Mysterious Questions In The World

世界のミステリーをご紹介します。

“ダ・ヴィンチ・コード”の不思議


“ダ・ヴィンチ・コード”は2003年に発売され世界中の話題をさらったベストセラーで、作家ダン・ブラウンDan Brownが書き上げたミステリーです。
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処女作は「天使と悪魔Angels & Demons」で「The Da Vinci Code」は2作目。

コロンビア・ピクチャーズがトム・ハンクス主演で映画化し、2006年に公開されました。
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日本でもヒットし、mhも文庫本を買い込んで完読しましたが・・・さて・・・どんなストーリーだったか・・・全く思い出せません!!!

そのmhが今回取り上げるYoutubeフィルムが「The Da Vinci Code: The True Story (Discovery Channel)ダ・ヴィンチ・コード:その真実」となると、殊勝にも、せめて粗筋くらいは調べ直しておかないとね、と考え、いつものようにWikiに尋ねてみたら、見つかりました、粗筋(あらすじ)が!

<粗筋Plot summary>
ルーブル博物館の学芸員でシオン修道会Priory of Sionの責任者ジャック・ソニエルは、ある夜、サイラスという名のアルビノ・カソリック僧にルーブル博物館内で撃たれた。サイラスは“教師Teacher”という名でしか知らない男の代理人として仕事をしたのだ。“教師”はHoly Grail(聖杯?)を見つけるための決定的手掛かり“鍵の石keystone”を捜し求めている男だ。翌日、ソニエルの死体はウィトルウィウス的人体図(下図参照)と同じ格好で見つかった。
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パリ警察はハーバード大学教授ロバート・ラングダム(映画ではトム・ハンクスが演じました)を召喚した。紋章学者のラングダムは仕事でパリを訪れていたのだ。

警察署長のベズ・ファッチェは、ラングダムを召喚したのはソニエルが死の直前に残した不可解なメッセージの解読を手伝ってもらうためだと説明した。メッセージにはフィボナッチ数(下図参照)が無造作に配置されていた。
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フィボナッチ数:1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,・・・
ラングダムはファッチェに、ソニエルは女神芸術分野の第一人者で、ソニエルが血で描いた五芒星(下図参照)は、ファッチェが考えるような悪魔崇拝ではなく、女神を表していると説明する。
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警察の暗号研究員ソフィー・ニーヴSophie Neveuは、自分がソニエルとは別居中の孫娘であること、警察署長ファッチェはラングダムが祖父ソニエルを殺したと考えていることをラングダムに内々で伝える。実は、彼女の祖父の死体のそばには“PS(追記?シオン修道会?)ロバート・ラングダムを探せ”とのメッセージが書き残されていたのだが、ラングダムが現場に来る前にファッチェがそれを消し去っていたのだ。
ニーヴは祖父が秘密の異教徒集団に加盟していたという記憶に悩まされていた。しかし、祖父がラングダムに暗号をとかせるつもりだったと判り、その暗号をたどったニーヴとラングダムはチューリッヒ貸金庫銀行のパリ支店の貸金庫に行き着いた。2人は警察の目を逃れパリ支店を訪れる。そこで、彼等は“鍵の石”クリプテックスCryptex(下図参照)を見つける。それは筒状の、手に持てるサイズで、文字が描かれ、回転可能な5つの同心ダイヤル・リングがついた秘密の入れ物だった。
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Cryptex:作家ダン・ブラウンの創作品で、実在していたものではありません。上の写真はお土産品みたいですね。

5つのリングが正しく整列すれば入れ物を開けることが出来る。無理にこじ開けると、中に仕込まれている酢が流れ出し、中に保管されている、メッセージが書かれたパピルスが溶け、判読不能になる。クリプテックスが入っていた箱にはクリプテックスを開けるパスワードのヒントも残されていた。

