Mysterious Questions In The World

世界のミステリーをご紹介します。

エベレストの不思議


今回はエベレストMount Everestのお話をYoutubeフィルム(2009年放映)をベースにご紹介しましょう。

エベレストが世界最高峰なのは皆さんもご承知でしょう。で~現在、その高さは厳密に何mでしょう?

厳密にいえば高さは刻々と変化していますから、人工衛星とGPSを使ったリアルタイム計測システムが作動していない限り、この瞬間の高さを正確に知ることは出来ません。YoutubeフィルムのスタッフがGPSステーションをエベレストの頂上ちかくに設定し、2年間、計測した結果が紹介されていますので後程、お伝えしましょう。

Wikiによれば、1999年に全米地理学協会がGPSを使って測定したら8850mだったようです。ギネスで確認すると8848mとありました。
Wikiに次の記事があります。
「エベレストの標高については諸説あり、1954年にインド測量局が周辺12ヶ所で測定しその結果を平均して得られた8,848 mという数値が長年一般に認められてきた」
で、今もこの値が有効なんですね。
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で~世界第二峰は8611mのK2です。
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第三峰は“カンチェンジュンガ(チベット語:偉大な雪の5つの宝庫)”で8586m。
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エベレストは第二峰のK2より2百m以上高いので、数百年以上は世界最高峰の座に居座り続けるでしょうが、火山や地震がありますからね。

例えば2015年4月、カトマンズの北西を中心とするマグニチュード7.8の地震がありました。
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ネパールでは大きな被害が発生し、エベレストのベースキャンプも雪崩に襲われて死者も出ました。
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地震でエベレストが大きく崩壊する可能性は低くはないのです。

エベレストが世界最高峰だと確認されたのは1856年です。それまでは、現在の世界第三峰カンチェンジュンガが最高峰とされ、エベレストはPK XV(Peak 15)と呼ばれた名もない山でしたが、イギリス東インド会社で地図の作成を担当していた測量局が測定してみたら8840mはあることが判り、局長ジョージ・エベレストSir George Everestの名を採って命名されました。チベット語ではチョモランマ(聖母)、ネパール語ではサガルマータ(大空の頭)とも呼ばれるようです。

世界のトップ三峰がどこにあるのかというと、K2はパキスタン、エベレストはネパール/チベット、カンチェンジュンガはネパール/インド(ダージリン)に在ります。
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カンチェンジュンガが世界最高峰だと考えられていた1856年、エベレストPK XVだけではなくK2(カラコルム山脈の第2番)も計測されていなかったんですね。秘境の山の高さを測ろうなんて考える人が当時はいなかったってことです。

エベレストが今、この瞬間、どう変化しているかを深く理解するには、その生い立ちを知ることが重要です。それは2億5千万年前に遡るのです。プレートテクトニクス、つまり“地球内部のマグマの対流による大地の移動”によって、いくつかの大きな大陸が衝突しあい、パンゲアPangaeaという大陸が生まれました。これが再び分裂を始め、2億年前にはローラシアとゴンドワナの2つの大陸に分かれました。
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その後、ゴンドワナ大陸が分裂して切り離されたインド亜大陸がユーラシア大陸に衝突します。
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その結果、ヒマラヤ山脈が生まれることになったのです。
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エベレストが形成された過程を確認するため、頂上、その数百m下の黄色い部分、そしてその下、の3箇所で石を採取することになりました。
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まずは頂上を目指して上ります。
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山頂の景色(1)
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頂上の景色(2)自分の目で確かめたい美しさです。
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頂上の石を採取したら、今度は頂上から数百m下のイエロー・バンド(黄色い帯)と呼ばれている部分で岩を採取します。
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ここがイエロー・バンドです。
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イエローバンドの下の岩も採取します。これで3つの岩が揃いました。
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山頂の岩を顕微鏡で調べると“ウミユリSea Lily”の化石が見つかりました!4億年前の石だといいます。
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ウミユリSea Lilyはというと~海に暮らす動物です!
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ウニやヒトデと同じ棘皮動物(きょくひどうぶつ)で、現在でも何種類かのウミユリが深海に棲息しているとのこと。

