Mysterious Questions In The World

世界のミステリーをご紹介します。

アンティキセラ機構(Antikythera Mechanism)


お知らせ:
このブログに張り付けておいた写真は手違いで消去してしまいました。
保管しておいたpdfから再生したブログはライブドアのブログに張り付けておきましたので
もしご関心がございましたら、つぎのURLでご確認下さい。
http://blog.livedoor.jp/mysteryhunter/preview/edit/0e179c502f6f5a245fcf1c1181761035
なおライブドアブログのホームページURLは下記です。
http://blog.livedoor.jp/mysteryhunter/

アンティキセラ機構(Antikythera Mechanism)
                 2014年3月 Mystery Hunter

今回はYouTubeで見つけた
       Ancient Discoveries: Antikythera Machine
についてご紹介しましょう。

映像時間50分。実物は次のURLでお楽しみ下さい。


Antikythera Mechanismはアンティキティラ島の機械(Wiki)などの訳もありますが、今回はアンティキセラ機構としました。

突然ですが、今日(27日)我が横浜団地内のいつもの朝の散歩で桜が咲き始めた木が1本。近くには連翹(れんぎょう)の黄色い花が綺麗に咲いていました。

春ですねぇ。
そこで皆さんもどこかで聞いたことがある杜甫と李白の絶句を。

絶句   杜甫
 江碧鳥逾白 江、碧にして鳥逾々(いよいよ)白く
 山青花欲然 山、青くして花然(も)えんと欲す
 今春看又過 今春看々(みすみす)又過ぐ
 何日是帰年 何れの日か是れ帰年ならん

黄鶴楼送孟浩然之広陵(李白)
黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之(ゆ)くを送る
 故 人 西 辞 黄 鶴 楼 故人西の方、黄鶴楼を辞し
 煙 花 三 月 下 揚 州 煙花三月揚州に下る
 孤 帆 遠 影 碧 空 尽 孤帆の遠影、碧空につき
 惟 見 長 江 天 際 流 惟(た)だ見る長江の天際に流るるを
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<YouTube>Ancient Discoveries
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1901年、嵐を逃れた海綿(スポンジ)採取船は、アンティキセラ島近くの海で海綿の採取作業を始めようと潜水夫を水深60mの海底に送り込んだ。
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すると潜水夫は海底に人骨を見つけ、仰天して船に戻ってきた。別の潜水夫に調べさせると、人骨と思われた物は大理石像、ブロンズ像で、宝石類も見つかった。
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2千年前、貴重な品々をギリシャからローマに運ぶ船がアンティキセラ島の近くで海綿採取船と同じように嵐に会い、こちらの船の方は嵐を逃れることが出来ず沈んでしまったのだろう。

大理石像やブロンズ像と一緒に不思議なものが見つかった。
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(左)再現映像          (右)ギリシャ国立考古学博物館の展示品

その不思議なものはアンティキセラ機構と呼ばれ、仔細な調査が行われないまま博物館に展示されていた。

発見から50年経った1950年、エール大学のプライス教授が当時の新技術―X線―を使って解明に取り組み、1974年に論文を出した。
       Gears from the Greeks(古代ギリシャの歯車)
       The Antikythera Mechanism-A Calender Computer
          (アンティキセラ機構―暦コンピュータ)
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論文によるとこの機構は29個以上の歯車で構成された天文学に関係するアナログコンピュータで、2千年も前に造られたとは思えないこともあって世界から関心を集めることになった。

アンティキセラ機構より6百年ほど後に造られた類似の装置で使われていた歯車の数はたった8個だからアンティキセラ機構の複雑さは際立っている。

数千年前、エジプトやギリシャではクレプシドラ(Clepsydra:水を盗むの意)と呼ばれる水時計が使われていた。2つの壷を使ったもので、上の壷の底に明けられた孔から下の壺に水が流れ出ると、上の壷の水位が徐々に低下する。この水位の変化を壷の内側に付けられた印で見て、経過した時間を読み取った。
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しかしこれはタイマーであって時計ではない。上の壷の水が無くなれば時間の計測は止まる。
・・・・・このことからrun-out-of-time(時間が無くなる)という英語の慣用句が生まれた。

また、容器の水の流出速度は水位が高い時は速く、水位の低下につれ遅くなる。
従ってフロートを使った時計(下左)では時間を示す目盛りの間隔を徐々に狭くしないと均一な時間表示にならない。
(下右:目盛の間隔には“グラデーション”がある。)
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エジプト・アレキサンドリアの床屋の息子テシビアスは店で水がタンクから滴り落ちるのを見て時間の計測について考えるようになった。

彼は考えた。
      時間の計測では出ていく水より、入ってくる水の制御が重要に違いない!