ラングダムとニーヴは“鍵の石”をラングダムの友人でHoly Grailエキスパートのレイ・ティービング卿の家に持っていった。そこで、ティービングは、Grailは杯ではなく、マリー・マグダレンの遺骨が入った墓だと2人に告げる。3人はティービングの自家用機で国外に逃げ出すが、機中でニーヴの名前“SOFIA”がクリプテックスを開ける暗号文字だと気付く。クリプテックスを開けると、中には、更に小さなクリプテックスが、新たな暗号ヒントと共に入っていた。暗号ヒントは3人をウエストミスター大聖堂のアイザック・ニュートンの墓に導くことになる。
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英国への機中で、ニーヴは、10年前に始まった彼女と祖父の間の別離の原因を告白する。大学から事前の連絡もせずに実家に戻った彼女は、“春の不妊治療儀式”を密かに目撃することになった。物陰に隠れていた彼女は、仮面をつけ、女神への賛辞を唱える大勢の男女が集まる儀式会場の中心で、祖父が女とセックスしているのを見てショックを受ける。ニーヴは家から逃げ出し、以降、祖父ソニエルとの接触を全て絶ってしまったのだ。ラングダムは、彼女が見たのは古代の儀式でヒエロス・ガモスと呼ばれる“秘密の結婚”だと説明する。

彼らがウエストミンスター大聖堂に到着する時には、実はティービングはサイラスを動かしていた“教師”だったことが明らかになっていた。ティービングは、バチカン法王庁を崩壊するためにHoly Grailを使おうとしていたのだ。彼によればHoly Grailとは、聖杯などではなく、イエス・キリストがマリー・マグダレンと結婚し、子供も産んでいたということを明確にする一連の書き物だという。彼はラングダムに銃口を押し当て、第二のクリプテックスを開けるパスワードを考えるよう命令する。ラングダムは“APPLE”ではないかと気付き、密かにクリプテックスを開けて中のものを抜き去ってから、ティービングの目の前でクリプテックスを破壊してしまう。ティービングは警察署長ファッチェによって逮捕された。ファッチェはこの時、既に、ラングダムが無実であることに気付いていた。大僧正アリンガロサはサイラスが罪もない人々を殺害するために使われていたことに気付き、サイラスを警察が見つけ出す手助けをした。警察がオプス・デイというキリスト教団の本部に隠れていたサイラスを見つけると、自分を殺しに来たと思いこんだサイラスは暴れ出し、あやまって大僧正アリンガロサを銃で撃ってしまう。大僧正は一命をとりとめるが、サイラスはこの事件で受けた銃の傷が元で死んでしまう。

第二の“鍵の石”の中にあった最終メッセージはニーヴとラングダムをスコットランドのロスリンRosslyn礼拝堂に導く。
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ロスリン礼拝堂の案内人は、子供の時にニーヴの両親とともに交通事故で死んでしまったと聞かされていた兄だと判った。更に、礼拝堂の管理人マリー・チョーヴェル聖クレアはニーヴがずっと会ったことがない祖母だった。そしてニーヴがイエス・キリストとマリー・マグダレンの子孫だと判明する(!!!)。シオン修道会は、ニーヴの命が狙われないよう、彼女の生い立ちを隠していたのだ。

最後のメッセージの本当の意味は、Grailはルーブル博物館の“逆さのガラス・ピラミッド”の下にある、小さなピラミッドの下に埋められているというものだった。
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それは“薔薇の線Rose Line(注)”の下にあり、Rose LineはRosslynにも通じる。
(注)Rose Line:ダ・ヴィンチ・コード原作者ダン・ブラウンの造語で、パリを通る子午線の仮称。

ラングダムは、本の最終ページに、この謎解きの最後のピースを書き記しているが、それを誰かに伝えたいと考えているふうではなかった。彼は“薔薇の線”に従って“逆のピラミッド”に辿(だど)り着き、昔、テンプル騎士団がしたように、埋められているはずのマリー・マグダレンの棺の前で跪(ひざまず)いたのだった。
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(以上がWiki: Da Vinci Code粗筋の訳です。)

この物語ではレオナルド・ダ・ヴィンチの有名な壁画「最後の晩餐」が大きな役割を果たします。最後の晩餐とは、十字架で貼り付けになる前夜Eveにキリストが12人の使徒と行った会食です。
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Holy Grailは「聖杯」と訳すのが普通です。
Holyは「聖なる」という形容詞で、Holy Nightと言えば「聖(きよし)この夜」となります。

英和辞書で「grail」を調べると「中世の伝説に現れた言葉でキリストの最後の晩餐に使われたコップ又は大皿で、アリマセアのジョセフJoseph of Arimatheaが、キリストが十字架の上から流した血を受け止める時に使ったと言われる。13世紀に書かれたイギリスのアーサー王に関する伝説にはGrailを捜し求める中世の騎士たちの物語が書かれている」とあります。