ウミユリの化石が頂上で見つかったということは、山頂が、かつては海底だったってことです。
ヒマラヤから流れ出ている川ではアンモナイトAmmoniteの化石も見つかるのです。
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アンモナイトはイカと同じ頭足類の古代動物で現在は絶滅しているようですが、同族のオウムガイは今も棲息しています。
Youtubeに“オウムガイと泳ごう!”が見つかりました。
ご関心があれば次のURLでご確認下さい。(日本語;9分30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=MB3_NeWZ0wI
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で~突然ですが・・・
つぎの人物は南極探検をしたロバート・スコットです。
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1912年、南極点到達を果たしますが、帰途で遭難し、4人のメンバーと共に亡くなりました。
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彼らが残した荷物の中には化石がありました。
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グロソプテリスglossopterisという植物の化石です。
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これがスコットが見つけたグロソプテリスの葉の化石です。
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その後、同じグロソプテリスの化石がインド、南アメリカ、アフリカ、マダガスカル、オーストラリアでも確認されました。地質学者たちは不思議に思います。同じ植物が何千Kmも離れた場所で見つかるのは何故だろう?風や鳥が運ぶ距離としては離れすぎている!
で~ゴンドワナと名付ける大陸があったと考えたんですね。
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ゴンドワナが分裂して生まれたインド亜大陸はプレートテクトニクスによって移動し、ユーラシアに衝突するのですが、その衝突がいつ起きたのかを知るには、衝突面に残っている化石を調べるといいのです。で~調べると50.5百万年前だったといいます。80百万年前にゴンドアナを離れたインドが50.5百万年前にアジアに到達したということは、6千Kmを30百万年で移動したことになると言います。つまり大陸の速度は0.2m/年という驚異的な速さだったのです。速度が速いと衝突の衝撃も大きく、“世界の屋根”ヒマラヤ山脈が生まれることになるのです。
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衝突すると、インド亜大陸は褶曲(しゅうきょくfold)しました。
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褶曲、つまり地層が巨大な圧力で折れ曲がったんです。
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その後、断層faultが生じます。
次の映像には巨大な断層が見えていると言います。
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白い線が断層面ですね。
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大きな力を受けて褶曲していた地層が褶曲だけでは歪みを吸収できず、切断してしまったんですね。
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この切断面(断層)にマグマが入り込み、加熱された岩はイエローバンドの大理石に変化したのです。

しかし、もっと大きな造山活動があったといいます。その証拠はヒマラヤから流れ出る川で見つかります。

山から運ばれてきたカイオナイトKyanite(藍晶石らんしょうせき)の結晶です。カイオナイトの形成は地下50Km以上の高温高圧部で行われるのです。
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さらには花崗岩Graniteも見つかります。
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マグマで2千度以上に加熱された岩が融け、押し上げられて花崗岩に変化したのです。
次の図でマグマに触れている側の白い層が花崗岩層です。
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一般的には、花崗岩が形成されると地殻が割れ、そこから地上に出現して花崗岩の山を形成します。その例はシェラネバダ山脈です。
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しかし、ヒマラヤでは、花崗岩はチベット高原からヒマラヤ方向に、ほぼ水平方向な層を形成しています。このコンベア・ベルトとも言える花崗岩層の特異な構造が、今日でもヒマラヤを上方に持ち上げているといいます。
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つまり、インド亜大陸はヒマラヤ山脈の下に滑り込んで、ヒマラヤを持ち上げる力を生んでいるといいます。

で~現在、ヒマラヤはどう変化しているのか?

