Mysterious Questions In The World

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青天蓋ドーム;造り方の不思議


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このブログに張り付けておいた写真は手違いで消去してしまいました。
保管しておいたpdfから再生したブログはライブドアのブログに張り付けておきましたので
もしご関心がございましたら、つぎのURLでご確認下さい。
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青天蓋ドームの造り方
                    2014年5月18日  Mystery Hunter

ウズベキスタンの青天蓋ドームはどんな方法で造られたのでしょう?

ネット上には結構有力な情報がありますねぇ、今更ながらネットの威力を痛感しました!
それにまた、偶然というのは恐ろしい物で、何の気なしに見ていたNHK-BSでタージ・マハルの修復工事を取材した番組があり、念のためレコーダーで記録したのですが、これにもドームの構造を示す映像がありました!

ということで、ウズベキスタンに行く前にドームの造り方が概ね理解できましたので、一先ずご紹介しておこうと思います。現地で新たな情報が手に入れば、再度ご紹介します。

話が逸れて恐縮ですが、5月初旬に届いたメールを紹介させて下さい。
私が昔働いていた会社のネットワークで時々、近況を知らせてくれる先輩のものです。

「日に日に 緑深くなる今の時期が ‘惜春’ だそうで、詠んだ詩が‘年年歳歳花相似 歳歳年年人不同’。‘人同じからず’の意味するところは いろいろだろうが、私は 逝った人々を想う。夕方になると 酒が飲めたらいいなぁーーと。」

詩の出典を調べると唐の詩人のものでした。
  代悲白頭翁(白頭を悲しむ翁(おきな)に代わる)――― 劉廷芝
    年年歳歳花相似  年年歳歳花あい似たり  いつになっても花は毎年同じだ。
    歳歳年年人不同  歳歳年年人同じからず  でも人は年を重ねれば同じではない。
上の2行はひとつの詩の一部です。全貌は次のURLでご確認下さい。
http://homepage3.nifty.com/TAD/poems_3/poem_35.htm

TVのコマーシャルで二枚目俳優が俳句を詠むものがあります。
   「不如帰(ほととぎす)明日はあの山、越えて行こう。」

「どうして変哲もない句を?」と思って調べてみると種田山頭火の作品でした。山頭火は、足の向くまま気の向くままの漂泊人生を送った人で、旅先で読んだ一連の句の一つが「不如帰」でした。

思うのですが、俳句は世界でも最も短い詩と言われていて、句を読むだけで作者の意図や心情を理解するのは困難です。「年年歳歳」の詩も、作者の置かれていた環境が判らなければ味わいは浅い、と思います。

でも、よく考えると、俳句や詩の観賞では、作者の気持ちより、読者、つまり我々が何を感じるか、がよっぽど大切に違いありません。
「年年歳歳」を読んで、酒が飲めない辛さを嘆いた先輩の心情を思うと言葉が出てきません。

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それでは、気分を変えて、まずは4月29日(木)NHK-BS3から。
(中央のハレーションはデジカメのフラッシュです。無欲の傑作!)
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下は今回修理するドームで霊廟の右隣の建物(モスク?)のものです。
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大理石の表面もドームの曲面にそって磨かれ、円みを帯びています。
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下はCG画面。
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大理石タイルの下は???レンガ構造でした!!!
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タージ・マハルは1653年に完成しました。ドームの造り方もサラッと説明されたのですが、アーチ状に積まれたレンガの上に大理石のタイルが、恐らく漆喰(モルタルmortar)のようなもので貼り付けられているのです。

下の写真はウズベキスタンのブカラにあるモスクMir-Arabの青天蓋です。アラビア文字が書かれた装飾部のタイルが剥がれた跡には粘土のような下地が見受けられます。
その上方のドームは表面に青のタイルが貼り付けられているように見えます。
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ウズベキスタンのサマルカンドにあるモスクの青天蓋です。所々で青いタイルが剥がれ、茶色の下地(多分レンガまたは粘土)が見えています。
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以上からウズベキスタンの青天蓋ドームは、レンガでアーチ状の天蓋を造り、その上に漆喰、粘土、またはコンクリートのような接着剤で青いタイルを貼り付けたものが多いのではないかと推察されます。勿論、レンガ同士の結合もタイルと同じ接着剤を使っていたに違いありません。

青タイルの造り方は後日紹介するとして、レンガのドームはどんな方法で造るのでしょうか?

Googleで「how to build brick dome」(レンガドームの造り方)をキーワードで検索するとドームの写真が出てきます。ピザを焼くための直径1~1.5m位のものが多いのですが、直径4,5mのドームも見つかりました。

まずはピザを焼くドームの造り方です。
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レンガをDIYなどで買ってきます。曲面用の角度が付いたものが何種類か販売されています!