よってHoly Grailは聖杯と訳すのが普通なんですが、“ダ・ヴィンチ・コード”を知った今となれば、そう言い切れません。
それではYoutubeフィルム「The Da Vinci Code: The True Storyザ・ダ・ヴィンチ・コード:真実の物語」をお楽しみください。
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“タ・ヴィンチ・コード”は2000年続くHoly Grailの秘密を暴露した。
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公開されると世界中で論議を巻き起こした。関係者が法王から非難されることもあったという。ブルック・マスターの映画の内容にはどのくらい真実が含まれているのだろう?
エレイン教授「架空の物語の中で、原作者ダン・ブラウンはひょっとすると真実かもしれない何かを突き止めたのかも知れない。」
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レオナルド・ダ・ヴィンチは5百年前、彼の作品にメッセージを残したのだろうか?
ダ・ヴィンチ研究家マリオ「もし、最後の晩餐にあるという本当の秘密を知りたいと望むのなら、その絵を調べる必要はない。」
今回、映画で登場する紋章学者ロバート・ラングダムのモデルとなった男と、ダ・ヴィンチ・コードが有名にした教会に隠された本当の秘密を探し出した。
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現実の暗号解析者たちがダ・ヴィンチ・コードに隠された真実を描き出す。
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2006年5月、ダ・ヴィンチ・コードが映画公開された。ダン・ブラウンが書いた同じ題名の本に沿ってロング・ハウワード監督が造り出したこの映画は、世界中で議論を巻き起こした。
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製作者トッド・ハロウェル「我々は方々から個人的な非難を受けた。中傷メールも届いた。」
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映画のキャッチコピーは「キリストとマリー・マグダレンは結婚していて子供が一人いたというのは事実だ」と言っている。
カソリック教会関係者は激怒した。
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映画は興行収入7億ドルの大ヒットだった。
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しかし、映画の中身のどの位が事実に基づいたものなのだろうか?
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レオナルド・ダ・ヴィンチのよく知られた作品最後の晩餐を使い、重要な登場人物の一人セリー・ティービングは役者セリアン・マッカレンの口を借り「カソリック教会は2千年前の陰謀を隠している」と語っている。
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映画によれば、Holy Grailは多くの人が信じているような杯ではない。人物だ。しかも普通の人物ではない。カソリック教会が娼婦と言っている女マリー・マグダレンMary Magdaleneだ。
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教会が問題視するのはマリー・マグダレンとキリストが男とその妻だということだ。
神学者ロビン・ジョーンズ「教会が造り上げてきたキリストの重厚なイメージが危機にさらされる!」
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キリストが結婚していたのかどうかとの疑問はおよそ2千年の間、議論に上っていた。しかし映画では、その根拠は明確にせず、結婚していたと断定している。
ロビン「聖書では、この問題には全く触れていない。」
映画ではセリー・ティービングは、ほとんど知られていない“フィリップの福音書”という驚くべき証拠を挙げ、この考えを支持している。「キリストは他のどの使徒たちよりも彼女を愛していた。そしていつも彼女の唇にキスをしていた。」
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しかし・・・フィリップの福音書は実在していた!1945年12月、他の12のパピルスの本と共に西エジプトの農夫によって発見され、今もカイロ考古学博物館に保管されている。
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学者達は、キリストの使徒たちによって書かれた福音書の翻訳本だろうと考えている。
プリンストン大学の宗教学教授エレイン・ペイグルはこれらの本がキリストとマリー・マグダレンの、これまで伝えられてきたものとかなり異なる関係を説明していると信じている。
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エレイン「かなり異なる物語が記されている。もっとも重要なことはキリストが娼婦と関係を持っていたということだ。トーマスの福音書によれば、その女は使徒ではない。」
しかし、映画の中で主張されているように、フィリップの福音書には、どの使徒たちよりもキリストはマリー・マグダレンを愛していたと書かれているのだろうか?
エレイン「作家ダン・ブラウンはこう言っている“私がフィリップの福音書を見た時、キリストは誰よりもマリー・マグダレンを愛していて、いつも○○にキスをしていたと書かれている。”」
○○の部分はパピルスが欠けていて何か書かれていたか判らない。
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しかし唇に相当する言葉なら、欠けた部分にピッタリ嵌りこむのだ!だから、何人かの専門家はその翻訳は正しいかも知れないと考えている。