5年間、連続的に計測を続けているGPSが設置されていました。
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このGPSステーションの位置の経時変化データから、インドは5cm/年の速度で北方向に動いていることが確認されました。今でも、インド亜大陸はアジア大陸の下に潜り込んでいるのです。そしてアジア大陸の上昇とともにヒマラヤも高くなっているのです。

大地が力を受けていると地震が起き易くなります。2008年までの過去100年で15の重大地震が起きています。
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最も新しいものは2005年のパキスタンの地震です。
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カトマンドゥも地震帯にあります。いつか大地震が襲うかもしれません。
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(この予測は2015年に的中しました)

一方、インドの広い大陸を南から渡ってくる水分をたっぷり含んだ大気はヒマラヤで止められ、ヒマラヤの南で大雨を降らせます。モンスーンです。
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ヒマラヤの南斜面の雨量は特に多く、流れ出す川の水位は1つの嵐だけでも5m以上も高くなることがあると言います。モンスーンはガンジス川、インダス川、イラワディIrrawaddy川(ミャンマー中央を流れる川)、ヤンチー(揚子)川という4つの大河を潤すのです。

ヒマラヤに降る雨は川となって渓谷を削り、雪は氷河となって山を削り、ヒマラヤの浸食は進んでいくのです。特にヒマラヤ南部のモンスーンは強力で、“ヒマラヤは削られて低くなっている”と考える気象学者もいる程です。

2004年以降、山がどのくらいの速さで削られているのかを測定する科学的手法が適用され始めたようですね。
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宇宙から飛んでくる高エネルギー物質Cosmic Rayを使う方法です。
この物質が岩に当たると宇宙焼けとも言える化学変化が起きます。
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変化の強さや深さを測定することで岩の浸食の速さを推定できると言います。試算によればヒマラヤでは1.1インチ(2.8cm)/年で、ロッキー山脈の6倍!世界でも最も早い浸食速度だと言います(!)。しかし、専門家はモンスーンによる浸食速度の方が速いだろうと言っていました。

エベレストはプレートテクトニクスによる地殻変化で標高が高くなろうとしている一方、モンスーンや宇宙焼けで低くなろうとしているのですが・・・
どちらの勢力が勝っているのでしょう?
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白黒をつけるには実測するしかありません。そこでYoutubeフィルム製作チームはGPSをエベレスト山頂近くに設置し、2年間のデータを収集してみたのです。
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その結果、毎年、1/4インチ(6mm)高くなっているとの結果が得られました。世界最高峰の山は、今も高くなり続けているのです。

高くなるヒマラヤは、将来、地球の歴史を変えるだろうと言います。世界気象の変化を引き起こすと言うのです。
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科学者たちは“Chemical Weathering化学気象”の研究を進めています。雨が降ると、大気中の二酸化炭素が水に溶けて酸性雨になり、岩にしみ込んで二酸化炭素を岩に閉じ込めます。つまり、雨は反温室効果を起こし、大気温度が低くなる方向に作用すると言います。ヒマラヤが高くなれば、インドのモンスーンは勢いを増し、雨が増え、大気中のCO2が減って、地球全体で大気の温度は低くなっていくんですね。

(mhガソリンや石炭などの化石燃料がCO2を産み出していますから、全体としては温室効果が高まっています)
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2.5百万年前に始まった氷河期はヒマラヤの影響が大きかったかもしれないとある学者は主張しています。
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Youtubeフィルムについては下記でご確認下さい。解像度が高い鮮明な映像で、エベレストの風景が楽しめますが、説明が少々くどいと思われたので、今回はmh流にまとめさせて頂きました。
Mount Everest documentary
https://www.youtube.com/watch?v=Or-StvJ4AlE

登頂者数ですが、1953年にイギリス探検隊のメンバーでニュージーランド出身の登山家;エドモンド・ヒラリーとネパール出身のシェルパ;テンジン・ノルゲイによって初登頂がなされて以降、登山技術や機器の進歩もあり、2010年頃からは年間500人程が登頂を果たしています。
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登頂可能時期は天候が安定している2ヶ月程度だと思われますから、2ヶ月(60日)で5百人、つまり平均して登山シーズンには毎日10人が登頂していることになります。

エベレストの登頂にチャレンジしたい方へのお知らせです。パッケージツアーに参加頂けます。費用は6万5千USD(7百万円)で、所要日数は、カトマンドゥ⇒エベレスト山頂⇒カトマンドゥで60日。
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今年のツアー募集人数枠は8人で2人分の空きがあるとのこと。
お申込みは次のURLでどうぞ。
https://mountaintrip.com/international/himalaya/everest/

(完)
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