問題と模範解答を準備したんですね。

しかし・・・水産庁の模範解答を見ると胡散臭さを感じます!捕鯨母船「日新丸」の胴体に、大きく「RESEARCH調査」とペンキで書いたり、商業目的ではないと言いながら、恐らく、全てを食肉として卸していますから、ずるい!って思います。捕鯨問題に正面から真摯に取り組んでいません。事なかれ主義が貫かれ、捕鯨に頼る漁民、鯨肉を食べたいというグルメ(?)を保護している振りをしていますが、本当は、困ったなぁ、どうしたらいいんだろう、取り敢えず、反対の立場だと言っておこうか、てな生半可な態度に思え、気が短いmhとしては、とても受け入れられません!

難しい問題だから判断を水産庁に一任する、というのでは、お釈迦様の「自灯明・法灯明」の教えを破ることになりますから、自分の考えで、法に照らして、あるべき姿ってものを見つけてみましょう。

こういうことは、筋を通すことが必要で、調査捕鯨と称して実態は商業捕鯨をするのは欺瞞(ぎまん)であり、理解を得ることはできないのでやめるべきです。そもそも、南氷洋のミンク鯨は日本だけが捕獲権利を持つ動物ではありません。世界の人々が平等に所有し、平等に保護しなければならない動物だと思います。他の国の人が捕獲しないでほしいっていってるのに日本の漁船が赤道を越えて南氷洋で狩猟するなどということは控えるべきだと思います。そんなことをしなくてもいいよう、捕鯨に頼っている漁民に他の生活の糧を計画的に準備する作業が必要だと思います。
カンガルーや犬を殺して食べていることが非難の対象になっていないのは、食習慣が違うからだけではありません。食肉となるカンガルーや犬が、食肉として、その国で育てられた“国畜(家畜)”だからです。鮪は回遊魚で各国の漁獲高が決められるようになっていたと思います。近大マグロなどという養殖ものも出回るようになりました。鯨もそうあるべきで、現在はモラトリアムだと言われているわけですから調査捕鯨と言えども控えるべきでしょう。調査なら殺さずやる方法はあるはずで、それを見つけるべきだと思います。

一方、日本の経済水域にいる鯨は捕獲する権利はあるかも知れません。いくら回遊しているからといって、日本が自国の経済水域で捕獲してはならない、ってな話はべら棒だと思います。そうはいっても、他国の経済水域を通過して日本の水域に入ってきた、言わば共有財産を、日本の思惑だけで捕り尽くすのも過剰行為でしょうから、回遊数が平年より多ければ、余剰分は捕獲できるなどとの制約をつけてやれば、鯨の生体数の減少は発生しないと言えるし、自国の経済活動の自由も確保できるので、他国とのトラブルは起きないはずです。しかし、日本の経済水域に入り込む鯨の数は恐らく、かなり少なくて、広い経済水域のどこに鯨がいるのかを把握しないと効率よく捕獲できませんから、捕鯨業者には特殊な人工衛星や超音波などを使った解析システムが必要です。お金がかかるし、めんどうな仕事だと思いますが、だからといって、鯨が群がる南氷洋まででばって、我が物顔に捕獲するのは許されない時代でしょう。早く対策を立てないと、捕鯨は日本では成り立ちません。捕鯨漁師は恐らく急速に減少しているでしょう。農業も後継者不足であえいでいます。将来の道筋を示せない政府に責任があり、それを他国のせいにするのは間違いだと思います。

Down by the Sally Gardens - Rita Eriksen
https://www.youtube.com/watch?v=oLnMEAKV36Q

(完)

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