神学者ロビン・ジョーンズ「欠けた部分に唇と書かれていたとしても、それが、マリー・マグダレンがキリストの妻だったという証明にはならない。」と信じている。
「家族なら愛情表現として唇にキスをしあうのが普通だ。家族なら唇にキスをする。それは性的な感覚ではない。しかし家族でないとしたらそれは性的なキスだと言えるだろう。」
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エレイン・ペイグルは言う「ほかの解釈もあるわ。キスが儀式的な肉体的なものではなくて精神的な物だったという。」

しかし驚くべき新たな発見が更なる議論を生み出した。パピルスのこの小片は匿名の収集家が保有しているものだが、これまでの解釈を変える必要があると何人かの専門家が言っている。
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長年、失われていた福音書の一部だと信じられているものだが、2010年、分析と翻訳のためにハーバード大学に送られたものだ。33の言葉しか書かれていない。その中で最も関心を集めている節は「キリストは皆に告げた、これが私の妻だ」という箇所だ。
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エレイン「ダン・ブラウンは彼の小説の中で、ひょっとしたら真実かも知れない何かを突き止めたと考えてもいいかもね。見つかったパピルスの小片は分析の結果、最近作られた偽物ではなく、本物だと判っているの。だから記述が事実ならダン・ブラウンの考えは正しいって考えていいはずだわ。」

もし、この欠片の記述が事実なら、少なくとも何人かの初代のキリスト教徒たちはキリストが結婚していたと考えていたということだ。
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そうは言っても、福音書に書かれた内容でダン・ブラウンの考えが正しいとは言い切れない。何故なら、キリストの死後、かなりの年月が経ってから、何人かの信者が、キリストは妻を持っていた、と考えただけかも知れないのだ。

しかし、ダン・ブラウンはこれを更に発展させた。550年前、レオナルド・ダ・ヴィンチはこの秘密を知って、彼の有名な壁画の中にそのメッセージを密かに残したというのだ。
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それは事実だろうか?最後の晩餐はダ・ヴィンチの有名な作品で、ダ・ヴィンチ・コードの中で重要な役割を果たしている。フィルムによれば、キリストの右隣に座っているのはマリー・マグダレンで、教会関係者が信じているような使徒ジョンではないと言う。
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そして彼女こそがHoly Grailだと言う。
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ダ・ヴィンチ研究家マリオ「ダン・ブラウンの本やその映画を見た時、とても美しいので楽しめた。しかし、単なる科学小説science fictionでしかない。」
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マリオはミラノで活動している発明家でレオナルド・ダ・ヴィンチの専門家だ。彼は15年の間、ルネッサンスの大家の作品を調べている。マリオはフィルムが主張していることを、ある明確な理由から、信じていない。彼はダ・ヴィンチの最後の晩餐は、単なる変形版だという。

マリオ「ダ・ヴィンチの最後の晩餐が描かれる前、既に何百もの最後の晩餐の絵があった。」
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「彼が自分の絵を描く時、彼はいくつかの規則に従わねばならなかった。例えば12人の使徒の位置だ。」
レオナルドの最後の晩餐の前に描かれた絵の多くはかなり類似性がある。
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画家たちは、キリストと使徒の配置では同じ法則に従って描いていた。聖ピーターは手にナイフを持っている、キリストは銀貨を入れた財布を持っている、そして最も若い使徒の聖ジョンは若く、女のような顔をしている。
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マリオ「これがジョンなのか、それともマリー・マグダレンなのか?そう疑う気持ちも判るが、それは馬鹿げた疑いだ。何故なら、それはジョンでなければならないからだ。レオナルドは以前の絵を参考にするしかなく、それらでは、ジョンは必ず女性のような顔で描かれていた。単にそれだけの理由でしかないのだ。」
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セシーリア・フロシーニニはイタリア・フローレンスの絵画研究所の責任者だ。彼女の班はレオナルドの7作品を含め、イタリアの巨匠たちの作品の修復を行っている。彼女は最後の晩餐に描かれていることの多くについて確認することが出来ると信じている。
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セシーリア「最後の晩餐を描く時、レオナルドはそれまでと異なる手法を使ったの。湿った漆喰の上に絵具で描く代わりに、彼はアギィオックス、酢、油絵具を混ぜたものをつかって、メラニーズ教会(mh:ミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院?)の壁に直接描いたのよ。その実験は失敗だったの。」
絵が仕上がる頃には絵具は剥げ落ちてしまっていた。
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マリオ「今見ているのはオリジナルの絵の“影”だ。後に上塗りされ、レオナルドのオリジナルは失われている。」