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まず基礎を造ります。

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角度のついたレンガとコンクリートでドーム状に組み上げてゆきます。
この時、軸対象になるよう、中心に支点をもつ「ゲージ棒」を使います。これで簡単に綺麗な円形ドームを造ることが出来ます。
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ドームの上層部にレンガを積む時は接着剤の漆喰やコンクリートが乾かないとレンガが落ちてしまうので、内側に棒を当てがい、接着剤が固まるまでレンガの落下を防ぎます。
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空気で膨らむビニールボールを入れるのもレンガ落下対策に有効です!!
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アーチ状に切り取った板でレンガの落下対策をしている例もありました。
段ボール板も使っています!
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完成したドームは下の通りです。ピザ出し入れ用の開口もあります。
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以上はいずれもピザを焼く炉としてのドームで直径は2m以下です。

この方法がモスクのような大型ドームに使われているかは少々怪しいと思いますが、レンガの組み上げ順序や漆喰などで固めてゆく方法は同じではないかと思います。

つまりウズベキスタンのドームも、そのほとんどがレンガと接着剤の漆喰、粘土またはコンクリートで組み上げたもので、外面には青いタイルが、これまた接着剤で貼り付けられて造られている、と推察します。

極め付きは、インドで1998年に行われたドーム建設の記録です!
工事の様子を時系列で撮影した写真があります。
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ドームが造られた場所は南インド。目的は瞑想用で、宗教団体の要請でAuroville Earth Institute(アウロビル土木大学)の学生が造りました。ドーム直径22m、高さ8m、団体の要望に合わせ9週間という短期間で完成しました。
天蓋用レンガの大きさ(ドーム半径方向の肉厚)はドーム下側から上にいくに従い、53cm、42cm、36cmと段々うすくなり、最も頂上部では21cmです。
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特に大きなドームでは、天井の中央部は自重で落下しやすいので、薄くて軽い方がいいですよね、理屈通りです。
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上:ドームの下側で厚さ53cmのレンガを積んでいるところ。

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上:ドームの頂上近くで厚さ21cmのレンガを積んでいるところ。
ドームの軸対象性は床の中心からドームまでの距離をロープで測ってチェックしています。

ウズベキスタンのモスクの入り口部の修復前の写真がありました。
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煉瓦で出来た建物の側面に色付きタイルを貼り付けているようです。

煉瓦同士を固めてドームを組み上げる接着剤には乾燥前の雨は禁物だったはずです。一方、自然乾燥した後の粘土は想像以上に雨に強いとのコメントも見つかりました。ドームは雨が少ない砂漠地方だけでなく欧州、英国でもかなり昔から造られていますから、どこにでもある普通の粘土を使い、少々の雨でも大丈夫なよう少し工夫して工事をしていたのではないかと思います。

煉瓦は木型に粘土を詰めさえすれば同じ形のものを簡単に大量生産できます。
アーチ用の、木型を少し工夫して勾配が付きレンガも造られていたと推察されます。
耐久性をよくするため日干しでなく焼き固めいたレンガも使われていたと思われます。タイルを造る焼成技術は紀元前からあったようですから、この技術を応用した焼成レンガも紀元前から出現していたと考えてよいのではないでしょうか。が、日干しレンガでも外側にタイルを貼り付ければ直接雨に当たることがないので問題はないのかも知れません。

なお、我らがお釈迦様も仰っていたように、形あるものは必ず壊れるのですから、どんな青天蓋モスクも永遠に同じ姿で輝き続けることはありません。メンテナンス作業は欠かせません。
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            (印度;前正覚山洞窟内の断食をする仏陀像)

よって今も美しく聳えているには、連綿とした信者たちの汗があってこそと言えるでしょう。

(完)
なお次回は5月23日「文明の起源は宗教?」です。お楽しみに。

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コメント


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Mystery Hunterさん、いつも辛口のコメントありがとうございます。

>‘年年歳歳花相似 歳歳年年人不同’。
>‘人同じからず’の意味するところは いろいろだろうが、
>私は 逝った人々を想う。
>夕方になると 酒が飲めたらいいなぁーーと。」
  先輩は毎年綺麗に咲いて散っていく花と
  二度と帰らぬ逝った人々を重ねて春を惜しんでいるのね。
  「酒が飲めたらいいなァ~」って、逝った人とでしょうか?
  それともドクターストップがかかっているのでしょうか?

  いずれにしても親しかった人との別れは辛いものですね。

私は、この漢詩を読みながら
方丈記の「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。」や
平家物語の「祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。驕れる人も久しからず、唯春の夜の夢の如し。猛き者もつひには滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ」を思い出します。

人は生まれた瞬間から逝き付く所に向かって生きていくのです。
揺り籠から墓場まで~誰にも平等に与えられた運命です。
その運命を短くするか長くするかは生き方次第でしょう。

老いる事、容貌が衰えることは仕方がないこと
表情豊かなイイ皴を刻んでいきたいものですね。

10年前に訪れたタージマハルの修復とドームの積み上げ方
面白く読ませていただきました。

設立当時の正に連綿とした信者たちの汗があってこそ・・・
同感です。

monalisa | URL | 2014-05-19(Mon)09:12 [編集]