Mysterious Questions In The World

世界のミステリーをご紹介します。

mh徒然草: 香具師は消えるのか?

(8月21日)
2015年11月20日“mh徒然草:消えゆく祭り、今何が”では地方の祭りが加速的に消えている実態をご紹介しました。
http://mysteriousquestions.blog.fc2.com/blog-entry-199.html

祭りと言へば、何んと言っても夜店、屋台でしょう。
今から60年程前の、mhが小学生の頃の話ですが・・・
mhが住んでいた山間(やまあい)の小さな町では、4月、諏訪大社祭が行われていました。神輿(みこし)は10基ほど繰り出してmhの家の前の大通り(大型トラックのすれ違いが大変な田舎道です)を練り歩き、数十人が引きまわす二階建ての山車(だし)では、一階では鉦(かね)や太鼓のお囃子(はやし)が、二階の舞台では踊りや劇が行われ、近在の町から見物客もやってくる大イベントでした。神社の大鳥居の近くの通りの両側には、ひよこ、水飴(みずあめ)、お面、ラムネ、玉蜀黍(とうもろこし)、陶器や金物、靴、玩具(おもちゃ)などを戸板の上に広げた屋台や、金魚すくい、ヨーヨー釣り、射的屋、綿菓子屋などが並び、夕方になると提灯(ちょうちん)の灯(あかり)に照らされる中を大勢の人が行き交い、とても賑やかでした。おもちゃ屋さんもない町でしたから、子供のmhは、祭りの屋台で初めて見る玩具や、お菓子などに目を光らせながら、何度も通りを行き来し、何を買おうか、買ってもらおうかと期待に胸を膨らませていました。
こうした夜店や屋台では必ず、香具師(やし)と呼ばれる人たちがいて、手弁当を食べたりしながら、お客を相手に商いをしていました。

しかし、この故郷の町は、過疎化の影響で3つの町が1つに合併され、3つあった中学校も今では一つになってしまいました。母が亡くなってから20年程一人暮しをしていた父の死を機に、10数年前、実家や田畑を処分してからは、お墓参りや法事でしか訪れないので、祭が今も続いているのか判りません。で、ネットで調べてみたら、一昨年の祭りの様子がYoutubeで見つかりました。神輿は神社保管の1基だけで、リアカーのような台車に載って引かれています。山車は小型トラックに代わり、荷台で二人の楽士が笛太古を打ち鳴らし、その後ろに、馬に乗った一人の神官、6,7人の巫女、更には町長や町会議員が並んで大通りを歩いた後、近くの川原に行って神事を行っていました。

Youtubeを見て気付いたのですが、昔、屋台が並んでいた通りに面した大鳥居は撤去されていました。その近くの通りは撮影されていないので、屋台の様子は確認できませんでしたが、子供の数も大幅に減りましたから、恐らく、屋台の出番は無くなっているんじゃあないかと思います。

専業の香具師なら、祭りから祭りと渡り歩いて、屋台を広げては商いする必要があるでしょうから、家庭を持つのは大変でしょう。その上、祭りの数や規模は全国的に激減しているはずですから、香具師は減る一方で、今の香具師には、生活費を稼ぐというより、兎に角、お祭りが好きだから副業しながら続けている人が多いのではないかと思います。

ネットで調べたのですが、お祭りでお店を出すには、法的には、露天商組合に加入する必要があるようで、近隣の商店が出店を設けて商いするのは違法のようです。恐らくは香具師を保護するためで、そうしないと香具師のもうけが減り、翌年の祭りには来てくれなくなって、祭りが廃(すた)れてしまうことを危惧しているからだと推察します。

現代の香具師は、祭りも人出も激減した地方は見捨て、都会のイベントを中心に暮らしているのではないかと思いますが、2日前の8月19日、東京・多摩川河川敷の花火大会は突然の雷雨で、急遽、中止になりました。
その日は朝から雲行きは怪しかったのですが、主催者側からは予定通りの実施が通達されていたので、昼過ぎには大勢の人が河川敷に集まり、香具師が商う屋台で軽食やビールなどを買って仲間同志で盛り上がって花火の打ち上げを待っていました。しかし午後4時過ぎ、突然、雷が鳴ったかと思うと、稲妻(いなずま)が走り、ゲリラ豪雨と強風が襲ってきて、屋台の雨除けシートは飛ばされ、お店の商品のお好み焼きや焼きそばなどは、ゴミに化してしまったようです。
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地球温暖化の影響で、天候や、海水温変動が異常化している現在、農業、漁業に携わる人は大変だなあと思っていましたが、香具師も雨が降り出すと商売にならない、お天気頼みの暮しをしていることを改めて思いました。厳しい生活環境の中で屋台での仕事を続けてくれている香具師のおかげで、日本の伝統的な祭りが生き残っていることを思うと、香具師に感謝せずにはいられません。

話は大きくそれるのですが、スポーツの祭典東京オリンピックのメイン会場になる新国立競技場は、確か、費用の都合で屋根は付けないことになったんじゃあなかったけ?と思い、ネットで調べたらCG映像が見つかりました。
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中の様子は次の通りです。
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屋根は観客席の上だけなので、大雨なら、競技は順延か、悪条件の中で行われることになり、4年に1度の晴れ舞台にもかかわらず、実力を出せない競技者や、集まった観客には残念な大会になってしまいます。他の予算を節約するとか寄付を募るとかして資金を捻出してでも、全天候型にすべきだとmhは思っていましたが、小池都知事がいう緊縮財政と、森JOC会長がいう資金を湯水のように注ぎ込むレガシーは、所詮、水と油で、融合案が生まれなかったことは、東京都だけではなく日本にとっても不運でした。

オリンピックの陸上競技は、雨が降ったら順延して消化できるのかも知れませんが、お祭りなら中止になることも多いでしょうから、ゲリラ豪雨をもたらす地球温暖化は、香具師にとって大きな心配の種になっていることしょう。

“家の前のアスファルトの道に、雨が音を立てながら降っている。明日のお祭りを知らないかのようだ”って短詩を、小学校高学年(中学低学年?)のmhが作ったら、先生に“なかなか好いね!”って褒められた朧(おぼろ)な記憶があります。香具師がどんな思いで、その雨を眺めていたのだろうか、と今、振り返って思ってみると、懐かしくもあり、少々複雑な気分もします。香具師のおかげで、物忘れが激しいmhの記憶の中にも幼い頃の思い出が残っていたということなのでしょうか。

These Boots Are Made for Walking With Lyrics Nancy Sinatra
https://www.youtube.com/watch?v=F2hR-rOukbU

(完)
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