フィルムは“最後の晩餐には文字が隠されている”と我々に信じ込ませようとしている。Mはマリー・マグダレン、Vはチャレス、つまり聖杯、の象徴だ。
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しかし、専門家に言わせると、全ての絵には文字を含んでいるように見える部分が数多く含まれているという。
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従って、新たな証拠が出てこない限り、最後の晩餐に文字が含まれているかどうかを議論しても答えは得られない。

レオナルド・ダ・ヴィンチはキリストとマリー・マグダレンの真実の関係を描いたということではないのかも知れない。しかし、彼はメッセージを発している。それは、5世紀前、ダ・ヴィンチ・コード同様、論争を巻き起こした。
マリオ「この絵から失われているのはヘイロウ(halo光背/光輪)だ。」
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レオナルド・ダ・ヴィンチの前に描かれた最後の晩餐では、キリストや使徒たちは聖人を示すヘイロウと共に描かれていた。しかし、ダ・ヴィンチはこの伝統を無視し、教会の壁画にもヘイロウのない絵を描いた。
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マリオ「彼等は普通の人間だとレオナルドは考えていたからヘイロウを描かなかった、と私は信じている。それこそがレオナルドの秘密なのだ」
レオナルドは最後の晩餐で控えめなメッセージの方法を使って語り掛けていたのだ。彼はキリストが人間mortalだと言っている。ダ・ヴィンチ・コードの本でも貫かれているテーマだ。
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しかし、彼はその他にも、何か解かねばならぬ暗号を残しているのだろうか?

ダ・ヴィンチ・コードでは、オスカーを受賞した俳優トム・ハンクスがHoly Grailを探すハーバード大学の紋章学教授ロバート・ラングダムを演じている。
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驚くことに、彼の人物像は実在するシンボルの専門家に基づいて組み立てられていた。ペンシルベニア出身のグラフィック・デザイナー;ジョン・ラングダムだ。
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ジョン・ラングダム「人々が私にラングラムのモデルじゃあないですよね、と訊(たず)ねるので、いいや関係ないですよって答えていたけれど、次々に同じ質問を受けているうち、皆さんがそう言うのならって気になってきたよ。」

ダ・ヴィンチ・コードではラングダムは紋章symbolの裏に隠れた意味を解く専門家だが、実在するラングダムは、それを造り出す方の専門家だ。
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ジョン「私がロバート・ラングダムについて特に気に入っている点は、彼が紋章symbolについて関心を持っていることだ。それは私の人生でもあり、彼の人生でもあり、私と彼が重なり合う部分だからだ。」ジョンの情熱は対照的な言葉や節、つまりアンビグラムを作ることだ。上下、左右、逆に読んでも読めるデザインだ。
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そしてこの特殊能力がダ・ヴィンチ・コードを描き始めるかなり前、原作者ダン・ブラウンと彼を引きあわせる切っ掛けになった。
ジョン「ダン・ブラウンの音楽経歴を知る人は多くない。ポップ・ミュージックのシンガーソングライターで、ある時、彼は「天使と悪魔」というCDの包装を、アンビグラムを使ってデザインするつもりはないか、と電話してきた。その時に仕上げたのがこれだ。」
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「でも、そのCDが完成してしまうと、彼は音楽への興味を失い、小説家になったんだ。」
5年後、ダン・ブラウンは「天使と悪魔」という本を書き、ジョンのイラストをその本に使った。ダンの次の小説がダ・ヴィンチ・コードだった。そしてそれが映画になる時、ジョンはまた連絡を受けた。
ジョン「これは私がデザインした、チューリヒの貸金庫銀行のロゴだ。」
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「映画でも使われた。トム・ハンクスの刺青(いれずみ)にも使われたよ。銀行の場面は2,3秒しか現れなかったけど楽しい瞬間だったよ。」映画の主人公はジョンと同じで紋章symbolに関心を持っているばかりでなく、ジョンのラスト・ネーム“ラングダム”と同じ名を持っている!

