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mh徒然草106:タイの新憲法は悪くない?


昨日の8月7日、タイで新憲法賛否の国民投票があり、即日開票の結果、承認が確定したようです。

「タイ、新憲法案承認へ 軍が強い影響力を維持」
朝日新聞デジタル2016年8月8日00時42分
「一昨年のクーデター後、軍事独裁体制下にあるタイで7日、民政復帰に向けた新憲法案の是非を問う国民投票があり、賛成61%、反対39%(開票率94%)で承認が確実になった。推定投票率は58%だった。来年半ば以降に総選挙が行われるが、憲法案には上院議員を非公選にするなどの内容が含まれ、“民主主義の復活ではなく、非民主的制度が固定化される”と懸念する声も強い。」
中見出し:軍独裁のタイ、7日に新憲法の国民投票 賛否表明できず
「憲法案は、選挙で選ばれた下院議員や政権に対し、憲法裁判所などに強い監視権限を持たせ、上院は200人全員を有権者が直接選ばない、職業分野ごとの間接選挙で選ぶ形にした。さらに、選挙後5年間の「移行期間」には上院定数を250人に増やし、軍部が実質的に全員を選ぶ。国民投票での「移行期間中の首相選出は、上院を加えた両院合同会議で行うべきか」との付帯質問も賛成58%で承認が確実となり、軍が今後も政治に強い影響力を持つことになった。」

で~中見出しの「軍独裁のタイ、7日に新憲法の国民投票 賛否表明できず」とは何かっていうと・・・
「2年前のクーデター後、軍事独裁体制下にあるタイで7日、民政復帰に向けて新憲法案の是非を問う国民投票が実施される。民主主義に逆行する内容を含む憲法案には批判もある。だが、賛否の意見表明は封じられ、憲法案文は一部の世帯にしか配布されず、国民の理解は深まっていない。」
「タイ東北部ウドンタニ。1日、県として最初で最後の憲法案に関する意見交換フォーラムが開かれた。“では、質問がある方はどうぞ”との司会者の呼びかけに唯一応じたのは最前列にいた女性だったが、質問ではなく、憲法案を賛美する自作の詩を朗読し始めた。
県庁の担当幹部が憲法案を説明し、パネリストの地元の学者や元国会議員らが壇上で意見を述べた後、聴衆と質疑応答をするという形式。だが、来場者は役人や県と関係の深い財団の職員、大学から参加を指示された学生たちなどで、用意された約500席は半分ほどしか埋まらなかった。」

投票は軍主導の出来レースだったようですね。下院議員は国民投票で選ばれるが、ここで決められた法令の修正や廃案権を持つ憲法裁判所や上院のメンバーは軍が指名するってことですから、軍の意向で全てが決まる体制が憲法によって保証されたことになります。

何を持ってクーデターと呼ぶか、定義の問題もありますが、「単なる政治・経済の不穏であっても、軍が政権を掌握する正当性を有する」との条文もあるようですから、タイでは軍事政権が定着したと言えるでしょう。

軍事化のきっかけは、2001年から2006年まで首相を務めたタクシン・チナワット氏(巨額脱税容疑で退陣し、アメリカ・イギリスに実質亡命。現在は所在不明)、その実の妹のインラック・シナワトラ前首相(在位2011-2014。国民の中間層が首相退陣を求めたデモが、軍介入のきっかけとなった。)だと言えます。

富豪のタクシン家系(首相を務めた兄妹はアメリカ留学経験あり)から軍隊に政権がシフトしただけで、国民にとっては大差ない、ってな冷めた発想が、今回の新憲法の承認を呼んだのでしょう。軍が暴動を抑えてくれるから安心という国民感情もあったようです。

しかし・・・善かれ悪しかれ、国民の投票だけでは国政が決まらない(最後は軍が決める)ことになったわけで、民主主義は消失したと言えます。投票でこれを変える仕組みはありません。何を決めても軍が反対すればそれまでです。となれば、権力を握る側に立ちたいって考えるのが人情というものでしょうか。微笑みの国と言われたタイ王国は、これからは軍国主義国家に成り下がるしかありません。現在の国王ラーマ9世(プミポン国王)は89歳と高齢で、状況を変える力は持っていません。彼が亡くなれば軍司令官が葬儀委員長になって国葬が行われ、軍指導体制はますます堅固になるでしょう。

しかし・・・驕(おご)れる者は久しからず、と言います。権力を握った軍がいつまでも安泰というわけではありません。そう考えると、権力を追求する人々が哀れに思えてきたりします。人間とは不思議なものです。

The Monkees - I'm a Believer (Lyrics) Español & Ingles
https://www.youtube.com/watch?v=x_njf3J5obk

(完)

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