常にオーバフローしている、水位が一定の容器の底から流出する水の速度は変化しない。その水で水車を回せば水車は常に同じ速度で回転する。この回転を使って時間を計ればよいのだ。

こうして彼は世界で初めて水力を使った水時計を完成させた。
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30日で一回転する円柱(日付)、円柱に沿って24時間で下から上に一定速度で上昇し上限に到達すると、数秒で下まで下降し、また24時間かけてゆっくり上昇するキューピット(時間)、1時間毎に羽を羽ばたかせクークーと鳴くフクロウ(時報)。これらが一定速度で回転する水車で動く世界初のcuckoo-clock(鳩時計)だ。何か月も動き続けるこの水力機械は時計でありカレンダーでもあった。

水時計の開発でテシビアスはmaster-of-time(時間を手懐けた男)と呼ばれるようになった。

アテネには「風の塔」と呼ばれる建物がある。100年ほど前までソクラテスやプラトンの墓ではないかと考えられていた。しかし今では時刻を知らせる施設だったことが判っている。
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都市の管理には太陽が出ていないと時を計れない日時計では役に立たない。風の塔の内部にはテシビアスが発明した機構を使った大掛かりな水時計が組み込まれていて、昼夜を問わず時を刻み、人々に時刻を告げていたのだ。

テシビアスが発明した時計やその技術資料はアレキサンドリア図書館に保管されていた。
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(上)現在のアレキサンドリア
(下)アレキサンドリア図書館の想像図と今でも残っている資料の一部
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当時、アレキサンドリア図書館はローマ、ギリシャ、エジプト、シリアなどの優れた文献や物件を集めた特異な場所だった。世界各地から科学者や哲学者などが訪れては議論を交わし勉強して新たな技術が発明され新たな文化が生まれていった。

かのアルキメデスもアレキサンドリア図書館でテシビアスの記録や時計を見たに違いない。

アルキメデスはプラネタリウムやアルキメディアン・スクリューの発明などでも知られる優れた科学者だ。
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彼はテシビアスの時計にヒントを得てchiming clock(チャイム時計)を造った。
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1時間毎に鳥の嘴が開き、中から鉄球が飛び出して鈴に当たっては音を出す。同時に、女の目の色が変化して時間の経過を表示する。

走行距離計も発明した。走行距離計とは自動車のパネルに埋め込まれ、走行した距離を示すメータの総称だ。これを使ってローマ帝国はローマから延びる道筋に沿って距離を測りマイルストーンを建てて帝国を管轄したのだ。
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アルキメデスの科学者としての能力が卓越していたことは史実から明らかだ。しかし本当に彼がアンティキセラ機構を開発したのだろうか?そして彼の開発した機構のレプリカがギリシャで造られ、ローマに運ばれる途中で海に沈んでしまうことになったのだろうか?

アンティキセラ機構は本当に2千年も前に造られたのだろうか?このように複雑な機構を造る技術が当時あったのだろうか?この機構の用途は何だったのだろうか?

ロンドン科学博物館のライトはプライスの論文から30年後、改めてアンティキセラ機構をX線分析し2千年前にも存在していたと思われる技術だけで完全コピーを造れるか挑戦した。
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アンティキセラ機構は、科学知識と鑢(ヤスリ)のような原始的な道具で造ることが出来た。
別の場所で発見されていた類似装置の文字盤などから、太陽、月、惑星の動きと太陽暦を示す装置だったに違いない。

本当にアルキメデスが発明したのだろうか?

その証拠はない。しかし、2千年も前、何十年もの周期で動く天体の運動を複雑な機構で再現することが出来たであろう人間はアルキメデス以外には思いつかない!彼の頭脳と技術力なしでは造る事はできない。

今日、アンティキセラ機構と同じ結果を得るにはコンピュータが必要だ。
2千年以上もの昔、現在を凌ぐ技術が存在していたのだ!

(フィルム完)

<補足>
順不同で紹介します。

Ctesibius(テシビアス):紀元前285-222年
アレキサンドリア生れの発明家。本格的な水時計を発明しmaster of timeの名もある。

Archimedes(アルキメデス):紀元前287-212年
シシリア島生れ。当時超一級の科学者。数学、物理、天文学に秀で、発明家、機械設計者でもあった。浮力の原理で王冠が純金製か見分けた逸話が有名。彼が発明したアルキメディアン・スクリューは粉黛や流体の搬送用として今も使われている。
ローマ帝国の内紛時、アルキメデスを召還して活用しようとした皇帝が兵士を派遣したが、兵士の呼びかけを無視して思索に耽っていたので怒った兵士に刺し殺された。
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アテネ国立考古学博物館:
アンティキセラ島近くで1901年にスポンジダイバーが見つけた「アンティキセラの若者」「哲学者」のブロンズ像と共に「アンティキケセラ機構」が展示されている。

アンティキセラ機構の概念図(YouTube):
木製の箱に入っていて携帯用に出来ていた。側面のダイヤルを回すと表面及び裏面の複数の針が動いて、年月、太陽・月・惑星の満ち欠けや方角などの天文的状態を表示した。
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アレキサンドリア図書館の現状(YouTube):
何度も火災に会い多くの資料が焼失した。僅かに残った資料は、昔の図書館の位置に建設されたモダンな建物の中で展示されている。
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(Antikythera 完)
P.S.
次回(4月初旬)はストーンヘンジの秘密(BBC)をご紹介します。お楽しみに。
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