映画では、紋章学者はレオナルド・ダ・ヴィンチが創造したと考えられていたクリプテックスの暗号を解かねばならなかった。
映画のシーン「見てくれ、文が後ろから前に描かれている!」
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レオナルドは彼の多くの本で、文字を逆向きに書いていた。文字も変形して描かれていた。しかし、彼はジョンのようにアンビグラムは使っていない。その代わり“鏡文字”を使った。これが映画で言う“手の込んだ暗号方法”なのだろうか。
(以降、右利きと左利きの脳の働きの差を実験で確かめる場面が続きますが省略します。レオナルドもジョンも左利きだった、という事実(偶然?)があります。右利きの人と左利きの人では脳の働きが異なるのは間違いないと思いますが、それが先天的なものか、後天的な物かについては議論が必要だと思います。mhが思うには、後天的な部分が多いのではないかと。つまり、右利きが主流の世界で生きている左利きは、右利きと異なる感情をもつことが多く、これが右利きと異なる能力を産む、ということではないかと。またレオナルドは先天性の学習障害dyspraxicだったとの見解も披露されていました。文字の綴(つづ)りを暗記するのが不得手だとか、そういった障害で、その分、別の分野で特殊な能力を発揮する人が多いようです。)

レオナルドが学習障害者だったかどうかの証明は別にして、彼は世界でも最も創造的で生産的なデザイナーの一人だったのは間違いない。だから彼は映画に出てくる、究極の秘密の箱ともいえるクリプテックスを造ったのだろうか?ダ・ヴィンチ・コードのクライマックス画面では、トム・ハンクスが演じる人物が秘密の箱クリプテックスを開ける。
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その中にはHoly Grailの隠し場所が書かれたものが入っている。

正しい文字の組合せだけがこれを開けることが出来る。もし無理に開けようとして壊したら、秘密は永遠に破壊されてしまうのだ。

マリオ「クリプテックスはダ・ヴィンチの発明品のようにも見える。」
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「映画では、中には秘密が入っているのだ。とても魅力的な設定だ。私もダ・ヴィンチ・コードを探してみた。彼の本物の暗号だ。」

これはダ・ヴィンチが書いたノートのコピーの一つで“フォーリオンビー”と呼ばれている。その33頁に、ある人達に言わせるとクリプテックスに関する一連の設計図が描かれている。
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マリオ「リングの形は確かにクリプテックスと同じようだ。」

マリオはレオナルドが設計した発明品を造ることで生活費を稼いでいる。この数年、クリプテックスだと考えられているダ・ヴィンチの発明品を造っている。結果は驚くべきものだった。
「クリプテックスだというのは正しくない。あのリングは、直径2mの円形の永久機関だ。一度動き出したら決して止まらない機構だ。」
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「彼は、この考えに憑りつかれ、この種の機械を何百も設計しているが、摩擦が主因で全て失敗しているようだ。」
つまりダ・ヴィンチのノートに書かれた絵はクリプテックスではなかった。実際のところ、クリプテックスは原作者ダン・ブラウンの卓越した想像の産物だったのだ。

映画では、クリプテックスが暗示した場所はパリのルーブルに隠されていた。夜の美術館の場面を撮影するのは決して楽ではなかった。
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製作者トッド・ハロウェル「そこでルーブルのかなり広い部分の模型をステージ、実際使ったのはジェームズ・ボンドのステージなのだが、その上に造り、必要な絵画も極めて詳細に準備した。」
映画での重要な場所ルーブルで学芸員だったソニエルはシオン修道会の筆頭者で、ダ・ヴィンチ・コードではシオン修道会はキリストとマリー・マグダレンの血統を残す秘密結社となっている。
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それは純粋な作り話でしかない。しかし、それを造り出したダン・ブラウンは真実の物語に触れたのだ。ハリウッドの脚本家の一人もそれを自慢している。
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1891年、ベニエイ・スニエイという修道士がフランス南西部の小さな村で教会を改築していて、古代の羊皮紙を見つけた。
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執筆家ジーン「この羊皮紙には、伝説にもなっていた莫大な宝物が、教会の中心に隠されていると描かれていた。」
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書類はラテン語で書かれていて、あるページの下段には2つのイニシャルPとSがあった。
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この興味深いヒントにも関わらず、宝物は見つかっていない。
そして凡そ90年後、1970年代後半、この謎を調べていた小説家が、その意味を説明する秘密のドシエイ(?mh:王家の家系図のようなもの)を見つけた。
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それによればPとSはシオン修道会Priory of Sionを表しているという。1099年に結成された組織で、秘密の血統を守るものだと言う、フランスの、ある王家の家系を!
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ドシエイはその家系の血統を古代から現在に至るまで追跡している。そして南東フランスで今も暮らしているピエール・フロンタールという男に行き着いた。
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シオン修道会がフランスの中世の王家の保護者だったという話はフランスで話題をさらった。すると「聖なる血統、聖杯Holy Blood Holy Grail」という本の原作者が彼等の考えを公表して、驚くべき展開になった。
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長年隠されていたフランスの王は、キリストの最後の活きる子孫でもあると言うのだ!
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執筆家ジーン「これは扇動的なセンセイショナルだった。彼等はキリストがマリー・マグダレンと結婚して子供を作り、その結果、王国が生まれ、ピエール・フロンタールまで繋がっているというのだ。つまりフロンタールがキリストの子孫だというんだから。」

しかし、その本はフロンタールには重荷になっていたようで、1992年、秘密のドシエイとシオン修道会の話は捏造(ねつぞう)したものだとフロンタールは認めた。
1960年代、彼は2人の友人と、自分が王家の子孫だという秘密のドシエイを創りあげたのだ。
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組織の名前は、彼の生まれ故郷の山の名Mont Sion(シモン山)から採った。その詐欺話は偽書類を古代資料の中に紛れ込ます作業から始まった。そして小説「聖なる血統、聖杯」の発行は最後の仕上げだったのだ。しかし、キリストの子孫だというのは、やりすぎだった。

ダ・ヴィンチ・コードの構想はこの本から20年後に書かれた。しかし、シオン修道会やキリストの活きた子孫については同じだ。

映画では最後の生き残り家系はフランスではなくスコットランドで見つかる。映画のクライマックスに登場するロスリン礼拝堂だ。エジンバラから数Km南の中世の建物だ。
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しかし、そこでの撮影はチャレンジでもあった。
製作者トッド・ハロウェル「ロスリン礼拝堂を初めて訪れた時、大きな波状の屋根が建物全体を覆っていた。」
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「長年の劣化で雨漏りが激しいので、仮の屋根を造って礼拝堂を保護していたのだ。確かではないけれど少なくとも20年程は経っているらしい。」
ハリウッドの撮影隊を受け入れるのは礼拝堂にとっては大きな衝撃になった。
「撮影の後、礼拝堂を訪れる人の数が飛躍的に増え、仮の屋根を本物の屋根に置き換えられるようになったんだ。映画関係者として、とてもよかったと思っているよ。」

映画ではロスリン礼拝堂はテンプル騎士団が建造したことになっている。キリスト教の軍隊で11世紀にHoly Grailの秘密を見つけたという伝説がある。石の構造を見ると、テンプル騎士団との関係がありそうに見える。
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礼拝堂保存責任者ニック「この礼拝堂の特徴は繊細な彫刻だ。随所に3次元の像が彫りこまれている。」
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「馬に乗った騎士像はテンプル騎士団との関係を思い起こさせる。」
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しかし現実には、この礼拝堂は騎士団が解団して200年後に建てられている。にもかかわらず、そこに彫られている像はHoly Grail探求者たちを引きつけている。

礼拝堂の薔薇の花は、ある人達に言わせるとマリー・マグダレンを表しているようで、Holy Grailハンターたちを引きつけている。
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ダ・ヴィンチ・コードは正しいのか、それとも間違いなのか?ロスリン礼拝堂は本当に秘密を隠しているのか?

2006年に公開された映画のクライマックス場面によれば、スコットランドのロスリン礼拝堂には秘密の部屋がある。マリー・マグダレンの墓室だ。何世紀もの間、この礼拝堂には本物のHoly Grailハンターたちが訪れている。映画は真実なのか?礼拝堂は秘密を隠しているのだろうか?
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礼拝堂保存責任者ニック「この礼拝堂には探せば探す程、不思議が見つかる。例えば尖塔に彫られた花の中央には穴がある。」
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「礼拝堂の24の尖塔には隠し部屋があり、花の穴はその部屋に通じていたのだ。その部屋は特別な目的で設計されていたのだが、宗教的な物ではない。中を調べたら古い蜂の巣が一杯あった。つまり尖塔の隠し部屋は蜂の集団の巣として使われていたのだ。

しかし、もっと難解な秘密の彫り物もある。特に、円形天井の梁についている215個の箱だ。
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スチュワート・ミッチェル「ロスリン礼拝堂の特徴の一つで、手が込んだ彫刻で重要な謎だと言える。」
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スチュワード・ミッチェルは作曲家だ。彼は彫刻された箱はコード(音階)を示していると考えている。ダ・ヴィンチ・コードで明かされた謎とは全く異なる謎を秘めているという。スチュワードは天井にあるこの215の石の箱の連続が500年前に礼拝堂を造る時に仕込まれたコード信号だと考えている。彼がそう考えることになった切っ掛けは、柱の上に彫られている演奏者の像だった。
スチュワート「オーケストラのように、いろいろな楽器の演奏者が演奏している姿を現している。」
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彼はロスリンのコードは音楽曲になっていると確信している。しかし、それを解き明かすトリックは、それぞれの箱がどの音階を示しているかが判らなければ駄目だ。
スチュワート「ロスリンの箱に彫られている文様はサイマティックスと呼ばれるものに似ている。」
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サイマティックスは“見える音”に関する学問だ。ジョン・リードはこの分野の研究者の一人だ。
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ジョン「音というのは全ての物質の内部から生まれてくる。宇宙にあるすべての物質は振動している。もし音を見えるように出来れば、今までと全く異なる方法で宇宙を理解することが出来る。」
音は目で見えないものだが、金属板を細かなホコリのような粒で覆っておくと振動数に応じて独特な模様が現れる。
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中世でもあったはずの特殊な技術を使えば、音の模様を作ることが出来る。ロスリンの箱はサイマティックスの文様が彫られた楽譜だというのだ。そしてインターネットのデーターベースを使い、スチュワートは箱に描かれたコードの音階を確定した。
スチュワート「ここにある第一のパターンはCナチュラルに似ている。隣のこの箱はA音階だ。これはB音階。」
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確認のため、振動学者のジョンの考えと比較した。
ジョン「ロスリンの文様と音階を確定する工程は、電子機械板を使って振動させながら文様を見つけることだ。振動数を徐々に変化しながらどんなパターンが現れるかを調べて音階とパターンの関係を決めていく。」
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こうしてロスリンの箱のパターンが現れる周波数を見つけてみると、ジョンの結果はスチュワートの結論と一致した。
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スチュワートのサイマティックス理論は上手くいったのだ。その結果、どんな曲が天井に描かれていたと言うのだろうか?それはこれだ!
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(どうあっても、その曲をお聴きになりたい方は最後に挙げるURLにアクセス下さい。)

しかし、ロスリン礼拝堂のニックはそれに賛同していない。
ニック「いくつかの箱は修理などで取れてしまい、後になって新しいものに付け替えられているんだ。」
ロスリンの雨漏り屋根はいつも問題を起こしていた。何世紀も続いた雨漏れで軟らかい砂岩で作られている箱は浸食や劣化を起こし、文様の詳細も判らなくなっているものが多い。19世紀、劣化が激しい箱は取り変えることになった。今でも、見れば、どの箱は新品と交換されたもので、どの箱が昔からのものかは判る。
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ニック「角や文様がクッキリしているのは入れ替えたものだ。しかしオリジナルの箱は丸みを帯びていて、文様部は薄れ、不明瞭だ。」
つまり現時点では15世紀の箱と19世紀の箱が混在しているのだ。
ニック「これまで文様が重要視されたことはなかった。だから新しいものに交換する時、オリジナルの文様のことなど気にせず作業が行われているんだ。」
従って、現在の文様から作られる曲がオリジナルの曲と同じかどうかは判らない。結局、曲の真偽は証明することはできなかった。

娯楽映画として、ダ・ヴィンチ・コードは驚異的な成功を遂げた。
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歴史としては、ほとんどの秘密は証明されることはなく、いくつかの秘密は価値のないものだった。
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キリストの妻についての福音書はダン・ブラウンのキリストとマリー・マグダレンの考えに新たな見解を持ち込むことになったが、その考えを保証するものではなかった。何故なら、その福音書自体が古代のダン・ブラウンが面白い話を造ろうと捏造した作品かも知れないのだから。
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The Da Vinci Code: The True Story (Discovery Channel)
https://www.youtube.com/watch?v=2oi5hdM6W8o
(完)

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